第21話 正木弥次郎とは
明日の日曜日は投稿をお休みします。
田起こしが始まる頃、4反の田んぼが新たに田植えできるように成った。元の田んぼと合わせて6反だ。1反当たり4俵(今世の1俵=30kg)の米が取れるから、1回に採れる米が24俵になった。二期作を行うと48俵となる。畑の方も従来の4倍程度の広さになった。
このまま行くと、秋口には2反ほど田んぼも増えるので他の田んぼの二期作と一緒に田植えが行える。
小山田郷は5公5民だから、家1件当たり米が1俵だ。小山田郷全体で家が50あれば50俵俺が負担するんだ。秋口に2反追加で8俵採れても6俵しか残らない。家臣には米50%と粟50%のブレンドだが、俺達家族も同じものにしよう。畑が大きくなったので粟も沢山取れる。
八郎五郎様には、税は米で払わないといけないからな。下手に銭で税を払ったら銭の出頃を聞かれてしまう。それと飢饉に備えて豊作の時は米と粟を買って蔵に溜め込んで、税は古い米から納めよう。
フフフフフッ。
田起こしをしてニヤニヤしていると、十兵衛が俺専用の胴丸も出来たとの事で持参して来た。
「竹太郎様!鎧が出来ました。こちらになります」
やっぱり、真っ黒だよな。悪の軍団だ。面が必要だ。よし!空いている時間で顔に付ける面の設計だ。
「これは立派な鎧だ。すまぬな、十兵衛。礼を言うぞ。時に黒い鎧と言うのは値が安いのか?」
「そんな事はありません。つなぎの糸まで黒で注文していますので変わりませんよ」
「すまん。誤解のある言い方だった。実は、十兵衛に頼みがあるんだが」
「なんですか?竹太郎様の命でしたら、大概の事は融通しますよ」
「武具なんだがな。あちらこちらで戦が終わった後、武具が安く売られるだろう?そこで、武具を安く仕入れて売って欲しいのだ。多少修理すれば使える物でも良い」
「なるほど。それで武具の色の話なんですな。いつかは声が掛かると思いまして、在庫はそこそこ御座います。どういったものが必要で??」
「来年当たりから上谷村でも兵を募集しようと考えている。そこで、20人分だな。槍と打刀、鎧は胴丸だ」
「それですと、とんでもない金額になりますよ。鎧はせめて、腹巻か腹当にすれば随分と銭が抑えられます」
「すまんが、俺は胴丸と大鎧しか区別がつか無い。腹巻と腹当とは如何したものか?」
「腹巻とは、見た目が胴丸と似ておりますが背で鎧を合わせる為、背後からの槍や弓には弱いです。また、兜や小手、脛当て、袖などは付きませぬ。腹当とは腹を中心とした前だけを主に守るための鎧でございますな」
「うーん。それだと兵を殺さない為には胴丸しかない。それと手甲付けてくれ。でも銭がなあ」
「聞いた話ですが、幾内では新しい鎧が作られているようで・・・確か、当世具足です。単に具足と呼んでいるようでしたな。従来の胴丸を手直しして具足にしている物もありましたが、新しく作ってもいましたから、余剰となり胴丸も安くなるかと。それにしても足軽程度に胴丸を付けさせる武士はおりませんよ」
「百姓を沢山集めて戦わせるような武士は、それで良い。でもなあ。俺の家臣を見れば分かるが皆、幼い。つまり、幼い頃より飯を食わせ体を鍛えて武士とする。中には一人前になるのに5年も掛かる者もいるだろう。それをたった一度の戦で失う訳にはいかないのだ。奴らが一人前になり雑兵を指揮するようになるまで死なせる訳にはいかぬ」
「なるほど。少数精鋭ですか。でも、それでは戦に勝てませぬ。結局、大勢に囲まれて槍や弓で始末されてしまいます」
「分かっている。だから、負けそうな場合は逃げる。それで良い」
「・・・やはり、竹太郎様は変わっておられる。戦を語り逃げると公然と放つ武士は竹太郎様だけでしょうな。いやはや・・・。あっ?!忘れる所でした。こちらが古めかしい巻物に使える生地になります」
