第11章
巨大宇宙艇に乗り1週間・・・
辿り着いた星
ウィンディナルは・・・・
たえず風が流れていて
粒子の細かい砂が
世界を陽炎のように
見せ続けていた・・・・
この星に・・・
もしかしたら・・・
神と呼ばれし男・・・
ファーナル氏がいる・・・
気持ちばかりが
先走る・・
何処に
何処に行けば・・・
宇宙ステーションを出て・・・
揺ら揺らと
町の中を歩く・・・
まだこの星に
身体が慣れていないみたい・・・
足元の感覚が
ふわつく・・・
もう
夕暮れはそこまで来ていて・・・
町全体が
オレンジ色に
染まり始めている・・・
とりあえず・・・
今日泊まれる宿を探さないと・・・
私は
ふわふわと
町の中をあてもなく歩いていた・・・
不安がよぎる・・・
もし・・・
ファーナル氏に会うことが
出来なかったら・・・
拒まれたら・・・
私のやろうとしていることは
すべて無駄なのでは
ないだろうか・・・
幾度も
決意を固めても・・・
真剣な決意ほど・・・
不安感は押し寄せる・・・
何か他にいい方法が
もしかしたら
あるんじゃないのかな・・・
トゥールスから
ずっと
考え続けていたことは・・・
答えもでずに
心をよぎり続ける・・・
真剣だからこそ
何度も考え・・・
不安になる・・・
どうすれば・・・・
ドンッ!
足元に一瞬の圧力・・
私はゆっくりと
前に倒れる・・
私の腕からバックが放れて・・・・
思いっきり蹴られる・・・
前方へバックが滑るように
遠のき・・・
それをしっかりとつかみ走り去ろうとする
・・・・・男・・・・・
何が
起こったのか・・
スローモーションのように
頭が理解していく・・・
声を上げたいのに・・・
立ち上がりたいのに・・・・!
動けない・・・!
ただ
陽炎のように・・・
すべてが
陽炎のように・・・
見えるだけ・・・
この間・・・ほんの数秒だったんだと思う・・・
一つ一つ
確認するように
意識して・・・
やっと
声が出た・・・
小さな声・・・
誰にも届かない
小さな声・・・・
不安感に押しつっぶされそうな私は
声を出すことも
ままならない・・・・
このまま
行ってしまう・・・
私のすべては
持ち去られて・・・
私は何も出来ずに・・・
お願い・・
お願い・・・・・
お願い・・・・・・!
・・・・・・誰か助けて・・・!・・・・
その時・・!
後ろから
風を感じた・・
走り抜ける風・・!
その風の主は
遥か前方の
男に接触し・・・
・・・・・吹き飛ばす・・・!・・・・
手に私のバックを
携えると・・
陽炎の中を
ゆらゆらと
私に近づいてくる・・・
これも・・陽炎・・?
