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薫:卒業式。

「薫、さっさと起きろって……!」

ぐげしゃ。

茜姉ちゃんに布団ひっぺがされて本の山に落ちた。

「お前今日卒業式だろーが」

そうだった……今日が小学校の卒業式だった……

「今日ぐらいはちゃんと学校行けって言われたよな?」

はい、言われました。

「服持ってきてやったからさっさと着替えろ。もう8時だぞ」

朝ごはん食べる時間もないってことか……

とにかく急いで着替えないと遅刻する。今日だけは遅刻するなと言われてるのに!

あ、忘れてた。

「姉ちゃんは部屋から出て!」

高校生なのに(弟とはいえ)男子の着替えを見るな!

茜姉ちゃんはそこらの感覚が足りない。

……あの茜姉ちゃんに理解しろって言うほうが無理があるかな?


「行ってきます!」

「あれ、茜姉ちゃん来ないの?」

「アホか。終業式なんだよ!」

美里姉ちゃんは……あれ?

「あ、美里なら先行ったぞ」

早っ!なんで先に行くの!?


卒業式は予想以上に退屈だった。じっと座ってなきゃいけないし。

男子はほぼ全員スーツ姿、女子もほとんど某アイドルかって思うようなブレザー姿(“なんちゃって制服”って言うらしい)。

服に違いもない。観察のしがいがなかった。

後半とかずっと、「早く帰ってやりかけのゲームしたい」って思ってたし。

めんどくさいから二次会(?)もパスして家に帰ってきた。


「ただいまー!」

「あら、お帰り薫」

お昼当番美里姉ちゃんだ。

「茜姉ちゃんまだ帰ってないんだ?」

「お姉ちゃんまた修羅場みたいだよ」

……こないだ、漫研の締め切り日に表紙、裏表紙、目次の三点セットがなかったとかでド修羅場だったらしい……

「なんで?」

「漫研の部長失踪したらしくて……明日まくビラとか何もできてないんだって」

……

こりゃなかなか帰ってこないだろうな……

「だからお昼先に食べてよう」

あのー、着替えていい?

正直動きにくいんだけど……


結局茜姉ちゃんは夕方まで帰ってこず。

帰ってくるなり部屋でぐーすか寝てしまい……

制服洗濯に出すの忘れて美里姉ちゃんに怒られてた。


スーツ姿写真に撮ってもらうの忘れてた……!

まあ、僕が中学に行くようになったら制服姿の写真撮りまくられるだろうし、いいや。


何か変わるようで変わらない、卒業式。


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