表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

プロローグ

  プロローグ


 『それ』は、ひどく飢えていた。


『それ』は同族の標準的なサイズを、遙かに凌駕していたが、成長は止まる気配さえなく、手当たり次第に食べる物全てを、自らの肉体に換えていた。

『それ』はオウムの様な、鋭く強固な嘴を持っている上に、強力な毒を使う事が出来たので、巨大に成長した今では、『それ』の住む世界に於いて、事実上無敵であった。

『それ』は、体色や体表や体型を自在に変化させ、獲物の目を欺く事が可能だった。


 温かさを好む『それ』にとって、冬は厳しい季節であった。

同族は尽く死滅したが、巨大化した『それ』は冬を生き延び、経験を積み知恵を蓄えた。

同族ならば、子孫を宿す季節が来ても、『それ』は未だ未成熟である事を運命付けられているのか、ただただ成長を続けた。


しかし、ついに『それ』にも転機が訪れた。

『それ』は慎重に移動を始めた。


『それ』を呼ぶ声を目指して。

故郷の方へ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