鬼ごっこの終焉
前話急いで書きすぎて艦艇紹介忘れてました
「祐一、あなたの身体能力は正直な所低いです...まあ太陽系地球人全体の身体能力が帝国協定全体の種族の中で低いという事でなのですが。」
「だろうね。」
かつて祐一は『アカシマル』艦内の訓練場で元暗殺用戦闘知能のメイリにそう言われた
「しかしその分太陽系地球人には他の種族を遥かに上回る物があります...他種族を寄せ付けない程の受容性から育まれた他種族との友好関係とそれに共立する凄まじい迄の闘争心、そしてどんな状況下でも絶望しても 屈服したとしても立ち上がる事の出来る強靭な精神です。」
「変態が多いのと諦めが悪いからね、地球人は。」
「あなたはそんな中でも飛びぬけて身体能力が高い訳ではありませんが、精神に関しては凄まじい物があります...なので戦闘能力では無く、逃走技術を徹底的に磨いて頂きます。」
「...理由は?」
「私達は皆貴方に生きていて欲しいからです、逃げて生きていていればたとえ何があっても助けに行きます。」
そんな事が脳裏によぎりながら祐一は走り続けた
持っている護身装備は対人用の機関拳銃型のテーザー銃と個人携帯用の汎用防御障壁装置のみであったが、長年鍛えられた逃走術で何とか逃げ続けていた
メイリやセング―達に鍛えられた逃走術はかなりの高い技量に到達していた
「ハロー犯罪者! 僕ちゃんの手柄になっちゃアババb」
路地を走り抜けていると、目の前に躍り出てきたピエロのような格好の少年に躊躇うことなくテーザー銃を発砲し黙らせ
「我々がいる限り市民を不安にさせグエ!」
「トッロ! 貴様よくmボアァ!」
「皆をよくもキャッ!」
上から降ってきた男女3人組の内2人を気絶させ、もう1人の女には近くに転がっていたゴミを顔めがけて投げつけ視界を塞いだ後に落ちてきた所でヤクザキックを浴びせ持っていた手榴弾のような物を強奪し、その脇の小窓からステルス装備で身を固めた集団が消音兵装を構えて待ち伏せしているのがわかったので躊躇いなく手榴弾を放り込み無力化...手榴弾は粘着性物質を撒き散らす物だったようで身動きが取れなくなった躊躇うことなく帝国協定軍に緊急通報を行い介入させる事に成功した
だがその通報で面倒な事に、予備だったであろう工作員集団が向かってきているのには気付かない振りをしたかったがそうもいかなかった
なので
「伏せろ!」
全力でテーザー銃のバッテリーをその集団に放り投げ自爆装置を作動させ、丁度後ろから突っ込んできた魔法少女モドキの少女というより女性というような年齢の女1人に蹴りをいれ後方に飛ばし、同じく突っ込んできた派手な格好の少年の首根っこを掴み伏せた
工作員集団は精鋭らしく放り投げられたバッテリーに気が付くと咄嗟に散開しようとしたが
「ぶっ飛べ!」
それよりも早く内部に閉じ込められた膨大な量のエネルギーが人為的に暴走し、盛大に爆発し工作員集団を吹っ飛ばした
「え!? え?!」
「ボサっとすんな坊主! 逃げろ! お前ら巻き込まれたんだよ! 他の奴らにも言っとけ!」
爆発したと思ったらなんかヤバそうな集団が吹っ飛んだという事に今更ながら気づいた保安官兼民間警察のようなヒーローモドキの少年を、蹴られた痛みを唖然とする女に放り投げると息を整える間もなく走り出した
「メイリ!」
『民間団体は大混乱しており追跡は中断されています、安全地点では警備戦力の緊急展開が行われており受け入れ態勢は整っていますが、民間からの目が少なくなるという事で工作部隊の本格的な展開が予想されます。』
これ以上やると民間人にも本格的に犠牲が出かねないという事から、祐一はあえて危険を犯す事にした