いいんだよ。勝てなきゃあ、逃げて。意地を張って討ち死にとか馬鹿のする事だ。名誉や名と言うのは、生き残った奴がどうにでも出来る事なんだ。
俺だってただの百姓から地侍になり、小山田氏を名乗る事が出来る世だ。八郎五郎様には恩があるが、勝てない戦で戦おうとは思わない。
やっと生地が手に入ったか。フフフフッ。これで俺も高貴な方だ。
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大工衆が積み上げていた木材をドンドン建築資材に仕上げているのを眺めていると、彦左衛門殿が俺を呼びに来た。
「下川耳村から使いの者が来ています。屋敷までお戻りくだされ」
下川耳村から?正木の奴、村から薪を徴収したんじゃないよな。取り敢えず、座敷だ。
「下川耳村からの伝令と言うのはお前か?何用か??」
「ははっ!こちらを五平様よりお預かりしています」
うっ?!そんな文など手渡されても俺は少ししか読めんぞ。それも彦左衛門殿の厳しい教育の賜物だがな。
「文をこちらへ・・・。なるほど。竹太郎様。どうも正木弥次郎と言う若者が勝浦に砦を築こうとしているようです。そこで周辺の村から税と偽り米や木を集めているようですな」
「文をこれに。ふむふむ。なるほどな。正木弥次郎とやらと一度、会って話をしたいものだな。彦左衛門殿、正木弥次郎に文を出す事は可能だろうか?」
「それは可能ですが、相手は海賊衆ですぞ。竹太郎様が直接会うのは危険です」
危険と言われてもな。俺と直接敵対している訳でもないし、やはり一度会って話をする方が良い。今のままだとその内、八郎五郎様が直接勝浦に攻め込み、正木と敵対する事だって十分にあり得る。更に勝浦に城を築くと言い出した日には、良い様に使われて城すら手に入らない。
正木は海賊衆で海に詳しいから家臣が無理でも同盟関係を築きたい。
彦左衛門殿には、正木に都合の良い日に一度会いたいと文を書いて届けて貰おう。あっそうだ。勝浦は上総国だったよな?
「所で、彦左衛門殿。勝浦は上総国だよな。安房国との国境と言うのは何処になるのか?」
「安房国との国境ですか?ふむ・・・確か鴨川辺りまでが安房国かと。しかし、今では国境もはっきり致しませぬぞ」
「鴨川か。・・・なるほどな。それでは、正木弥次郎に文を頼む。秋にそちらに伺うとな」
「・・・畏まりました」
どうしても勝浦が欲しい。もっと、欲を言えば正木に仲間になって欲しい。交易をするにも船を操り船を建造する知識が必要だ。海賊衆と一言で言っても全員が戦う人間と言う訳が無い。必ず、船大工衆を傘下に入れているはずだ。
駄目だ。独りで考えても良い考えが浮かばない。
さてと、彦左衛門殿も帰って行ったし、息抜きでもするか。誰もいないよな。
竹紙にさらさらと家系図を書いてと確か平氏の始祖は桓武平氏だ。俺は平朝臣小山田昌長だ。
俺の一族は小山田氏の庶流という設定だから、始祖は小山田有重としよう。父上が重蔵だから。重があるよってね。
後は適当に有シリーズで名前を考えて、適当な所で俺の昌シリーズを書けば良い。字体は楷書を少し崩して行書風にして書いた竹紙をこの布に特製膠で貼り付ければ完成だ。
おお!竹紙が良い味出している。それにこの布。適度に傷んでいて巻物に真実性を与えている。流石は俺だ。
墨がまだ新しいが、少し経てば古ぼけてそれらしく見える。草書が文字の主流になったのは戦国時代くらいで古いのは楷書か行書なんだ。
墨が乾いてくるくると巻くと巻物の完成だ。
巻物かあ。何か子供の頃を思い出すな。前世の爺ちゃんも巻物を持っていた。その巻物は古武術の免許皆伝の巻物だった。日々の訓練の事、技の事などが草書で書かれていて俺はサッパリ内容が分からなかったが、巻物の最後に尖った鹿の角が二本巻かれていた。
