EP:4 元通り(?)です。
水曜日の朝七時。
「行ってきます!」
お姉ちゃんはもう学校に行く時間。
さあて、薫を叩き起こそう。
「薫ー!起きなさい!」
「んー、わかった。わかったから蹴らないで……」
朝はいつもこんな感じ。今日も三十分騒いでいた。
ピンポーン♪
「ああもう、和泉くん来ちゃったよ?」
朝はいつも大騒ぎ。
昨日まではお姉ちゃんも起きないわ食べないわで大変だった。
お姉ちゃんは一時間以上かけて学校に行くから七時には家を出なきゃいけない。
普通に起きて出てくれるだけでもありがたい。
薫は友達の和泉くんと学校に行くし、わたしも学校行かなきゃ。
今日もいつもの退屈な授業。
最近、社会科の先生が休んでばかりだ。
それ以外、代わり映えしないいつもの中学校生活。
今日は部活も遊びに行く予定もない。
家には薫が先に帰ってくる。
洗濯機を回しながら、読書。
今日の夕飯の当番はお姉ちゃんだ。
今日は七時頃に帰ってくるだろう。
お姉ちゃんは料理があまり得意じゃない。
でもお姉ちゃんの料理の愛情は多分わたしの料理に負けないと思う。
調理が下手な代わりに盛り付けとか細かくて綺麗なんだもん。
味もそこそこいけるし。
とりあえず焦がすのをなんとかできればわたしより料理上手になるだろう。
とわたしは思う。
「お姉ちゃん、今日は部活どうだったの?」
「漫研行ったけどなんもしてない」
またか……
漫研はフリーダム過ぎて雑談して帰ってくることも多い。
楽しそうだから文句はないけどね。
お姉ちゃん、漫研と茶道部と写真部と演劇部(衣装をたまに繕ってるだけらしい)、掛け持ちしてる。
昨日、なんで吹っ切れたのか気になって聞いてみたら、「茶道部辞めてきた」って!
……退部も一つの解決方法だったんだろう。昨日、お姉ちゃんの友達の高原さんから茶道部の人が好きだったらしいって聞いたから。
わたしはそれをどうこう言うつもりはない。
家にパパとママがいないのは仕事の都合。
寂しいけど、こればっかりは仕方ない。
今はお姉ちゃんも薫も一緒だし。
そんな楽しい日々が続くことを願った、水曜日の夜。
この話で「美里:失恋編」は終わりになります。
次回からは薫の視点でお送りする予定です。