表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

しいなのバカ

 むかしむかし、伯耆の国の倉吉という村に、しいなという名前のバカがおりました。

 しいなは中学時代は見た目が良いと男子からいわれ、結構モテ期だったのですが、高校以降は性格のあまりの暗さとバカさが発覚し、嫌われしいなの一生を送ることを運命づけられてしまった寂しい女でした。


 ある冬の寒い日、しいなは自分の部屋を見て思いました。


「ずいぶんと散らかったなぁ……」


 そう思いながら、スマホゲームで遊んでいました。

 今は寒いから、春になったら片付けをしよう。そう、思ったのです。





 春になってもしいなはやはりバカでした。


 暇を持て余しながらも、部屋の片付けだけはけっしてやりません。


 そのうち夏が来て、しいなは思いました。


「めっちゃ暑い……。こんなに暑いと動く気になれん」


 そして冬の時よりも三倍ぐらい汚れた自分の部屋を眺め回して、呟きました。


「秋になったら片付け……するぞ」





 秋になってもしいなはやはりバカでした。


 食欲の秋が来た! とかはしゃぎながら、食っちゃ寝、食っちゃ寝を繰り返すのでした。




 さて年末になりました。さすがのしいなも慌てはじめます。

 キノコが生え、へんな虫のわいた部屋をオロオロと見回しながら、ようやくその腰があがりました。


「今から二年ぶんの大掃除をするぞ!」


 パンパンのゴミ袋が六つ、できました。それをゴミ収集所へもっていきました。看板が立っていたので、それを読みました。



『今年のゴミの収集は三日前に終わりました。次は一月六日になります』






 一月五日から泊まりがけの仕事でした。






 仕方がないのでしいなはひきこもりました。

 ゴミ袋を六つ、どどんどどぉどどんと置いた部屋で、お酒を飲んで、酔っ払っておつまみの豆を部屋じゅうにまき散らかして、部屋はまたどんどんと汚れていきました。


 何もすることがない二月のあたたかい日、しいなは思いました。


「しいなって……、バカだなぁ」


 それでも何もせず、昼間はゴロゴロし、毎晩おちゃけを飲んで酔いつぶれました。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 年末大掃除で出たゴミの持ち越しって、大掃除の時期によっては仕方ないですよね。  できれば最後のゴミの回収日までにできれば好いのですが、年末っていろいろと忙しいですし。  私も大抵ゴミと年越しをしてい…
ごめんなさい<m(__)m> 笑っちゃいました(^O^)
創作?・・・深くは突っ込まない。作者さまが創作と言っておられるし。 そういうことにして次のお話に進みたいと思いますw
2025/02/03 10:57 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