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ENDEAST:転生ドロイドの記憶《キルログ》  作者: 桜乃孤坐
第1章 自由の残響:転生篇

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18/19

LOG.17 いってらっしゃい

[×WARNING:カミラ・マクレーンの斬撃]


 ギャリィィッ!!


やばいやばいやばい。

絶対怒らせちゃいけない人を怒らせてしまった。


 カン!カン!


赤い斬撃が視界を覆い尽くす。

が、昨日のトウモロコシ畑とは違って空間を広く使えるからな。

これぐらいならまだ、なんとか対応できる。

それでも、防戦一方なことには変わりないのだけれど。


「逃げるなよ!B26!!」


ずっと思ってたけどB26ってなんだよ。

それより今何時だ?


[×TIME:5時53分]


後もうちょっとだ。

ルナたちは無事に脱出したか?


[×WARNING:右からロケットランチャー]


ロケットランチャー!?

嘘だろ、避けきれない!


ド ッ カ ァ ア ン !!


赤い爆炎に吹き飛ばされ、俺は無様に地面を転がった。

視界が歪む。

再び中央塔の屋上だ。


「ノア!」


この声は……ルナか?

顔を上げると、そこには絶望的な光景があった。


「やはり、計算通りだな」


赤い装甲の死神が、ベンを足元に踏みつけ、ルナの腕を掴み上げている。


[×ANALYSIS:ルナ、ベン、エミリーを確認]

[×STATUS:拘束]


インペリウムのスーツを脱ぎ、元の服装を着ている。

そして武器を持っていない。

くっそ、捕まったのか。


[×HOSTILE:E-RED]


「邪魔するな候補生!

 B26は私一人で十分だ」


カミラも爆風を切り裂いて屋上に登ってきた。

その目は血走っている。


「……その左手、貴様は今まで何をしていたんだ?」


「黙れ…」


「幹部が次期こちらに到着する。

 あの方がそのザマを見れば、さぞお怒りになるだろうな」


「黙れと言っているだろ!」


こいつらは一体なんの話をしているんだ?

だが、チャンスだ。奴らが言い争っている隙に……。

ルナが口パクで何か言っている。

『じ・か・ん』?


[×TIME:6時00分]


ああ、もう、作戦は失敗か?

いや、まだチャンスはある。


[×WARNING:真空チューブ列車が猛スピードで接近中]


「……おい何をした人間!」


赤い装甲のドロイドが足元の不穏な振動に気づく。

ルナは不敵に笑った。


「チューブに小さな穴を開けて、そこにパウダーを流し込んだ。

 酸素が回って、列車が通過した直後に火をつけると……どうなると思う?」


地鳴りが、ビルの底から這い上がってくる。


「一箇所で大爆発が起き、チューブ内には一気に大気圧がかかる。

 そして、制御を失った列車は止まることなく、進み続ける……!」


「なんだと?」


そう、それが俺たちの当初の作戦。

大きな危険が伴うが、カミラを基地ごと葬り去るにはこれしかない。


[×RESULT:列車暴走(1000km/h)]


地平線の先からやってきたがすぐにこちらまで突進してきた。

そして、その直線方向にあるのが……ここだ。


列車はそこからほとんどスピードを落とすことなく、このバベルの塔に貫通した。

酸素を手にし、有り余った運動エネルギーが、巨大な爆鳴を上げる。


 ズ ド ォ ォ ォ ォ ォ ン !!!


折れた。

巨大な質量が、ゆっくりと傾ぎ始める。


「ノア!!」


[×TARGET:E-RED]

[×MODE:ジェノサイド]


「オラああああ!!」


青い刀身を一瞬にして振り上げた。


 ザ ン ッ !!


[×KILL:E-RED]


青い血飛沫が飛び交う中、勢いそのままルナたちの元に飛び込む。

赤いやつはカミラほど固くはなかった。


「大丈夫、捕まって!」


腕の中に3人、いや、腹の中まで数えりゃ、4人だ

足場はどこだ?


[×ANALYSIS:ロード中…]


崩落する瓦礫の雨。

このまま落ちても、この先は湖だ。

一昨日、確認してある!


「逃がすかぁぁぁ!! B26!!」


[×HOSTILE:カミラ・マクレーンの投擲]


傾く塔の上を走りながら、跳ね返る瓦礫に紛れ、赤い短剣をこちらに投げた。


[×WARNING:湖に落下]


逃げ場はない。

俺は身を挺して、腕の中の3人を庇った。


 グサッ…


 ジ ャ バ ー ン !!


冷たい水が、すべてを遮断する。


みんなは、どこだ?


[×WARNING:右胸部を貫通]

[×WARNING:浸水開始]


俺の怪我は今はどうだっていい。

それよりルナたちは無事か?


ルナとベン……いた。

自力で泳いでいるから大丈夫だろう。

あとは、エミリーは?


エミリー?


水中で、俺の視界に「赤」が拡散していくのが見えた。

俺の胸の傷からじゃない。もっと、別の場所からだ。

早く、助けないと……。


またルナが口パクで何か言っている。

こんな時に……。

なんて言ってるんだ?


[×WARNING:巨大建造物の落下を感知]


ほとんど何も見えない上空を仰いだ、その瞬間。

降り注ぐタワーの残骸――巨大な黒い質量が、俺を深くへと押し沈めた。


[×WARNING:全身に激しい損傷]


だから……今は俺のことはいい。

残ってる力全部使って、エミリーを助けなきゃならないんだ。

……行け!!


エミリーの腰を左腕で抱き寄せ、俺は全力で脚部スラスターを噴射した。

水圧を切り裂き、一気に浮上する。


「ブ ハ ァ ッ !!」


水面に顔を出し、エミリーが荒い呼吸を吹き返したのと同時に、ベンの声が聞こえた。


「おい、エミリー!

 大丈夫か!?

 血が……この剣、まさか……」


彼女の左胸。

心臓のわずか上に突き刺さっていたのは、カミラの赤い短剣だった。


「ああ……痛い。

 早く、この子を産まないと。

 ルナ……手伝って……」


エミリーの弱々しい声。

そこへ、最悪のノイズが重なる。


「どこだぁぁぁ!! B26!!」


また来たのか。

しぶといクソババアめ。


[×BATTERY:1%]


「ルナ……」


「ベン、そっちを持って!」


一瞬、考えた。

約束通り、ルナにトドメを刺してもらう時ではないかと。

だが、今、彼女が何をしているのか。

その横顔を見て、俺の脳みそが別の答えを導き出した。


「あいつは俺が対処する。

 だから……ここは任せたぞ、ルナ!」


俺の肺が破れたような掠れ声に、彼女は手を止めず、ただ一言だけを返した。


「……いってらっしゃい」

【お願い】作者の悩みを聞いてください


読んでくださっている皆様、ありがとうございます。


実は、悩んでいることがあります。

この作品、「面白い」と思っていただけているのか、

正直、自信がありません。


もし、少しでも「続きが気になる」と思っていただけたなら、

★評価やブックマークをいただけると、とても励みになります。


また、「ここが分かりにくい」「ここが良かった」など、

率直なご意見をいただけると、とても嬉しいです。


この物語は、完結まで書き切る覚悟で書いています。

どうか、最後まで見守っていただけると幸いです。

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