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ある日の東山。

※これは作者の頭の中に住んでる女子高校生たちの日常である。


一年からのクラスメイトのひがし。少し長めのボブカットに眼鏡を掛けた見るからに優等生。そんなひがしだけど本人は認めないが実は結構変わっているところがある。


「ひがしさん午前もつかれましたな」

「1,2,3時限と小テストが続いたからね」


約一年ひがしと一緒に昼食を食べていて気が付いたことがある。ひがしはごはんを食べる順番がおかしい。

ひがしの弁当箱はおかずの段と白米の段の二段構成のもの、普通は白米とおかずを一緒に食べる。しかし、ひがしはなぜかまず初めに白米の段だけ食べその後におかずの段を食べ始める。絶対に変だ。逆ならまだおかずの余韻で白米を食べることはできるが、白米から食べても味があんまりしないだろう。

そこで今日は一つ検証をしてみることにした。


「提案なんだけどひがし、お弁当を交換してみない?」

「なんか急だね、べつにいいけど」


私の弁当箱は一つの段に白米とおかずを詰めるものだ、この弁当箱の場合もひがしは白米だけを最初に食べるのだろうか。

箸だけ取って開けていないお互いの弁当箱を交換する。

今日のひがしの弁当は焼き鮭、玉子焼き、ほうれん草のおひたし、そして白米という非常にスタンダードなお弁当だ、このおかずを作ったひがしのお母さんは白米だけで食べていることを知っているのだろうか、家でのひがしをあまり知らない私には分からない。


「西ちゃん家のお弁当はいつも唐揚げ入ってるよね、正直いいなって思ってた」

「わたしがこどもの頃からそれだけは注文してるからね、それに最近の冷凍から揚げはバカにできないよ」


対して私の弁当はから揚げ、ミートボール、茹でたブロッコリー、そして白米。このおかずパワーの強いメンツで白米とおかずを別々に食べるなんて私には想像できないが、

さあ緊張の一口目。まずひがしの箸の向かう先は!



白米だった...


「」

「そんなに見られてると食べにくいよ西ちゃん、やっぱりから揚げ食べたかったの?」


そうだ、心優しいひがしさんのことだ私がおかずを欲しがると思ってまず白米に手を付けたのかもしれない。


「いや、ピンクの箸とわたしのお弁当箱の組み合わせが珍しくって」


ずっとひがしの食べ方を見ているわけにはいかないので私もひがしの弁当を食べる。焼き鮭にはしっかりと塩気があり、玉子焼きもいい具合にだしがきいていて普通に白米が進む。


「ひがしの家のお弁当もおいしいね」

「でしょ、実はその玉子焼き私が作ったんだ」

「なんと」

そんなベタな


「どおりで美味しいわけだ」

「ありがと」


などと弁当の感想を聞いている間もひがしはやはり白米だけを食べていた。そして白米を食べ終えた後おかず達を食べ始めた。弁当箱の形は関係無かったのか…


「前から思ってたんだけど」

「なに?」


「ひがしってごはん食べる順番変だよね」


私がそう言うとひがしはきょとんとして


「そうかなぁ?好きなものを最後に残しているだけだよ」


さすがはひがしさんだ。一応ひがしさん的には筋をの通った順番みたい。だがやはり変わっている。

機会があったら家で一緒にごはん食べてみたいな。



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