EP:0 お姉ちゃんがフラれました。
「恋した虚言少女」を書いた後はずみで描いたイラストからできた小説です。
まあのんびり書いていくので、よろしくお願いします。
金曜日の午後五時。
「ただいま……」
お姉ちゃんが学校から帰ってきた。
「おかえりなさい。今日は早かったね」
「うん……」
元気がない。どうしたんだろう?
その真相は、数分後に知ることになった……
「美里ちゃん、あのさ……」
「何?」
「あたし、フラれた」
……?
「え、なんて?」
「あたし、フラれた」
……聞き違いじゃなかったみたい。
「え、お姉ちゃん好きな人いたの!?知らなかったんだけど」
「だって言ってなかったし」
衝撃的すぎる。
お姉ちゃんは昔何かあったらしくて、強烈な男嫌いだったはずだ。
いや、よく考えたら男とは限らないか……
とにかく、多少和らいでいたとはいえ、男嫌いのお姉ちゃんが告白するなんて意外だった。(だから相手は男とは限らないって)
「もうさ、なんかもう……」
言いながら、大きなカバンからビンを出して、「ドンッ」と音を立てて置いた。
「……呑まずにやってられるかー!」
ちょっとお姉ちゃんまだ未成年!(ぴちぴちの十六歳だ)
しかもビンはよく見たらラムネ!
……花の女子高生が酔っ払ったおっさんみたいなことしてる光景って……
突っ込む気も失せる。
「お、お姉ちゃん!落ち着いて!」
「あたしはいつも落ち着いてるよ!」
これのどこが落ち着いてるのか……
とはいえ、これ以上お姉ちゃんに何か言っても多分無駄だ。
そしていつもなら、一晩経てばいつものお姉ちゃんに戻るはず……
しかし、今回はそうもいかなかったのだった。