俺は爺ちゃんにこれは何に使うものかと聞いたんだ。爺ちゃん曰く『戦う時は常にこれを懐に忍ばせ、どうしても勝てない敵にあったなら、隙をつき、この暗器で心臓を突くべし、即ちこれ秘匿すべし極意なり』。
凄い教えだ。どんなに鍛えても自分より強い奴は必ずいる。そいつと戦い死ぬのは愚。つまり、どんな手を使っても相手を殺して生き残れ。死んだら終わりだという事だ。
これは真理だ。
さてと、乾いたから巻物にして何処かに仕舞っておこう。
おっと、忘れていた。戦用の面と溶接用の面を図面にするんだった。戦用の面は最終的には金属で作りたいが、取り敢えず、木で良いだろう。溶接用の面は関次郎の為だ。鍛冶で長く仕事をして貰いたいからな。目が見えなくなって一人前なんて、どうかしている。
今度、佐吉と四助に説明してやろう。
関次郎もいたな。井戸掘りばかりで少し拗ねているかも知れない。あいつには鎧下を作らせるか。鎧下と言ってもバイク用プロテクターなんだ。それに必要なのは人体の関節部の簡単な図だ。これがあれば、鎧下と言うプロテクターを作成する場合に大いに助けになるだろう。
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田んぼに水を入れてなじむ頃、竹次郎を呼び出した。
「兄上、どうしました?」
「今後の事なんだがな。家臣も増えて色々出来る事が多くなったが、まだまだ人が足りない。でも、人を集めるのには米や銭がいる。ここからが本題なんだが、正直申して俺自身やらねばならない事が多く忙しくて考え事も出来ない。そこで、分業とする事にした」
「分業ですか?」
「そうだ。これからは、家事を主に竹次郎、お前が監督しろ。補佐は吉三だ。分かり易く言うと、今、椎茸栽培を竹次郎が選んだ人間が栽培しているだろう。似たように農業組、大工組、鍛冶組に分けろ。大工組と鍛冶組の責任者はそれぞれ佐吉と関次郎だ。この組は今は一人、二人で良いがその内、人数を増やしていくつもりだ。器用な者や希望者する者が入れば推薦し、それぞれの責任者の判断で決めろ」
「えっ?!・・・仕事が多過ぎます・・・」
「何も竹次郎に全てやれとは言っていないぞ。責任感が合って頭が良い奴に責任者をやらせればいいんだ」
「適当な家臣がいなかったらどうするのです?」
「その時は仕方がない。竹次郎がやるしかないな。後な銭勘定も竹次郎に任せる。俺には毎月の収支の連絡と困り事があったら相談してくれ。この紙に書かれているのは今年中に欲しい武具だ。頼んだぞ」
「いや!ちょっと待って下さい。胴丸が二両、打ち刀二振、槍二本って無理ですよ。そうでなくても今年は家臣の家の普請や鍛冶場や作業小屋、食堂を建てているんです。無茶です」
「竹次郎!己の命が掛かっていて、無理とか無茶とか言えるのか?出来なければ我が一族は死ぬだけだぞ。人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なりだ。人を育てて上手く使え」
「(・・・まただ・・・話をするといつもの口癖だ)」
フフフッ。ごめんな、竹次郎。武士とはブラック会社で働く社員と同じだよ。ただ違うところは失敗すると死んでしまう点だ。
「それと、農業組は田畑、椎茸、巧のそれぞれの班に分けろ。椎茸組はそのままの名前は使えないから。山班で良いだろう。巧班には早速、竹紙を増産させろ。竹紙も銭に替えようと思う」
「兄上。それでは人が足りませぬ」
「分かっている。秋口に上谷村から家臣を募るつもりだ」
少しは色々と考える時間が出来そうだ。
竹次郎は不満そうに戻って行ったが、人を使う事を覚えない奴はいつでも自分で全て抱え込み潰れるんだ。これも教育だ。許せ、竹次郎。
後は。
