第三十七話:魔界温泉・大合同宴会(カオス)
「……如月。宴会場の予約は、確か管理局のメンバーだけだったはずですが」
蓮が宴会場の襖を開けると、そこには管理局メンバーだけでなく、見慣れた「世界の中心」たちが既に出来上がっていた。
「よお、蓮! 魔界の酒は最高だな! ガハハ!」 美少女(父・厳吾)が、浴衣の胸元を大胆に肌蹴させ、ジョッキを片手に魔王軍の幹部たちと肩を組んで笑っている。
「蓮、いらっしゃい。お父さんの飲み過ぎを止めるために、私もついて来たのよ。……セバス、次のおつまみを」 イケメン執事(母・静江)が、完璧な手際で刺身の盛り合わせを蓮の前に置く。
「弟よ! 帝国騎士団も合同慰安旅行だ! たまたま宿が重なるとは、これぞ九条家の絆!」 長男(騎士団長・勇)が、筋肉で浴衣をはち切れさせながら、魔王軍の魔将たちと腕相撲に興じている。
「ヒヒーン!(お兄ちゃんの隣は渡さないわ!)」 ユニコーンの姿に戻った結が、宴会場の畳を蹴散らしながら、蓮の膝元に強引に頭を乗せた。
「……九条様。もはや査察の対象が多すぎます。……ですが、これは『世界平和のモデルケース』として記録すべきかもしれません」 如月が冷静に手帳を開くが、その目は既に、父(美少女)に絡まれているベルフェリエや、母に赤面している桃華に向けられていた。
「おーい九条主任! 景気良く一杯やろうぜ!」 魔王が、溶けかけたラストエリクサー(実はただの高級エール)を注ごうとする。
カオス。まさに異世界の権力構造が、この一室に「在庫」として詰め込まれていた。 蓮は溜息をつき、眼鏡を外した。
「……。………………分かりました。本日、22時までは『無礼講』とします。ただし、備品の破損、及び国際問題に発展する喧嘩は、一律でボーナス査定に響くと思ってください」
その一言で、酔っ払いたちが一瞬で静まり返り、背筋を伸ばした。 九条蓮の事務的正論は、泥酔した魔王や帝国騎士、そして「美少女な父」にすらも、絶対的なコンプライアンスを突きつける。
「さあ、宴会の開始(清算)です」
後書き
はい、発送課の女神です!
もう、宿の主人が可哀想になってきました……。 魔王に騎士団長、闇の聖女(父)にイケメン執事(母)、そして聖獣。 このメンバーで宴会なんて、実質「世界大戦」より恐ろしいですよ!
でも、九条くん。 「ボーナス査定に響く」の一言で全員を黙らせるなんて、 もはやこの世界の真の支配者は、魔王でも神様でもなく「給与を握る事務員」だということが証明されましたね! お父様(美少女)が、息子に怒られてシュンとしてる姿は、なんともシュールで可愛かったです。
さて、次回! 「深夜の混浴、真実の告白!? 〜酔った九条蓮が語る、前世の未練と今の願い〜」
ついに蓮くんが「お酒」に屈する……!? 普段は見せない、一人の男性としての「本音」が漏れ出す予感。 ヒロインたちの包囲網が、深夜の露天風呂で狭まります!
お楽しみに!




