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サンピアの思い出

　むかしむかし、倉吉の町にはサンピアというおおきなショッピング・センターがありました。ダイエー系列でした。

　少し離れたところにはパープルタウンという広々としたフロアを誇るショッピング・センターがあります。

『北のパープルタウン、南のサンピア』といわれるほどに、この二つのショッピング・センターはしのぎを削っていました。遊ぶところのない倉吉の人たちは、ここで遊ぶかゲームセンターで遊ぶか、それぐらいしか行くところがなかったので、それはそれは賑わっていました。

　ある日、しいなはお母さんに連れられて、サンピアへ買い物に行きました。ようやく物心つきはじめたぐらいの頃でした。

「おかあさん」

　しいなには予言者の能力がありました。

「ここ……、業務用スーパーになるよ」

　それから数十年後、大人になったしいなが帰郷してみると、見事にそこは巨大業務用スーパーに変わっていました。

　サンピアのことを思い出すと、なぜか『踊るポンポコリン』がいつもかかっていたという記憶しかありません。