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新世界  作者: 新々
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 屋上前の踊り場は階段の踊り場の半分くらいのスペースで、そのうちのさらに半分が粗大ゴミみたいな什器じゅうきで埋められていた。電灯もないから薄暗くて、直接日が当たらない分、涼しい代わりにちょっとホコリっぽかった。一応立ち入り禁止だから教師に見つかるとめんどうなことになるのだけど、滅多なことじゃ人なんて来ないから穴場といえば穴場で、放課後訪れてみると幸い先客はいなかった。

 この踊り場には前に一度だけ、月曜日の秘密のために来たことがある。その日はいつものように下着を確認し合った後は、ちょっとだけしゃべってすぐに教室に帰ったからあまり印象に残っていなかったけど、こうして居座ってみると思った以上に暗くて、そして本当に狭かった。

 そんな踊り場でわたしたちはいつものように、今日は壁を背にして座ったまま抱き合っていた。

 ちゆちゃんはなかなか話を切り出さなかった。わたしもわたしでいうタイミングがわからなかったから、黙って背中に手を回していた。

 さっきはさっちゃんから勇気をもらったような気がして、ソックスのことを素直に謝ろうと、そう意気込んでいたのだけど、改めてちゆちゃんを目の前にするとやっぱり緊張して、怖くて、自分から声をかけておいてこういうのもずるいけど、逃げ出したい気分だった。

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