「うちの部隊展開はダメか! ダメならせめて鎧を投下してくれ!」
『相も変わらず大規模な部隊展開はダメそうです、しかし緊急事態ですので高速搬送ドローンによる強行輸送でしたら現地部隊とで話を纏めました、更に報告ですがどうやら一部民間人は工作部隊の手駒だったようで先回りして待ち伏せているものと考えられます。』
「どっちにしろ敵だぶっ飛ばす!」
『かしこまりました、直ぐに投入します。』
追跡は落ち着き、犯罪者の捕獲ショーから市街地戦闘と化し人通りが少なくなった大通りを駆け抜け大きな公園にでた
この公園さえ通り抜ければ防衛戦力で警戒態勢に入っているレト重工の本社施設が直ぐなのだが、既に多数の戦力が待ち構えていた
後方からは体勢を立て直した共和国工作部隊の残存戦力が猟犬の様に迫っており、追われている祐一を確実に捕縛するか抹殺する為多数の銃口が向けられていた
だがそこに勢いよく葉巻型のポッドのような物...高速輸送ドローンが突っ込んできて周囲は砂埃やら何やらで見えなくなった
再び見えるようになった時、1人の鬼がいた
呼び分け
帝国協定で建造された物=~~型
帝国協定以外で建造された物=~~級
艦艇紹介
アローヘッド型打撃軽巡航艦
ドラレーン社が太陽系地球人の技術者や設計者達を中心に開発させた新型軽巡航艦
経戦能力と防御装甲を犠牲にする事で通常の軽巡航艦ではありえない程の高火力と通信機能や電子戦や索敵能力の強化を実現させた
通常100名程の人員で運用する事を想定していたが、くず鉄の艦隊は大半が機械知性で構成されているという事もあり、有機生命体の居住区や生命維持装置を最低限の緊急時用までに縮小し空いた空間に予備機関や大型エネルギー貯蔵庫を増設し放熱装置も強化する改修を実施、経戦能力と防御障壁機能を強化する事で欠点を解消する事に成功している
現在帝国協定中央軍遊撃艦隊向けに秘匿量産中
主要武装
艦種決戦砲:超重プラズマ砲
主要兵装:50センチ単装電磁加速砲2基
20.3センチ連装複合砲
多数の近接兵装
カットラス級軽巡航艦
連邦で属国や私掠部隊や宙賊向けに多数量産されている軽巡航艦
帝国協定製の艦艇は水上艦が発展したような姿なのに対し、共和国や連邦製の艦艇は生物を思わせるような外見で魚のような造形である
そこそこの生体コンピューターで妥協しある程度の武装と余裕の艦体が特徴で、徹底的に量産性と拡張性に特化して設計されており、既に旧式化しつつあるが凄まじい数が運用されている
連邦中央政府の艦艇には性能で遠く及ばないものの、帝国協定の民間で運用されている駆逐艦までを蹂躙できる位には強い為要注意戦力としてマークされている
通常の輸送船団や傭兵や民間軍事企業では恐怖の象徴であるが、悲しいかな帝国協定艦隊や腕利きの傭兵艦隊や多数の中型大型艦艇を運用しているくず鉄の艦隊にとってはとても使いやすく高く売れるオヤツ扱いである
くず鉄の艦隊では生体コンピューターを機械式コンピューターに乗せ換え試作兵装実験艦やドローン化させ扱き使われている
各艦で大規模改修しすぎて原型を残していない
ペンタルフ型多用途母艦
ドラレーン社で古くから建造されている中型艦
速力が早く極めて高い拡張性を誇る傑作艦であり、様々な勢力で様々な改修が施され採用されている
くず鉄の艦隊では艦載戦力や輸送能力を高めた通常型と輸送能力を抑える代わりに装甲と近接兵装を強化し艦首に対艦突撃衝角を装備した強襲制圧型の2種類を運用している
強襲制圧型は敵艦に突撃し強硬接弦や艦首衝角を突っ込ませ多数の白兵戦力を敵艦に乗り込ませる戦術に特化している特殊艦である




