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後からではなく、一緒に買えばいい。
そう! 立風さんと一緒に、わたしもおそろいの下着を買いに行けばいいのだ!
どうして今までこのことに気づかなかったのだろう。いや、たとえ気づいていても、実行はたぶん不可能だったと思う。それが下着じゃなくても、一緒のものを買おうだなんて、おそろいにしようだなんて、わたしから誘えるわけがない。
それが、まさか立風さんのほうから声をかけてくれるなんて。
それに買いに行くのは下着だ。なんども考えては諦めた、立風さんとのおそろいの下着――それが、今わたしの手に入りつつある。おそろいの下着が手に入る、なんてそれだけ抜き出すとただの変態だけど、もうこの際構わない。正直すでに手遅れだ。それぐらいのことは多少なりとも自覚がある。多少なりとも。
とはいえこんな機会、きっと永劫ないだろう。
このチャンスを今活かさずして、いったいいつ活かすというのか。




