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「ね、同じでしょ?」
「う、うん。わかったから。もう直して」
慌てていうと、立風さんはようやくスカートを戻してくれた。抹茶よりはもっとライトな色のそれが、チェック柄の厚手の生地の下へと隠れていく。
って、そんなまじまじと見なくていいから!
自分にそう突っ込みを入れながら、わたしは努めて雑誌に意識を集中した。
でも、どれだけ記事に目を通しても、一文字も頭に入ってこなかった。
最近のわたしは立風さんの私物はもうほとんどそろえてしまっていて、ある意味飽和状態に陥っていた。もちろん飽きたわけじゃなくて、それ以上を求めていたのだ。でもさすがにそろえられるものには限界があったから、ここのところはすごくやきもきしていた。
そんな矢先に、突然のこれだ。
もちろん、同じ下着を買うことは考えた。なんども考えた。
でもどんな下着をつけてるかなんてわからないし、まさか覗くわけにもいかず、かといってストレートに訊けるわけもなく、だからほとんど諦めていた。