私はゆっくりと起き上がる・・・
『ぼうっとしてたらダメじゃないか・・!ここはいい星だけど、ああいうのもいるんだから!』
『・・・・すいません・・・ありがとうございます・・・・』
『とにかく!気をつけろ!』
荷物をポンと手渡されて・・・
顔を上げると・・・・
口調は
厳しいけれど・・・
優しい笑顔を男は浮かべていた・・・
わたしは安堵感からか
涙が・・・
止まらなくなってしまった・・・・
声もなく
泣き続ける
そんな私を見かねて・・・
男はため息をひとつつくと・・・
『チェックまで2時間あるから・・・お礼にお茶でもご馳走してくれる・・?』
そう口にし、私は
近くの喫茶店にひきづられるように入っていった・・・
『何かあった・・?話ぐらいなら聞くけど』
『・・・ありがとうございます・・・』
『どうかしたか?』
『・・・・いえ・・・ありがとうございます・・・』
『あんた!・・・ありがとうございます!しか言えないわけじゃないだろ?』
私が黙っていると・・
『・・・わりい!こんなしゃべり方しかできないけど、別に怒ってるわけじゃないから・・・』
男はそう言った・・・
私は頷くと・・・
テーブルに運ばれてきた飲み物を
ゆっくりと口に含んだ・・
それは・・・
温かくて
ちょっぴり
苦い味がした・・・・
やっと私の涙は止まって・・・
『ありがとうございます・・・』
『・・大丈夫か?』
私は頷くと・・・
『いきなり泣きだすから・・俺、口悪いから、俺のせいかと思ったよ!・・そうだったらわりい!』
『違います・・・なんか・・・安心したんです・・・』
私・・・
ある星から
ある人を探しに来たんです・・・
でも・・・
逢えるかどうか不安で・・・
他にも色々
不安なことがあって・・・
そんな時・・・・
絶望的な気分のときに
助けられて・・・
その
助けられたとき
なんか・・・
今悩んでること
すべて・・・・
救われたような気が
一瞬して・・・
そしたら
涙止まらなくなっちゃって・・・
すいません・・・
心配かけてしまって
ありがとうございます・・・
私はゆっくりと
頭を下げた・・・
『・・・俺・・・優しくないから、女の子にこんな時・・なんて声かけていいかわかんねえけど・・・』
私は下げた頭を上げると・・・・
『ま・・・頑張れよ!』
笑顔が温かくて・・・
『力になってやりたいけど・・・もう少しで違う星に行かないといけないから・・・わりいな・・・』
『・・・ありがとうございます・・』
『ありがとうございますはやめろよ!俺、何にも出来ないんだから!』
『そんなことないです・・・なんか・・・いっぱい助けられた気がします・・』
『そうか・・・なら、良かったな!』
私は微笑を浮かべると・・・
男は私の顔を見たまま
黙り込む・・・
私は静かに
飲み物を口に運ぶ・・・・
しばらくして・・・
『・・・・あのさ・・・その探してるやつって・・どんな奴?わからないかもしれないけどさ!一応言ってみな!』
『・・・・その昔、ヒュードックの神と言われていた人で・・名前はファーナル・・・』
『・・・・!・・・・あんた!師匠に会いにいくのかい?』
『知ってるんですか・・?』
『あぁ!今日もさっきまで一緒だった』
私は思わず椅子から
立ち上がる・・・!
『何処です?何処にいるんですか?!』
対照的に男はゆっくりと時計に目をやると・・・
『・・・・・・あと1時間か・・・特別サービスだな・・・』
そう呟いた・・・
『・・・・・?』
『送っててやるよ!俺の宇宙艇ならすぐだ!』
『でも・・!他の星に行くんじゃ・・・』
『あぁ!ヒュードックの試合があってな!向かうところだった・・・まあ、
多少遅れてもレセプションに出れないだけで何の問題もない』
『・・・・・・』
『じゃあ!行こうか!』
私たちは喫茶店を後にすると・・・
乗り込んだ宇宙艇・・・
リューイの宇宙艇の船内にやっぱり似てて・・
『俺の名前はアーガス!ヒュードックのレーサーだ!』
『私の名はミリ・・・』
『ミリか!よろしくな!・・・でも、なんで師匠のところに行くんだ?』
『私、ヒュードックのレーサーになりたいの・・・』
ヒュードックのレーサーになって
星間通行許可証をもらいたいの・・・
ある人を探すために。。。。
『ヒュードックのレーサーって女でもなれるのか?』
『規定はないからなれると思うけど・・・』
『ある人ってのは・・・・』
『宇宙艇乗りのリューイ・・・』
『・・・!・・・あんた!リューイの知り合いなのか?』
私は頷くと・・・
男は嬉しそうに語り始めた・・・
『リューイの知り合いで師匠の知り合いか!俺あんたのこと送ってやってほんと良かった!俺な・・・』
俺な・・
昔、リューイに助けられたことがあるんだよ・・・
レース中に
エンジンに攻撃くらって
タンクに穴があいて
燃料が空っぽになってな・・・
空中でエンジン停止・・・・
広い空を漂いながら・・・
もう・・・
終わりなんだ・・・
そう思ったよ・・・
そしたら・・
その時・・・
俺の宇宙艇に
救命ロープ張った奴がいてさ・・・
レース中にだぞ?
