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魔法よりも魔術よりも効果は抜群なんだよ

「我ら五天王の前に立ち塞がる者は排除する」

「「「「排除する」」」」


 出ちゃったよ……! 今もっとも見たくない人たちが……。筋肉隆々マッチョマンが……。

 ゴブオさんとエルファさんが血を流して倒れちゃってる。早くしないと二人共死んじゃうよ!


「正義の鉄槌の効果で仮死状態だったことにも気付かないとは愚かな。泳がせておけば仲間と合流すると踏んでいたが、まさかその仲間に売られてしまうとは愚かな」

「……だ、黙り……なさい。あなた方のその余裕……気に食わないのですよ」


 ゴブオさん! 生きてたよ!


「地べたに這いずるのが精一杯のくせに強情な。利用価値がなくなった以上、もうお前も用済みだ」

「うがああああ!!」


 ゴブオさんが! ゴブオさんが足蹴にされてるよ! 容赦なく踏まれながらも、血眼で五天王を睨む姿はカッコいいかも。


「虫酸が走るのだ。弱ってる者を痛めつけて喜びを感じてる顔だ。がはっ! ひ、人としては褒められたものではないのだ」


 エルファさんも生きてたよ!


「見上げ睨むことしかできない哀れな騎士。我ら五天王のために体を使うと約束すれば助けてやろう」

「ふざけるな! きさっまたちに弄ばれるくらいならば、この場で舌を噛み死ぬのだ!」

「愚かな。せっかくの希望を自ら捨てるとは馬鹿め。もういい、殺せ!」

「「「「はっ!!」」」」


 ヤバいよこれは! このままじゃ本当に二人は――あたしたちは殺されちゃうよ!


「待ちたまえ。目の前で美少女が殺されるのは辛抱ならん。殺すなら私から殺せ」

「にっ、兄さん!?」

「そんな顔をするなラーニャ。ドラグにドラゴン化するよう言え。私が五天王の気を引いてる間にパチーザとエルファを連れて逃げろ」

「それは無理だよ兄さん。この世界には魔素がないから魔術が使えないんだよ」

「何を言ってるんだ。ドラグが前に言ってたことを忘れたか。ドラグの人化に魔素はいらないんだ。ドラゴン化するのにもいらないはずだ。自覚はないようだが、魔素がないことにパニックになるとは、なんだかんだいっても子どもではないか」


 そういえばそうだったけ? あたし覚えてないや。


「何をこそこそ話してる。お前たちに逃げ場はない」

「「「「逃げ場はない」」」」


 ちょっとだけ兄さんのことを見直したかも。

 そうと決まれば行動あるのみだね。この機会を逃せば終わりだよ。


「ドラグ君。かくかくしかじか」

『そういえばそうだった! なんで忘れてたんだろう』


 あたしの話を聞き終えると、すぐにドラグ君はドラゴン化。キュートな人化もいいけど、勇ましいドラゴン化も捨て難いよ。


「なんだ!?」

『この姿のぼっくに敵うと思うな!』


 ドラゴンのしっぽで五天王を牽制。五天王の驚いてる顔が面白くていい気分。

 あたしとエルファさんとゴブオさんとチートがドラグ君の背中に乗る。あとは兄さんだけだよ。


「私は残る。早く行け」

「何言ってるの兄さん!」

「早く行くんだ! ドラグ!」

『……わかったよ、右手』

「ダメだよドラグ君!? 兄さん! 兄さん!!」

「……」


 あたしの声が届いてないの?

 どうして無視するの! どうして勝手なの!


「愚かな。仲間を逃がすために自分を犠牲にしようとは」

「あれでも私の妹なのでね。みすみす殺されてしまうと寝つきが悪くなる」

「理由などどうでもいい。逃げたところでたかが知れる」

「国が違えば手出しはできない。違うかね」

「確かにな。だが楽園とは言い難い国ばかりだ。至る所で争いが起きている。耐えられるかな」

「ここで殺されるよりはマシだろう。言っておくが、私は死んでも死なんぞ。なにせ神なのだからな!」

「そうか。神を殺せることなど滅多にない。じっくりと味わって殺してやる」

「「「「殺してやる」」」」


 兄さん大丈夫かな? チートさんはどう思ってるんだろう?

 ――あれ? チートさんがいないよ!


「旦那ばっかりにカッコいいとこ持ってかれるのは悔しいずんだ餅。運命共同体といこう」

「まったく。野郎と運命共同体というのは気に食わん」

「愚かなのが増えたか。大人しく逃げていればいいものを」

「愚かなのはどっちだろうねぇ。戦い方ってのは魔法や魔術だけじゃないんだ。――せい!」

「ぬわあああ!?」

「チート、そんな特技があったのか」

「居合術をかじったことがあってね。刀と剣じゃ勝手が違うと思ってたんだが、こうもうまくいくとは思わなかった。騎士ちゃんの剣の切れ味が良かったのかねぇ」

「よっ、よくも! 我の腕を落としてくれたな……!!」

「さーて、どこまでいけるかねぇ。チートの名を汚さないくらいは粘りたい」


 兄さんとチートさんが残ってしまった。どうして男ってのはこうも勝手なの。待つ身にもなってよ。


『二人を信じて待つんだ、お姉ちゃん。ぼっくたちが待つチャンスをくれたんだから』

「ありがとう、慰めてくれて。待つ、そうだよね」


 生きて帰ってきて! 兄さん、チートさん!

 また、みんなでワイワイしたいもん。

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