学校のグラウンドに鹿が入った
自分のウツワに満ち満ちた感覚がある
僕は僕の過去を後悔していないようだった
「何度も歩く」「繰り返し歩く」
それゆえに日常に染められた空虚の日々だと思っていた
どうやら 違った
10年前の自分のことを 微笑ましく見ている
一粒、一粒を一生懸命で 可愛げだってあるじゃないか
グッジョブって 言っていい
はたと 外を見た
ここが二階だから 少し遠くまで眺められた
離れたところにポツンと10年後の自分がいた
鹿に 餌をあげていた
目が合った気がした