ぼくのバームクーヘン
掲載日:2026/04/03
舗石を踏んで、冷たい鉄塔に拠りかかりながら
窓のなかの街道を眺めやっては
ぼくはぼくの Photoshop を立ち上げる
アスファルトの両脇、遠く聳えるビルの灯りに
シャープをかければ
橙色の人肌電球が心地いい
吸い込まれる恐怖に、レイヤーを重ねて夜空を仰ぎ
額縁で包んで、画家の手になる遠近法に酔う
不錆鋼とキチン質と朧月とが共鳴する
琥珀色の血流に溺れないよう
あわててモザイクをかける
歩き出した途端、無数の蝶が羽ばたいた
夜の風は生暖かく
ぼくはぼくを Enclose するバームクーヘン