何考えてるんだ?
こいつ
って・・・・
人事みたいにそう思った・・・
ゆっくり
見上げた
空の中に・・・・
真っ赤な機体があって・・・
リューイだった・・
そのまま・・・
俺の機体引っ張ったまま
一番近くの岸まで
連れてってくれてな・・・
で、
俺はそこでリタイヤしたんだけど
リューイは
すぐにレースに復帰したんだ・・・
で、
そのレース・・!
あいつ
ちゃんと
勝っちまうの・・!
俺を助けて
ちゃんと
勝っちまうんだからすげえよ!
あいつは・・・
ヒュードックレーサーとしても
最高だけど・・・・
人間としても
最高の奴だ!
あいつは命の恩人!
だからさ・・・
俺・・・・
あんなにすげえ奴がよ・・・
そう簡単に墜落するように
思えないんだよな・・・
だから
俺もあいつのこと
今探してるんだ!
あいつは
きっと
どっかにいるって・・・
そんな気がしてな・・・
だから・・・・
『お互い!頑張ろうな!』
力強い・・・笑顔・・・・
なんだか
すごく嬉しくて・・・
私だけじゃないんだ・・・・
リューイを
信じてる人間が
ここにいる・・・・!
そう思えることが
嬉しくて・・・・・
また涙ぐんでしまった。。。。。
『でも・・・・ちょっと残念だな・・・』
『・・・・?・・・・・』
『俺・・あんた、ちょっと好みなんだけどな・・・!』
『・・・・!・・・・・』
『まぁ!リューイの彼女なら仕方ないか・・・!』
私は思わず笑ってしまうと・・・
『笑い事じゃなくて・・!本気で、俺でも良くなったらいつでも来いよ!』
『・・・・ありがとう・・・・』
真っ暗な夜の中・・・・
ほのかな
一つの明かりが見えてきた・・・
『お!見えてきた!あそこが師匠の家だ!』
『ファーナル氏ってどんな感じの方ですか・・・?』
私がそう聞くと・・・
『すごくいい人だよ!80歳は越してる筈なんだけど・・・そんな風に見えないからきっと驚くぜ!』
そう言って笑った
『俺は師匠に会わずにすぐ行くけど・・・また逢えるといいな!今度は出来ればリューイと三人で!』
私は大きく頷くと
『頑張れよ!俺も頑張るから!』
私を降ろすと・・・
すぐに・・・
アーガスの宇宙艇は
見えなくなってしまった・・・・
私は
大きく手を振り続けて・・・・
一つの光の指す方向に目を向ける・・・・
ファーナル氏の家・・・・
どうなるかは
わからない・・・
でも・・・!
私の想いを
伝えよう・・!
リューイに対する想いを・・!
ゆっくりと
息をする・・・
呼吸を意識し・・・
ドアを叩く・・!
中から音がする・・
そして・・開かれた・・扉・・
そこには男がたっていて・・・
『夜分遅くに申し訳ございません・・・ファーナル氏はご在宅でしょうか・・?』
男はにっこりと微笑むと
『私がファーナルだけど・・?なにか・・?』
どう見ても・・・30代半ばから40歳くらいにしか見えない・・・
容姿・・・
80歳は過ぎているはずなのに・・・
『立ち話もなんだから・・・中にどうぞ・・』
にこやかに部屋の中に
通された私は・・・
応接間の椅子に腰掛けると・・・
もってきたジルの手紙を手渡した
ファーナル氏はそれを読み終えると・・・
『事情はわかったけど・・でも・・・私はあなたの期待に応えることはできない・・申し訳ない・・・』
『どうしてですか・・?私が女だからですか・・?』
『・・・・・女だからとかそういう理由ではないよ・・』
にこやかにファーナル氏は・・・
『夕食は済んでるの・・?』
『・・・いいえ・・まだですが・・』
『じゃあ・・・夕食をとりながら話をしようか・・?』
そういうと・・・
私の分の料理も用意してくれた・・・
『料理には自信があってね・・いろんな星でいろんな料理を食べてきたから舌が覚えてるんだろうね』
スープに口をつけると・・・
美味しい・・・!
