表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ENDEAST:転生ドロイドの記憶《キルログ》  作者: 桜乃孤坐
第1章 自由の残響:転生篇

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/19

LOG.15 モントリオール攻略作戦

デボンが怪我人数人と食料をニューヨークに届け、残った俺たちは二手に分かれた。


「おい、本当にこれで入れるのか?」


コーン畑で倒れていたインペリウムの白スーツを拝借し、ルナとベンに着せた。


[×ANALYSIS:インペリウム製のスーツ]


「多分、大丈夫…」


俺たち3人が目指すのはNSF軍事部モントリオール拠点。

ベンが運転する中、俺はというと…


[×MODE:RED roomを起動]


「仮想訓練施設RED roomへようこそ。

 私はNSF軍事部局長カミラ・マクレーンだ」


やってきたのは赤い閃光の世界だ。

ここなら、エネルギーを消費せずにトレーニングできる。


「このクソババア、絶対に殺してやる」


と言いつつ、本音は絶対接触したくないのだが。


バッテリーが残っていない俺は、ルナに両手を直してもらい、ジョシュから身体強化装置を借りた。

が、ここには持ち込めないみたいだな。


カミラとバーチャル戦闘を行ったが、結局1度も勝てず、モントリオールに到着した。


———2046年9月8日モントリオール———


午前5時。

まだ日が登る前の時刻

これより、モントリオール攻略作戦を開始する。

目標は、エミリーの救出。


基地の設計はこうだ。

滅びた街の南東、セント・ローレンス川に埋め立てられた円状構造。

中心にはバベルの塔のような見た目の円柱の本部。

周りは軍用車やオメガドロイドたちの施設がずらりと並んでいる。

そして高さ数十メートルの黒い壁が囲む。


流石に南の正門から入るには目立ちすぎる。

ので、俺たちは北の街中で降りた。


[×HOSTILE:なし]


予想通り北部の守りは薄い。

おそらく、カナダの方にはほとんど人は残っていないのだろう。


「行くぞ」


俺は台車に乗ってルナに押してもらった。

中身は死体だと言って、乗り切る作戦だ。


 カタカタ…


「おい止まれ!」


門の手前で機械の合成音に話しかけられた。


[×ANALYSIS:E4ドロイド]


両手でライフルを持ったE4ドロイドが黒い金属の門の前に6体。

壁の内部と上部にもいるみたいだ。


「インペリウムの従業員か。

 中身はなんだ?」


「死体だ。

 リスボンで見つけた」


ルナが声を低くして言った。


「中身を確認する」


まずい。

したいなんて入ってはいない。

見られたらおしまいなのだが。


「その必要はない」


ベンが無機質な声色で言った。


「なんだと?」


「その必要はないと言ったんだ」


そのドロイドはベンの方に駆け寄って、ヘルメットの奥をじっと見つめた。

ドロイドは何も言わない。

バレたのか?

そう思った途端、ベンは怒号を混ぜて言った。


「E4ドロイド風情が偉そうに」


このセリフどこかで…


「俺たちを誰だと思ってるんだ?」


ドロイドはそのまま沈黙した。

ライフルの持ち手を整える。

門の中に風が吸い込まれていき、緊張が走る。

ルナの首元には冷や汗が。

そして、ドロイドは審判を下す。


「失礼した。

 通っていいぞ」


よかった。

これが本来の対応ってわけか。

俺、昨日なんて言ったけ?


二人はそのままビルが立ち並ぶ道をまっすぐ進んだ。


管理棟への標識なんてものはないから自力で探さなければならないな。


数分進んだが、まだ中心のでっかい塔まで距離がある。

そしてこの場所、無駄に清潔で、無駄に静かだ。

俺が見た南側の方に比べると、随分人通りが少ない。

っていうかほとんどオメガドロイドがいない。


ん?

あの宙に浮いているのはなんだ?


[×ANALYSIS:外壁掃除ロボット]


「止まって!」


「なんだ?」


「あのロボット、どうにか地面まで下ろしてくれない?

 あいつから地図を読み込む」


壁を6本の手でゴシゴシと磨いているロボットだ。


「地面に下ろすってどうやって?」


ベンが聞くと、ルナはそそくさと動き出した。

その辺に無駄に生えている緑の土を手に取ると、手に届くくらいの高さの位置に投げた。


 べチャッ…


「そんなんで降りてくるわけ…って」


ロボットが降りてきて土を除去し始めた。

なかなか間抜けなやつだ。


「捕まえた!

