表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/19

EP:3 これ以上痩せないでください。

「……お姉ちゃん?」

月曜日の夕飯時。

「なに?」

「今日も夕飯こんだけって!大丈夫なの!?」

今日のおかずはハンバーグと目玉焼きとサラダ。それをお姉ちゃんは半分くらい残していたのだ。

いや、三日前(お姉ちゃんがフラれて帰ってきた日)からこんな感じだ。

お姉ちゃんは細い体に似合わず大食いだ。

いつもなら普通の人の一人前平らげて薫の残したご飯まで食べてしまうのに……

自分の分すら食べないって……

はっきり言おう。“異常”だ。

「残りは明日食べる……」

これはダメだ。お姉ちゃんに現実を見てもらわないと。

「……お姉ちゃん、ちょっと来て」

ビビリのお姉ちゃんには気迫押しが一番効く。

そのまま洗面所の体重計まで連行。

「乗ってみて」

お姉ちゃんはゆっくりと体重計に乗った。


39.8kg。

これは……

いくらなんでも痩せすぎだ。

「お姉ちゃん!現実見なさい!」

平均体重を下回るだけならいい。

しかし40kg切るのはダメー!

……これでもお姉ちゃんの身長は150を越える。

これ以上痩せたらミイラ通り越して骨だよ!

これで危機感(生命的な)が出てくれれば……

「39.8か……確かにこれはヤバいかな……」

「わかったでしょ!?」

フラれて食欲が失せてるのはわかる。

でも、ちゃんと食べなきゃダメ!


結局、この日の夕飯の残りは翌朝食べていた。

火曜日の夕飯時。

おっ、今日は全部食べた!

「美里ちゃん、今日は全部食べたよ」

「うん、お姉ちゃん偉い!」

声も元気が戻っている気がする。

「お姉ちゃん、今日何かあったの?」

「うーんと、まあ、なんか吹っ切れた!」

お姉ちゃんに何があったんだろ?

でもまあ、元気になったんなら、細かいことなんてどうでもいいか。

そんな火曜日の午後十時。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