飛ぶ頭 見る僕 -ある意味運命的な出会い-
飲んだくれた…
今日は仕事を共にした同期の送別会ということもあり、
飲めない酒をいつも以上に飲んでしまった…
なんとか、自力で終電に乗り最寄り駅まで辿り着いたものの、
おぼつか無い足取りで、ついには路上の電柱へ寄りかかってしまった。
この直進の道を、もう後数十メートル進んだ先に自宅があるというのに、
なんでこんなにシンドインダロウ!?
辺りには街頭も少なく、住宅街ということもあり、
道に点、点と置いてある街頭が真っ暗な暗闇の足元を照らすだけ。
旗から見たら燃え尽きたジョーのように、
スポットライトを当てられているのは酔っ払いの僕だ。
こうなってしまったら頭の中に希望の光なんて差してこない、
あぁなんでこんなに飲んでしまったのだろう…
自宅までが遠い、もういいからこのまま寝てしまいたい。
あぁ、しかし…
立て、立つんだ! ジョー…
その時、ふと吹きすさぶ風が背筋をビッとさせた。
うぅう、寒い…
僕はようやく、自宅に戻ろうと気持ちを持ち直し、
電柱に手をかけ立ち上がった。
そして、いざ帰るかと1歩踏み出した時、
目の前をふわーっと通り過ぎるものがあった。
僕はその場を動かないまま、じっとしてしまった。
確かに今、目の前を何かが通り過ぎた…
でも、それが【何か】は今さっき、僕は確認した。
では何故それが何かを発しないのか。
それは、あり得ないからである!
確かに僕が見た物は
女性の…頭だった!!