第三十一話:九条家の共同戦線
「……父さん。とりあえずその、露出度の高い『闇の聖女』の衣装を着替えてください。目に毒ですし、公務執行の妨げになります」
「蓮、お前……! 父親に向かってその言い草はなんだ! そもそも私だって好きでこの格好をしてるわけじゃない。この『闇社会の元締め』というポストを維持するには、このくらいのビジュアル(カリスマ)が必要なんだよ!」
美少女(父・厳吾)がフリフリのドレスを翻しながら憤慨する。 その背後では、如月が「……九条様の、お父様……(美少女)。……これは、懐柔すべき対象なのか、排除すべき対象なのか……」と、かつてないほど激しい葛藤に震えていた。
「よし、話は後だ! シロ、準備はいいか! 蓮、お前もだ! この会場の地下に、本物の『人身売買』を企んでいる残党が隠れている。一網打尽にするぞ!」
「了解しました。……カゲミツ、地下の構造と脱出経路の完全封鎖を。桃華さんは正面から『更生(物理)』をお願いします」
「おうよ! 旦那の親父さん(美少女)の頼みなら断れねえな! 行くぜぇッ!」
こうして、史上稀に見る「親子共同捜査」が開始された。 美少女(父)が放つ漆黒の魔力と、事務員(息子)が放つ正確無比な事務的指示。 そしてシロの鋭い嗅覚と、如月・桃華の圧倒的な武力。
「管理局だ! 全員、抵抗をやめてひれ伏せ! 不当な生体拘束、及び脱税の疑いで現行犯逮捕する!」
美少女の姿をした厳吾が、警察手帳の代わりに魔導書を突き出し、凛々しい(おっさん臭い)声で吠える。 地下に潜んでいた悪徳商人の用心棒たちは、あまりの美しさと迫力に圧倒され、戦う前に戦意を喪失した。
「……ふぅ。これでこの会場の『在庫』はすべて確保しましたね」
蓮がバインダーにチェックを入れる。 確保された獣人たちは、厳吾の手によって(闇のルートで)守られていたこともあり、幸いにも全員無事だった。
「蓮。……お前、いい仲間を持ったな」 美少女(父)が、ふと父親の顔に戻って微笑む。
「……。父さんにだけは言われたくありません。……それから、その姿で微笑むのはやめてください。如月さんの殺気が、さっきから臨界点を超えています」
九条家の再会は、異世界の闇を一つ消し去り、同時に蓮の私生活に新たな(そして最大級に面倒な)火種を投下することになった。
後書き
はい、発送課の女神です!
親子共演、最高に熱かった……というか、見た目の情報量が多すぎて頭がパンチクリンです! お父様、美少女の姿で「全員逮捕だ!」って、もうギャップ萌えを通り越して新ジャンルの爆誕ですよ。
でも、九条くん。 お父様との再会を喜びつつも、しっかり「着替えろ」って注意するあたり、 やっぱり真面目な息子さんですね。 如月さんは、お父様(美少女)を「義理の父」として敬うべきか、「九条様を惑わす女(?)」として警戒すべきか、本気で悩んでて夜も眠れなそうです!
さて、次回! 「九条厳吾、管理局へ再就職!? 〜美少女パパ、受付嬢(物理)として第二の人生を歩む〜」
親子で運営する管理局。 そこへ、さらなる「九条家の因縁」を抱えた転生者が現れて……? お楽しみに!




