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新世界  作者: 新々
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「のりちゃん、ちょっと顔赤いよ?」

 その変化に気づいたらしいちゆちゃんが、座ったままわたしを覗き込んでいった。

「大丈夫? 風邪ひいた?」

「ううん、大丈夫だよ」

「本当に?」

 そういって、額をくっつける。

 あまりのことに、一瞬びくっとなる。

 演技をしていたはずのもうひとりのわたしが急に舞台を降りる。

「んー、でもすごく熱いけど?」

「そ、そうかな」

 そらした視線が、ちゆちゃんの真っ白な足に惹きつけられる。

 小さな爪。細い足首と柔らかくカーブを描いたふくらはぎ。

 小さく膨らんだ膝と、そこから伸びてスカートの中に隠れる太もも。

 ちゆちゃんの脚。

 ちゆちゃんの、あし。

「ん? どうしたの?」

 声をかけられてはっとなる。

「な、なんでもない」

 そう答えてもう額が離れていることにようやく気づく。わたしは目のやり場に困って、反対側の床を見た。と、そこで脱ぎ捨てられたわたしのソックスが目に入る。しまったと思った途端、胃のあたりがじゅっと焼けたように熱くなった。

「おっと落ちてる」

 そういっていったん机から降りてソックスを拾い上げた後、ちゆちゃんはまた机に座り直した。

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