プロローグ
人間界・天界・魔界
種族の違いから生まれるサバイバル世界は、日々俺を進化させていった。環境も優遇された俺は新たな発見や経験に後押しされ、大手騎士団の役職にも就けた。
多くの超生物を倒していると、自分の存在を疑問に思うようになった。だが自分が生きる意味を自身に問い掛けるわけでもない。
この竜は巣の近隣の里を襲ったという理由で、俺が殺した。
あの大蜘蛛は林の所々に巣を張り巡らせ人の迷惑になった理由で、俺が殺した。
もしも俺が殺されるとしたら、超生物達の復讐が理由だろう。
俺は人間である。だから人間の味方をし、超生物を何体も殺した。
人間のより熱く濃い鮮血を身に浴び、今日もまた罪を重ねる。
身は裂いて、骨は砕く。臓物は千切り、命を殺す。
この世には本当に死にたい奴などいない。物事に嫌気が指しても自殺は本望ではない。誰もが助かりたいと願うが、絶対に助からないと決めつける奴が多いだけで、自殺は明確な解決策とは程遠い。
俺は自殺を絶対にしないが、いつでも死ぬ覚悟は出来ている。
真の死ぬ気を持つと、闘い方も変わってくる。そういう部分も騎士団長に買われた俺の利点だ。
・・・ここまで語って何だが、俺は騎士団を解雇されました。