「誰か、関次郎をここへ呼べ」
暫くすると、泥だらけの関次郎が現れた。
「何か、御用でしょうか?」
「その前にどうした?その姿は??」
「昼を食べた後に皆で相撲を取り負けました・・・」
相撲?この時代にも合ったんだ。こいつら、エネルギーが余ってやがる。まだまだ、訓練が足りないようだな。そうだ。刀や槍がある程度使えるようになったら、砂袋を体に付けて訓練させるか。
鎧を着て戦うんだから、それに慣れないとな。
「そうか、勝負は時の運だからな。それより関次郎を呼んだのは、今大工衆が立てている荒れ地があるよな。あそこに小さいが鍛冶場を作る予定だ。正確な場所は親方に聞くと良い。その近くに井戸を掘って貰いたいんだ」
「井戸ですか?井戸は井戸掘り職人を雇わないと難しいですよ。どこに水源があるとか、石組みを上手く組まないと井戸掘りどころではないですから」
「いや、今回は試したいことがあってな秘密で掘りたいんだ。井戸の補強は竹を使い、手掘りで掘ってくれ。関次郎と一緒に鍛冶をやりたい奴がいれば一緒に掘ってくれ。誰もいなければ竹次郎に相談し適当な人間を付けて貰え」
「分かりましたが、理由を教えて頂けますか?」
「良いだろう。但し、他言無用だ。他に話せば死ぬ事になる」
「(ごくり)」
「これは、俺の予想だがあの荒れ地に井戸を掘ると濁った水が出る。その水は冷たいにもかかわらず泡が出てこの泡が燃えるのだ。それだけではない。その水を使って傷薬を作る事も出来る」
「はあ?!・・・水が燃える?水から傷薬??・・・それが本当なら鍛冶に木や炭が不要になります」
「驚くのは無理もない。騙されたと思ってやって見ろ。それと、俺が話した事になぜ?と聞くのは構わないが、答える答えないは俺が決める事だ。間違えるなよ?」
「ははっ。分かりました」
関次郎の奴、半信半疑のようだ。しかし、主君の言った事は絶対なんだ。ヨウ素と天然ガスを含んだ水?が出なくとも問題はない。出れば儲けものだ。勝浦を取った後もいすみ市や九十九里の一部も接収したい。そう言えば、九十九里も真里谷家の支配下なのかな?彦左衛門殿に聞くか。
そうだ、家臣の仕事ぶりを見ながら彦左衛門殿を訪ねよう。
大工衆が小川の反対側で建物を建てていて、トンカチトンカチ音が聞こえて来れば、新しい畑や田んぼをヨッコラヨッコラと開いている声が聞こえてくる。俺が生まれた頃とは全く違う。俺が小さい頃は静かで鶯の鳴き声が聞こえたもんだ。
米や銭があるだけで色々な事が出来る。でも、まだまだ全然足りない。そう考えると国人や地方の領主が戦国大名として肥大化する理由が良く分かる。
銭や米を沢山集めるのには、米が取れる大きな土地と銭を集める大きな街が必要だ。
ブツブツ言っている内に彦左衛門殿の家が見えて来た所、家から彦左衛門殿が出て来た。
「おおっ!竹太郎殿。丁度良かった。こちらへ」
案内されていつもの応接間に行くと、彦左衛門殿が早速、文を見せて来た。
「どれどれ。なるほどな。差し出し人が三浦弥次郎になっているが正木ではなかったのか?」
フフフフッ。彦左衛門殿の教育により草書もほぼ読めるようになったが、時々読めない字は彦左衛門殿も読めなかった。その場合は文章の前後で推測するそうだ。
これじゃあ、文字にする意味無いだろう。全く、草書とは厄介なものだ。言葉では伝えずらい事が合っても文字にすれば伝えやすい。これが逆に間違った伝わり方をする事だってあるだろう。考えると恐ろしいな。
「多分、同一人物かと・・・」
三浦かあ。三浦と言うと相模国の三浦氏だよな。今はどうなってるんだ?内房辺りを根城にしているから正木氏とは親戚なんだろう。三浦氏も平氏だが、歴史上伊勢新九郎(平氏)に命じられたとされる源氏の何某に滅ばされたはず。つまり、弥次郎と言うのは三浦氏の遺児だ。正木氏も平氏なのだな。
