表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者(在庫あり)〜異世界に来すぎて価値が暴落した俺たちは、とりあえずギルドの事務員をやることにした〜  作者: 沼口ちるの
第二章:天界監査編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/43

第二十五話:異世界派遣の闇と、鉄面の査察

「……シルバーセンター長。庫内温度マイナス二十五度、安定していますね。素晴らしい」 「はっ! 九条主任のお言葉、身に余る光栄にございます!」


中央冷凍流通センター。かつての「斉藤さん」こと銀竜の少女は、パリッとした制服に身を包み、見事な職務遂行能力を見せていた。 だが、その平穏を破るように、一人の男が部下を引き連れてセンターに乗り込んできた。


「いやあ、素晴らしい設備だ。だが九条主任、このドラゴンの雇用、うちの『ワールド・スタッフ派遣』を通してもらわないと困るなあ」


現れたのは、これまた高級そうな(だがどこか安っぽい)シルクのスーツを着た男。 カゲミツが影からひょっこり顔を出し、耳打ちする。


「九条様、ビンゴですよ! こいつ、斉藤さん(銀竜)が前世で働いてたブラック工場の社長、**悪徳あくとく つよし**です! こっちに転生してからも『人材派遣』という名の『奴隷売買』でボロ儲けしてるみたいですよ」


「……あ、悪徳社長……っ!?」 シルバーが恐怖で震え、周囲に冷気が漏れ出す。前世のトラウマが、伝説の竜を萎縮させていた。


「おい、斉藤。お前、うちを無断欠勤してこんなところで油売ってんのか? 契約解除の違約金、払ってもらおうか」


「……悪徳さん。お久しぶりです」 蓮がシルバーの前に静かに立ち塞がった。その瞳は、絶対零度のブレスよりも冷たい。


「彼女は現在、管理局の正職員です。貴社の『派遣契約書』を拝見しましたが……。なるほど、中抜き率九十パーセント、休日なし、さらに『死んでも契約は継続する』という魔法契約……。これは異世界労働基準法、第十二条『魂の不当拘束』に完全に抵触しています」


「はっ! 法律? そんなもん、この弱肉強食の世界で通用するかよ!」


「通用させるのが、私の仕事です」 蓮はバインダーから、真っ黒な表紙の書類を取り出した。


「これより、貴社に対する**『即時・強制労働監査』**を実施します。如月、全派遣スタッフの契約解除手続きを。桃華、抵抗する『営業担当(用心棒)』の鎮圧をお願いします」


「よっしゃ! 旦那の言う『更生』が必要な連中が山ほどいるな。……まとめて吹っ飛ばしてやるよッ!」


桃華が拳を鳴らし、管理局の「事務の鉄槌」が、異世界のブラック企業へと振り下ろされた。

後書き


はい、発送課の女神です!


ついに現れましたね、斉藤さんの天敵・悪徳社長! 名前からして「悪徳」って、もう隠す気ゼロじゃないですか。 前世のトラウマで震えるシルバーちゃん(斉藤さん)が可哀想でしたけど、 そこでスッと前に出る九条くん、マジでヒーローでした!


でも九条くん、法律の条文を読み上げる時の顔が、 悪徳社長よりよっぽど悪役っぽかったのは内緒にしておきますね。 「魂の不当拘束」……。異世界のブラック企業、闇が深すぎます。


さて、次回! 「強制労働監査、終了! 〜悪徳社長、ドラゴンたちの『保冷庫掃除係』に再就職する〜」


悪徳社長のその後と、解放された派遣スタッフたちの「第二の人生」。 九条くんのバインダーに、新たな「更生リスト」が刻まれます!


お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