『そのうち店でも開こうかと・・・こんな辺鄙なところだから、誰も来ないだろうけどね』
冗談交じりにそう言うと
ファーナル氏はにこやかに微笑み・・・
私も微笑を浮かべた
『ここにいたいのなら好きなだけいても構わないよ・・・ただ・・・力になれるのかはわからない・・・』
『・・・・・・』
『リューイがヒュードックのレーサーになれたのは、私の力ではない・・・・』
『リューイの力だから』
『・・・・・・・・』
『だから・・・私はあなたのために何かしてあげることはできない・・』
『・・・・・・・・』
『結局は自分自身の力・・・人生はその人しか切り開くことができないのだから・・・もし、私になにかを望んでいるのなら・・・その期待には答えられないよ』
『・・・・・・・・』
『ただ・・・私の持っている知識や経験があなたの求めているもののためになるのなら・・存分にそれをあなたの力にしなさい・・そして必ず自分の力で立ち上がりなさい』
『・・・・・・・・』
『それが出来そうなら・・・ここにいくらでもいても構わない・・・私も一人は寂しいのでね』
そう言うとふんわりと笑った
『それと・・・リューイのことだけれど・・・ちょっと・・・昔話をしてもいいかな・・・?』
『・・・・ええ。。。・・・』
私は微笑を浮かべると・・・
ファーナル氏は語り始めた・・・・
『私には・・かつて愛した女性がいてね・・』
名前はシャナン・・・
私の生涯で唯一の女性・・・・
私とシャナンは
愛し合っていた・・・
結婚の約束をし
私も
その試合が終わったら
引退する予定だった・・・
場所はエグザナードではないが
気流の激しい場所での試合・・・
私はその試合中
消えた・・・
観衆の眼にはそう映っただろう・・
でも・・・
実際は消えてはいなかった・・・
飛ばされたんだ・・
50光年先の世界へ・・・・
私は運良く・・
その不時着した星が
高度の科学技術をもつ星
だったため
なんとかこの星まで
帰ってくることができた・・・
シャナンのいる
ウィンディナルに・・・
だが・・・
時は経ちすぎていた・・・
私が一瞬だと思っていた間に
この星では
50年の月日が
過ぎていた・・・・
私が帰る2年ほど前に
シャナンは
もう・・・
旅立っていた・・・
シャナンは75歳でこの世を去るまで
ひたすらに
私の帰りを
待っていてくれたらしい・・・
『あの人は・・・いつか・・帰ってくるわ』
そう・・・
旅立つ直前まで
言っていたらしい・・・
シャナンは
私に思い出だけを残し
逝ってしまった・・・
たくさんの写真は
『あの人には・・・綺麗な私を覚えておいてほしいから・・』
そう言われていたらしくて処分されていたけれど・・・
ただ一枚・・・
弟さんが写真を持っていて
見せてもらったんだ・・
木陰で佇み優しく微笑む
初老の女の人がそこには
写っていてね・・・・
それを見ても
私の気持ちは
何一つ変わらなかったよ
その写真を胸に
私は
涙が止まらなくなってしまった・・・
姿が変わっても
私のシャナンに対する気持ちは
何一つ変わらない・・
ただ・・愛していたんだな・・て、
そう感じたら・・・
この星にいられなくなってね
この星は
私には
優しすぎてね・・・・
シャナンとの思い出が
多すぎて・・・
私は
シャナンの骨を少し分けてもらうと
あてのない旅にでたんだ・・・
私の宇宙艇も無理をさせていたから
宇宙艇が動かなくなったら
そこで・・・・
私も
最期の時を
静かに迎えようと・・・
思っていたんだ・・・
いくつもの星を
渡り歩き・・・
辿り着いた星
トゥールス・・・・
そこで
リューイと出会ったんだ
私の
失くしてしまったものを
持つ少年・・・・
キラキラとした瞳で
宇宙艇を見つめ
限りのない
未来の話をする・・・
私の失くしてしまった
昔の姿を持つ少年・・・・
その少年に言われたよ
『僕には何もないけど・・・でもね、僕は生きてる・・!