 これでいいでしょ

 ほら早く!」


俺はベンと顔を見合わせた。

この子の方が一枚上手だったようだと。


[×INTERFACE:物理接触リンク確立]

[×MODEL:外壁清掃ロボット(CLEAN-6A)]

[×SECURITY:旧世代暗号化方式(WEP-Gen2)]

[×CRACK:解析完了(0.001秒)]

[×AUTH:管理者権限を取得]


なんでこのロボットのプラグはけつの穴みたいな箇所にあるんだよ。

気持ち悪い。


[×REQUEST:施設マップデータを要求]

[×FILTER:管理棟/収容区画/保全導線に限定]

[×DOWNLOAD:取得完了(簡略マップ)]


よし、マップ取得完了っと。

それで、他に管理棟は…


[×REQUEST:施設マップデータを要求]

[×DOWNLOAD:取得完了(簡略マップ)]

[×RESULT:管理棟座標を特定]


これか。


「よし行こう!

 案内する」


「ナイス」


手を離すと、そのロボットはまた泥の汚れを擦り始めた。

なんともシュールな光景。


「いいこと思いついた」


ルナはそういうと、ロボットをぶっ壊した。


しばらく進み、ようやく辿り着いた、管理棟。

ロボットから得た情報は地図だけだから、内部の情報まではわからない。

でもまあ、まずあるのは、受付だよね。


「管理室に用ですか?

 ほな、IDを見せなはれ」


[×ANALYSIS:オメガドロイド]


次はオメガか。

それも随分とおじさんだな。


「なんや、インペリウムの社員さんかいな。

 何しに来はったん?」


なんだか、随分と訛っているな。

ルナが再び低い声にして言った。


「清掃ユニットが道端で倒れていた。

 修理に出すべきだと思ったのだが…」


なるほど、さっきロボットをぶっ壊したのは管理棟に入るための口実か。


「はあん、なかなか珍しいですなあ。

 この場合のマニュアルはど・こ・の・部・屋・にあったかなあ」


「ここ、見張は一人なのか?」


「ええ、そうですよい。

 ここはボストン攻略作戦の拠点ですさかい、戦争が終わってみんな撤収してしまいましたわ。

 全く、人間もなんでこんなしつこいのやら。

 どうせ死ぬんやから、早う覚悟決めな張ればいいのに」


ベンの形相が変わった。

目の奥で、強烈な殺意を向ける。

そして、銃の引き金をギュッと握りしめた。


「そりゃ良かった」


「ええ?なんかいい…」


 バンッ!

 

ベンはそのまま引き金を引き、警備ドロイドを撃ち殺した。


「ちょっと…。

 気づかれたらどうするの?」


ただただその死体を見つめるベンに、優しい口調で言ったルナであったが、どうやらその優しさは届いてはいないらしい。


「早く行くぞ」


階段を上り、5階の大きいモニターの場所まで来た。

ここにもオメガはいない。

さっきの警備の人が言っていた通り、戦争が終わって管理が手薄になったようだな。

それに、今はあのでかい建物一個で十分機能するだろう。


「ようやくこのヘルメットを取れる。

 ああ、これ肩が凝るのよね」


「そんなことより、エミリーの居場所を特定しないと」


[×SCAN:収容者データベースを検索]

[×KEYWORD:Emily / Crescent / 妊婦 / Human]

[×ERROR:該当データなし]


あれ?


「どうした?」


「おかしい、見当たらない」


その瞬間、サイレン音が鳴り響いた。

赤いランプが点滅する。


「気づかれたのか?」


「ほら、言わんこっちゃない」


[×ID:ヒト個体「EMILY-C」確認]

[×STATUS:生存]

[×CONDITION:拘束・監禁]

[×LOCATION:本拠地48階/医療区画(隔離室)]

[×TIME:最終更新(12分前)]


「よし!

 エミリーはあのでかい建物の48階だ!」


「時間がない。

 奴らがくる前に早く脱出しよう」

 

ルナはそう言った。

だが、どうだろう。

ここで3人とも戦っていては、全滅すれば終わりだ。

そう思った途端、勝手に口が開いた。


「俺一人で奴らを相手にする。

 二人はエミリーを見つけて」


「でもそれじゃあ」


「大丈夫!

 君ならやれる」


こんな澄んだ声を発したのはいつぶりだろうな。


「ねえルナ。

 最後に一つ、約束して欲しい」


「なに?」


「もし、俺が奴らに捕まったら……俺を殺して」


ルナの目をじっと見た。

ああ、知らなかったな。

こんなに綺麗な赤い瞳をしていたんだ。

いや、赤いランプのせいでそう見えるだけか。


「わかった」


「行って!」


ルナとベンはヘルメットをし、部屋を出た。

さて、俺はどうやって奴らを誘き出すか。

まあ、一番目立つ場所はやっぱり…


 ガタン!!


屋上の扉を蹴り破り外に出た。

日の出前の暗がり。

夜空には未だ、半月が少しだけ光を纏って出ていた。


「来い…カミラ・マクレーン!!」


【作者からのお願い】

現在、非常にポイントを欲しております。☆もしくはブックマークを押していただければ大変心強いです。

皆様からの応援、お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