プロローグ
《プロローグ》
蒼水の森林という村があった。
水が豊富な世界である。
そこには、当時10歳であった彼は元気で笑顔絶やさない。
誰からも好かれる少年だった。
だが、ある日を境に少年は笑顔をなくした。
少年の母親が彼の目の前で一人の泥棒に殺されたのだ。
一度整理をしよう。
彼は三人家族で一人っ子だったため両親からも可愛がられ、
周りの近所の人からもやんちゃで元気な男の子として、 知られていた。
その日、彼は近所の男の子達と公園で遊んでから、
家に帰ろうと足を進めた。
だが、遅かった。
彼は、泥棒に襲われている母親を見た。
そして、彼の母親は必死に抵抗した末、ナイフで心臓を刺され殺された。
母親の微かな彼を呼ぶ声。
彼は、何も出来なかった。
少年は悲しみと憤りに震えた。
突然、彼の左目が赤黒く光ると、静かに呟いた。
“何故、何故殺シタ、、殺ス殺ス殺ス…”
泥棒は彼に気付く。
“なんだお前、こいつの子供か。”
そういうと、ナイフを振り上げた。
が、彼は左手を振り上げかざすと、
“dark hole”
と、静かに言った。
すると、みるみるうちに彼の手から出る黒いマクがドラゴンに変わり、
泥棒の頭をむしり喰らった。
彼の家は紅く紅く染まった。
彼は、その場に倒れた。
そんな、哀しき正義の少年の物語。。。