生きてるってね。凄いことだと思うんだ!』
『・・・・・・・』
『だって。それだけで無限の力を・・・生んでいくことが、誰に
でもできるんだよ!』
『・・・・・・・』
『それなら・・・!僕だっていつかいけると思うんだ!
見えると思うんだ!僕のまだ見ぬ世界!』
『未来は創られたものなんかじゃない!創っていくものだよね!』
私は
この少年に昔の自分を
重ねていたのかもしれない・・・・
私は
今思うと
この少年を助けるフリをして
この少年に救われていったんだ。。。。
ファーナル氏は
いっそう優しい笑みを浮かべると・・・
『生きることによって無限の力を生み出せると信じているリューイが
そう簡単に命を落とすことはないと私は思うよ』
『・・・・・・・』
『事実、リューイの機体の欠片自体見つかっていない以上、
どこかに飛ばされたと考える事の方が現実的だ・・』
『・・・・・・・』
『実際の経験者が語っているんだから・・・・現実味があるだろう・・?』
私から
涙が溢れていた・・・
やっぱり・・・
やっぱり・・・・!
リューイは生きてるんだ・・・!
『私は・・・シャナンが私を想っていてくれた時の分まで・・ここでシャナンを想いながら生きようと思ってる』
『・・・・・・・・』
『私は君達が羨ましい・・・未来を創ることが出来る君達がね』
『・・・・・・・・』
『未来は生きる力によって生み出していくもの・・・そして想いは何よりも強い力になる』
『・・・・・・・・』
『人の想いはそう簡単には壊れないし変わらない・・・強ければ強いほどそれは力になる・・・あなたもリューイへの想いを力にかえて・・・』
『未来を創っていきなさい!』
次の日の朝・・・・
私はいつものように
走ろうと・・・・
外に出ると・・・
・・・・・・!・・・・・・・
昨日は気づかなかったけれど・・・・
遥か彼方・・・・
赤い
赤い・・・
機体・・・!
リューイ・・・?
・・・違う・・・・
似てるけど・・・
リューイの機体と違う・・・
私が
遥か彼方の
宇宙艇を
しばらく
眺めていると・・・
『・・・・ほぉ・・・あの宇宙艇が見えるのかい・・・?』
私は静かに頷き返事をする・・・
『この星はたえず風が吹いていてそのせいで粒子の細かい砂が
ベールのようにすべてを覆い隠している・・・』
『・・・・・・・』
『だから、あの宇宙艇に気づくものは誰もいなくてね』
『・・・・・・・』
『あ・・!気づいたのが一人いたな・・・君のよく知る人物だよ・・』
・・・!・・・リューイ・・・・
『君は目が良いようだね・・・それもトップレーサー並みのいい目だ・・』
『・・・・・・・』
『君のその目なら・・・もしかしたら・・・リューイと同じ世界が見えるかもしれないな・・・』
リューイと同じ・・・世界・・・・
『さ!私の修行は先ず朝食からスタートだ・・・中に入りなさい・・』
そう言うと微笑を浮かべ
ファーナル氏は家に入っていった・・・
私は少し遅れて・・・大きな声で
『・・・はい!』
微笑みながら応えた。
[12]へ続く・・・・・