表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新世界  作者: 新々
17/84

17

 一瞬、間があった後で、立風さんはいたずらっぽく笑った。その表情の変化を見て、わたしは墓穴を掘ったことを悟った。掘ってもその穴に入れないのが辛いところだ。だからせめて恥ずかしくて泣きそうな演技をして、立風さんをちょっと責めてみる。

 恥ずかしいのは、演技じゃないけど。

「あ……その、ごめんね。ちょっとからかい過ぎたかも」

 演技の効果か、立風さんは急に沈んだ声でそういった。目も少し伏せて、心持ち表情も曇っている。そのしおれた雰囲気の顔もたまらなくかわいかった。でもあまりやり過ぎると気まずくなるからと、顔の筋肉を戻そうとした時だった。

「でも、私も今日は素楠さんと同じような色なんだよ?」

 ほら、となんの迷いも躊躇ためらいもなく、立風さんは自分のスカートを捲った。

 わたしたちが今座っているのは壁面の一番隅のソファ席で、わたしの後ろはだから壁しかなく、となりとそのとなりの席は空いていたし、ソファには手すりがついていたから、角度的にいって立風さんがそんな大胆なことをしてもわたし以外の人にスカートの下のものを見られる可能性は著しく低かった。

 いや、もう可能性とかそういう話じゃなくて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