相模は既に伊勢新九郎の勢力下にあるとすると、やりにくいな。伊勢氏は平氏の中では名家であり、俺の様に武士を騙っている雑種とはこの時代の権威が違う。
まだまだ、地方では幕府の権威は大きい。となると、弥次郎も伊勢を恨んでるか。出来れば正木を取り入れて、伊勢つまり後北条とも仲良くしたい。
里見と正木が後北条と争う遠因には族滅した三浦氏の影があるのか。
「うーん。三浦氏の所縁の者とすると年端もいかぬ童だろう。そうでなくては討たれているはずだ。まだ、元服をしていないのだろう?しかし、生意気な童だな。勝手に来るが良いって、血の気が多い奴だと戦になるぞ」
「ほう。随分と詳しいのですな。そのような話は聞いた事がありませぬ。・・・まあ、良いでしょう。海の者は気が荒いと申します。しかも元服前の童でございますれば、礼を知らぬものと思います」
爺にそんな目で見られると、居心地の悪さを感じる。
「それにしては、書に乱れが無く書式も普通だよな」
「それは右筆が書いたものでしょう。それより、秋に伺うというのは?」
「ああ、行くよ。弥次郎と実際に会って考えを聞いてみたいからな。それはそうと、勝浦から九十九里までは誰が治めているんだ?」
「そうですな。はっきり、境界線がある訳では無いですが九十九里は真里谷様が大原辺りは土岐様が治めているようです。私も越後屋や他の村の村役に聞いた話で本当かどうかは見た訳ではありません」
土岐って言えば、美濃土岐氏を滅ぼしたマムシと呼ばれる斎藤新九郎だよな。土岐氏は源氏の名族だから何処にいてもおかしくないけど、千葉で土岐氏かよ。これも、顔を出して様子見だな。相手は貴人、俺は地侍。身分違いで会う事も出来ないかも知れない。
領地は真里谷氏と比べたら小さいが、生き残っているのだから何かあるんだろう。
ルートが2つある。一つは正木氏と仲良くなり土岐氏を攻める。もう一つは正木氏と仲良くなり里見が安房国を制圧する前に里見と戦うかだ。
土岐氏は真里谷氏と仲が良いようだから八郎五郎様に怒られるか、最悪、俺が誅される。やはり、里見だろうな。
関東管領の上杉が弱体化すると、どさぐさに紛れて真里谷氏の始祖の様に武田から枝分かれして上総国の領主になったり、里見の様に戦に敗れ一族存続の危機に安房国に来て安房国を乗っ取ったり、好き放題だ。千葉県と言わず関東は元々平氏が治める地だった。真里谷氏にしても里見氏にしても源氏だ。
武士がこの世に生まれてから、源氏と平氏の戦いは尽きる所がない。
武士の勢力図は清盛さん(平氏)が頼朝さん(源氏)に敗れた後、北条氏(平氏)が取って変わるが、結局、足利氏(源氏)にまた変わる。幕府は、源氏の世が長くなるに連れて源氏出身者を地方の領主として任命して行った。
八郎五郎様の御父上が三河守を拝命した様に幕府は役職をばら撒く。ばら撒き過ぎて役職上関係のない土地の領主となったり滅茶苦茶になった。戦国大名に源氏出身者が多いのは、この為ではないかと思う。中には出自を書き換える怪しい大名もいる。
戦国時代には、源氏はブランドだ。そういう意味では平氏の織田三郎さんは、凄いと思う。源氏の明智に暗殺されてしまうけど。
「そうか、土岐様が治めているか。となると、八郎五郎様とも良い関係なんだろう(同じ源氏だから)・・・これは、益々弥次郎とは仲良くしないとな。フフフフッ」
「おや?良いお考えがありそうですな。フフフフッ」
俺は、源氏に都合の良い様に使われる平氏じゃない。同じ平氏の正木氏と仲良くと言うか、元をただせば同族だろう?なんてね。
公家だろうが何だか知らないが、権威を上手く使い。人を陥れ、都合が悪いと朝敵だと広めて同調する武士により邪魔者は殺す。
これが武士の生き方だ。権威を上手く使わない奴は早死にする。




