サイファー
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【サイファー】
正式サービス時からアインにつきまとうアバター。性別は女。アインに何か興味を抱いている様子だが真意は不明。
火薬をアイテムアイテムストレージにしまい店を出た。
現在午後12時。お腹も空いてきたし、ここらで昼食でも・・・と行きたい所だが、マガジンを捨てたままであり、耐久力が心配なので急ぐことにした。
人口の太陽(に似た何か)が陽気にさせる午後、心なしか気分が爽快になる。
「よしッ、この気分で一気にアシャントルフを片付けてやんよー」
フィールドに続くゲートの前でそう意気込み門をくぐろうとした時、不意に遠くから俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「アインー!、アインッ。どこに行くの!?」
中性的なその声はやはりというべきかサイファーだった。さっきの言いつけを守ってこの街に戻っていたらしい。
「ちょっとラビネンスに、アシャントルフに用事があってね。もう少し待ってくれないか?」
街で待ってろ、と言った手前一人で動けとも言いづらく、待ってもらうしか方法がない。アシャントルフ攻略で死ぬかもしれないしな。
「そりゃぁ待つけどさ、ご飯も食べないの?少しは時間があるでしょ。それにベッカムのことももう少し話したいしさ」
ベッカムか、あれからどうなったか気になるな。小腹も空くしここはサイファーのいう通りにするか。
「んー、そうだな。ご飯くらい食べてから行くか」
こうして俺の午後はスタートした。ハァァ、まだ空は青々としていた。
時刻は12時30分。とあるレストランの一角で俺たちはテーブルについた。木の香りが漂う店内は静かというか人が全くいなかった。
「今日も人が一人もいないねー。この店潰れそ」
向かい側に座ったサイファーがボソッと独り言を漏らす。
サイファーがこう言うのも無理はない。この店ははじまりの街内部の奥にある隠れ家的店で、βテスターの時よく利用していたものの一つだった。情報を交換するにはもってこいの場所だ。サイファーも・・・
「って、何で始めたばっかのお前がいつも少ない、なんて知ってるんだよ?」
この辺りの地理は一朝一夕は身につくはずがないし、そもそもゲームが始まってまだ幾分もたっていない。
「あ、いや、深い意味はないよ。ただ奥だし、人がいつも少なそうだなと思っただけだよ」
釈然としないが追及してもしょうがない。
俺たちは各々料理を頼み、本題に移った。
「ベッカムはあのあとどうしたんだ?」
出された料理(ソバかラーメンかに似た何か)を咀嚼しつつ尋ねる。
「あのあと、街に戻る前にベッカムの跡をつけたんだ。そしたら薄暗い洞窟に入って、私みたいなフードを被ったプレイヤーと何か話してたよ」
サイファーが言うには、Mobを狩ってる間に洞窟の入ったということらしい。
指導者のいないパーティーがどうなるかは火を見るより明らかだが、lv1のMobにやられるほど弱くないと信じたい。
「フード・・・しゃべり方は!?女だったか?」
「んー、思い出せない・・・行って見たら思い出すかも」
正直マガジンが気になったものの、少しくらいならとサイファーに付き合いました、まる。
☆
現在午後2時。日が少しずつ傾き始めたこの時間俺とサイファーは例の洞窟に来ていた。
あと2時間ほどで地面に置いたマガジンは消滅してしまうが、そんなものはどうでもいいのだ。
「どうだ?何か思い出せないか?」
辺りは薄暗く1m先も見えない。入口の光だけが光々と照りついている。
「むー、あそこらへんで話してたよ。でも、そんなに気になることかい?」
隣に立つサイファーが訝しげな目でこちらを見てくる。
「β版を一緒にプレイした友達かもしてないんだ。いるわけないんだけどな。もしかしたら、っていうか」
ふーん、そっか。と平坦な頷きを見せるサイファーをさらに追求する。
「何を話してたんだ?」
「さぁ、ゲームとか、死ぬとかラビネンスとか聞こえたけど」
「さいですかぁ」
「うん、んで、また戻って行った」
あまり、めぼしい手掛かりは得られないようだった。
・・・・てか、これだけ近いんならもっとよく覚えとけよ!と言いたい。
「他に何か思い出したら言ってくれ」
はーい、と朗らかに言うサイファーに若干ムカついた。なんだよ!
