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41:お呼びじゃないです

 


 最近はこの『魔女の家』も平和だ。

 というか、つまらないんです。

 だってヴィル様どころか、ヘカテすら来てくれなくなったんだもの!

 レオン先生だけは来てくれるけど、学園生がぱったりと来なくなるっておかしくない?

 カウンターでぶーたれていると、奥のほうからクロがでてくる。

 もうそんな時間なのに、ヴィル様は来ないなぁ……。


「……はぁ」


「人の顔を見てため息をつくのはやめてくれ。

 ほら、来たら呼んでやるから。先輩は修行に励んでていいぞ」


「それ厄介払い? 残念でしたー。

 私にはお姉さんの相手っていう立派な仕事が――」


「あっ、仕事あるの忘れてたわ!

 ごめんフレアちゃん、また今度聞くから、今日は失礼するわね」


 まるで示し合わせたかのように去っていくお姉さん。

 ……神は死んだ!


「で、先輩。何だっけ?」


 厨房では師匠が魔導書なべしきを見せびらかしている。

 あの、拒否権は? ……あ、はい。

 大人しく工房へ引きこもります。




「えっと、本日の魔導書はなんですかねっと」


 魔力制御のため、基礎的な内容を理解訓練も大事だ。

 いくつかある魔導書のなかでも、これは光に関するもの。

 具体的には、手のひらの上にポッと灯りを乗せたり、自分の周囲にフワフワと光球を漂わせたり?

 前は三つの光球を漂わせることができたから、今度は倍いっちゃう?

 増やして光らせるだけなら手間でもないし、今日は一日中この訓練ね!


 師匠に六つの光球を展開して見せたら「で、それが何の役に立つんだい?」と言われた。

 ……きれい、ですよねー?


 無言で拳を掲げられたので真面目に考える。

 師匠は光球の個別操作を習得してほしかったらしく「アンタは一日かけてそれかい?」と言われた。

 ファンネルを出してほしいなら、最初からそう言ってよ!

 結局、個別操作は二つしか習得できなかった。


 でも早速お客さんに披露したら、大層喜ばれましたとも。

 大道芸? いや、魔法です……。





 ◇◇◇





「学園って今日も休みですよね?」


「そうだが、あいつらを気にしてんのか?

 そういや最近見ないな。学園での様子は元気そうだが」


 もう三週間経つというのに、来るのはレオン先生とレリーナのみ。

 ここのところ毎週のように来てくれたので気づかなかったけど、ヴィル様エネルギーを補充できないことが、こんなにも苦しいなんて。

 今までは何とかなったけど、一度味わってしまうと……ね。


「先生。ヴィル様たちは何か言ってませんでした?

 ここが嫌になったとか、外出許可が下りないとか」


「俺は静かに呑みたいんだが……」


 先生は何も知らないらしい。

 唯一の手がかりなのに、なんて使えない……。

 何か情報がでるかもと思ってお酌したけど、これは別料金をもらうべきだったかしら。

 この調子じゃ、今週も来なさそう。

 もしかしてもう来てくれなくなったり……どうしよ。


「あ、そうい――」


「何なに! 何ですかっ!」


「……やっぱなんでもない」


 あまりの剣幕にひいたのか、先生はすぐ口を閉じてしまった。

 ね? ここはエールも奢りますので。

 そのお口をあけてくださいな?


「…………大したことじゃないが、あいつらもソワソワしてたな。

 ヴィルとヘカテは、落ち込んでこそいないがよく話し合ってるぞ」


「ソワソワ? ということは、来たくても来れない?

 なーんだ。嫌われたわけじゃないんですね!」


「ポジティブだなー。ま、それでいいんじゃねえか」


 全く興味ない、というかのように相槌で流される。

 もうっ、こんな美少女が目の前でニコニコしてくれるサービス、めったにないんだからね!

 ……ちょっとくらいこっち見てくださいよ先生。


 今日はお姉さんもいないので、休憩時間はだらだらと先生の横で過ごす。

 この人、家に妹さんを待たせてるっていうのにいいのかしら。

 気になったことは早速聞いてみるのが私。


「あ? まあ……この時間はな。もうちょいしたら帰る」


「誰か来客でもいるんですか?」


「ああ。妹の幼馴染が、な。

 お邪魔虫はあまり居づらいんだよ」


 レオン先生ェ……。

 妹の気持ちを思ってそこまで行動できるなんて、流石だよ。

 人気投票でも上位にいるだけあるね!

 ちなみにアルフォンス王子、ヴィル様、レオン先生の三強です。

 ルファスは四位くらい、クロウドは単体だと彼は最下位。


「……………………」


「何でだろう。先輩からいわれのない憐れみを感じるんだが」


 クロウド、強く生きな?

 ヘカテが貴方を拾ってくれるよ、うん。

 そんな馬鹿なことを考えつつも、営業は終わる。






 次の日もヴィル様たちは来ない。

 いつもなら昼の営業が始まってすぐにきていたのに……。


「ねー、クーちゃん。いったいどうしちゃったんでしょーね?」


「にゃー」


 コイツ面倒くせぇ……というかのように生返事だ。

 そんなクーちゃんは、いまなら存分にモフっても何も言ってこない。

 顔を近づけたり、抱き上げたりしなければ大人しいのよ。

 フフ、これが信頼を得たってことね!


「クーちゃんもヘカテに会えなくて寂しいでしょ?」


「にゃー」


「そうですよねー、熱い視線を送ってましたもんねー」


「にゃー」


「……今度ヘカテたちとお泊り会するとき、クーちゃんも参加ですね?」


「にゃー」


 よし、言質とったどー!

 本人は覚えてないってとぼけると思うけど、そんなのは後でどうとでもなるのよ。

 これでまたからかうネタが……あれ、師匠?


「どうしました? オーダーでも入りましたので?」


「アンタがそうやって猫に話しかけるから、誰も注文してこないだけさ。

 実に良い見世物だねぇ」


 嫌味ったらしく言われて店内を見ると、ぽつぽつといる客はこちらを見て微笑ましい表情をしている。

 ……その、友達がいないんだよね、うん。

 みたいな表情やめてくれる!?


 周りのお客に憤慨したけど、師匠の用事は別にあったらしい。


「注文はないが、アンタに仕事だよ。アレはアンタが相手しな?」


 ん。

 と示された入り口にいたのは、会いたかったヴィル様! ……ではなく。

 妙に整った顔をした、どこにでもいる平民の格好をした女性。

 ようやくやってきた学園生は、彼女一人。


「こんにちは。席へ案内してくれませんか? 今日は一人です」


 セリア・リーゼル。

 あの化物の相手を、私がやれって?

 ししょ――……逃げやがった!!


「お、お一人様。ご案内します……」


 クーちゃんもどこかいっちゃったし、あれ?

 店員は私一人?

 料理できないし、もう準備中の札かけていいかな……。





フリーズして強制終了。書き溜めは死んだ!

タブを50は開きすぎでしたかね。


ブックマーク、評価ありがとうございますっ!

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