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新世界  作者: 新々
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 聞きながらなんとなくはげまされているような気がして、それがちょっぴり嬉しくて、わたしは素直な気持ちで、そうだねって、うんうんって、さっちゃんの言葉のひとつひとつに同意したり相槌を打ったりした。

 わたしは相変わらず、自分をなぐさめてばかりいた。それが別に変じゃないって、大丈夫なんだってそう思っても、でもやっぱり気になって、おかしいのかな、異常なのかなって、そんな風に悩んだりもして。

 結局答えなんて出ないまま過ごしていたのだけど。

 でも今さっちゃんの話を聞いて、おかしいとか異常って、わたしが勝手に決めつけてることなんだなって、そう気づいて、何かいいヒントをもらえたような気がした。

 それが好きか嫌いかでいえば、たぶん好きだって答えるし、気持ちいいか気持ち悪いかなんてそんなのいうまでもなく、だからたぶん、わたしはそれを好きで気持ちいいと感じるわたしを認められないだけなんだと思う。

 だってなんか自分じゃないみたいで、怖かったから。

 でも、わたしの中にそういうわたしもいるし。

 そういうわたしも、わたしだから。

 全部、わたしだから。

 そんなたくさんのわたしをちょっとでも好きになれたら、さっちゃんじゃないけど、すげぇいいなって、本当にそう思う。

 だからまずは向き合うことから始めようって、そう決めて。

 休み時間に入ってすぐ、わたしはちゆちゃんに声をかけた。

 放課後、話があるから教室に残っていてほしいって。

 でもちゆちゃんから返ってきたのは意外な言葉だった。

「私ものりちゃんに話があるの。場所は……屋上前の踊り場でいい?」

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