☆
時刻は午後3時。あと1時間ほどで色々と作戦が失敗するが、まだ間に合う!
「じゃあ、俺は攻略に戻るからな」
街の広場に戻って、サイファーにここにいろ!と命令してからそう言った。
さすがに、この時間になると宿屋に閉じこもっていた連中も顔を出し、ゲームについて少しは前向きになってきた人達も増えてきたようだ。
「・・・あ、お、思い出した!だから、ちょっと待って、あそこでお茶しよう!」
呑気に周りを見て人間観察していると、サイファーがこう切り出した。
ここから例の場所まで走れば30分でつく。まぁ、フードの人物が誰か気になる俺としてはこの提案は受けざるを得なかった。
・・・んー、じゃあ30分だけだぞ、と妥協してサイファーが指差す喫茶店を目指した。
☆
「じゃあ、早く教えてくれよ」
喫茶店に入った俺たちは入り口近くのテーブルに腰を下ろした。
店員がメニューを取ろうとこちらへやって来るが、「あ、水で言いです」と手短に答え、サイファーの方に向き直る。
「むー、なんだいその言い方は。ちゃんと誠意を見せてくれなきゃ、やだ」
・・・・・ブチッ。ハァァァァ!?と俺は切れそうになった。
落ち着け、俺!今きれたら情報が手に入らない!情報交換のコツは常に平常心!みんなも覚えといてネ!
「あ、ああ。教えてほしい。お願いだ」
頭まで下げて懇願する。しかし、またしてもサイファーが「もっと誠意を込めて!」とふざけたことぬかした。
・・・人間って喜怒哀楽がなかったらそもそも人間じゃないよネ?
「ふざけるなッ!お前のお茶目に付き合ってる暇は無いんだッ。もう行くぞ!」
バンッと机を叩き、席を立とうと腰を上げた。しかし、いきなりサイファーが俺の腕を掴みそれを阻止する。
「なにするんだよッ、はな・・・」
絶句した。放せと言いながらサイファーの顔をみると泣いていたのだ!
・・・え!?なんで!?え!?
心の中で狼狽する俺を尻目にサイファーが告げる。
「まだ、まだわかんないの?」
泣きながら、自分のフードに手をかける。フードに覆われたサイファーの顔が露わになった。
「え・・・え!?女の子!?」
本日2度目の絶句だった。今まで中性的な顔立ちと思っていたのは髪がないだけで絶世の美少女と表現してもおかしくなかった。
「え!?でもなんでフードなんか!?」
と、言ったところで、あれ?と思った。
誰かに似ている、と。
そのとき、彼女が髪の毛を持ち上げるジェスチャーをした。
髪の毛?髪の毛を持ち上げる?
「もしかして、真希?真希なのか?」
そうだ。この仕草、思い出した。よく彼女が考え事の最中にやる仕草だった!
「バカァァッ!アーくんのバカ!」
そう言って彼女は店を飛び出した。
「え?・・・なんで?」
とりあえず、俺は彼女を追って慰めることから始めよう。さよなら俺のマガジン。さよなら俺の作戦_____
★
バーのカウンターに腰掛け今日の回想をしていたら、サイファーが話しかけてきた。
「もー、ぜんっぜん気づかないんだから。切れそうだったわ」
バーボンのロックを頼んだ彼女は心なしか酔っているよう(あり得んけどね)だった。
「気づくわけないだろ。フードとかしてるし・・・」
おまけに喋り方や髪の長さや他いろいろも違うんだし。みんなもわからんかったよな?
「誰と話してるのよ!声で分かりなさいよ!」
ムリですー!と言いたい。だって、低すぎだし。本人は気づいていないようだけど。
「へいへい、それはスマソ」
かなり投げやりに謝った。
すると、彼女はバンッと容器を机に叩きつけた。やはり酔ってる?
大学受験のため更新が大幅に遅れています(^_^;)
ごめんなさい(^_^;)
個人的にも用事が重なったりしたり、具体的にはプリクラ行ったりなどなど。あれ?受験は・・・?
まぁ、頑張ります!笑