表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新世界  作者: 新々
34/84

34

 ちゆちゃんはそんな悪い娘じゃない。すべて勘違い、妄言の類いで、風評被害といってもいい。

 でも本当のことはいえないから、ただ否定だけする。

「ちゆちゃんはそんなことしないよ」

「じゃあどんなことしてるわけ?」

 ちょっと返事に困ったけど、適当なことをいってなんとかごまかした。

「ふーん、そっか。それならいいんだけど」

 本当にごまかされてくれるなんて、さすがはさっちゃん、類は友を呼ぶね。

「……おまえ今、あたしのことちょっとバカにしただろ」

「え? 全然。してないよ」

 あっそ、とさっちゃんはちょっとふてくされて、でもすぐにわたしをまじまじと見てこういった。

「のりすけ、ちょっと変わったよな」

「そうかな。たとえば?」

「いや、わかんないけどさ。昔はもっとこう、くすんでたっていうか」

「ちょっとひどくない? それ」

「まあその辺は立風さんのおかげかもしれないけど」

 なんとなく、ちゆちゃんのことを賞賛しているような気がしたので、くすんだ発言について問いつめることはやめた。でも。

「あたし、あの人ちょっと苦手かも」

 という言葉は聞き捨てならなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