ほら、来たでしょ?
これは、ある夏のお話です。
私は友人であるMとK、そしてS子と、よく4人でドライブに出掛けていました。
この日は、真夏のそれは、それは暑い日のことでした。車を路肩に止め、
「さあ、今日はどこに行こうか?」
と、いつものようにアイスを食べながら、皆で話し合いをします。
そんな時、私は……
「これから肝試しでもやらないか?」
と、提案したのです。
◇
それは怪談トンネルと言われる曰く付きの心霊スポットでした。
MとKは男性でしたので、それなりに興奮し心躍らせていましたが、唯一女性であるS子は、まったく乗る気がしません。
それでも、私はS子を説得しました。
するとS子は……
「今日お迎えが来るって」
と、訳のわからないことを言い出しました。
さらに、私がS子から訳を聞こうとした、その時!
S子は口から泡を吹き出しました。
◇
私は……
「救急車!救急車!」
と、叫び、MとKを促します。
しかし、MとKもまた……
「今日お迎えが来るって」
と、S子と同じように訳のわからないことを言い……
その後、泡を吹き出しました。
◇
私は戸惑っていましたが、ケータイ電話を取り出し、救急車を呼ぼうとしました。
すると、電話の向こうから……
「今日お迎えが来るって」
と、ここに居るメンバーと同じようなことを言い、電話先の相手は泡を吹いた模様でした。
◇
私は気がどうかしてしまったのか?
と思い、助手席の窓ガラスにバンバン頭をぶつけ続けました。
すると、私達の車の横を霊柩車が1台、2台、3台。
そして、4台と猛スピードで走り抜けます。
通り過ぎた後、私以外のメンバーは目を覚まし、同時に……
「ほら、来たでしょ?」と。
そして、まだ繋がっていたケータイからも同じ声が聞えました。
「ほら、来たでしょ?」と。
プチ怪談です。
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