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新世界  作者: 新々
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 わたしにとってそういった諸々は、ちゆちゃんの一部だった。

 常にわたしのそばにちゆちゃんの影がさしていた、といってもいい。

 だから触れるだけで倒れそうになったり、見るだけで痛みに悶えたりするわたしに、それらすべてがたとえ一瞬でもあるいはほんのわずかな瞬間でも、同じ痛みを与えないわけにないかなかった。

 幸せに浸れたはずのすべてが、今はただ苦痛に感じるものでしかなくなってしまった。

 でも、だからといって捨てようとは思わなかった。

 どんなに痛くても、苦しくても、触れることはやめなかった。

 どうして?

 そんなの、答えるまでもない。


 気持ちよかったから。


 痛いのが、苦しいのが。

 痛めつけられるのが、苦しめられるのが。

 たまらなく、気持ちよかったから決まっている。

 変態だとか狂ってるなんてことは今さらで、その気持ちよさに一度浸ってしまったが最後、もうもとに戻ることも、戻りたいと思うこともなかった。

 苦痛の始まりは、同時に快楽の始まりでもあった。

 だから、わたしそれを求めた。

 痛みを苦しみを。

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