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勇者(在庫あり)〜異世界に来すぎて価値が暴落した俺たちは、とりあえずギルドの事務員をやることにした〜  作者: 沼口ちるの
第二章:天界監査編

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第5話:天界倒産!? 差し押さえられた聖域と、女神の逆襲

「……申し訳、ございませんでした……。我が発送した転生者が、貴殿の家畜をバーベキューにしてしまった件……全額、天界の予備費より……補填、いた、します……」


ゼウスの絞り出すような謝罪が、窓口に虚しく響く。 かつて全宇宙を震撼させた「神の威厳」は、今やクレーム対応による精神疲労で、すっかり「定年間際の平社員」のような哀愁を漂わせていた。


「ゼウス様。今の謝罪、語尾が少し投げやりでしたね。マイナス5点です」 蓮がバインダーにチェックを入れると、ゼウスは震えながら机に突っ伏した。 「……九条、もう許してくれ。三千件だぞ。三千件連続で、魔族のおばちゃんに『このハゲ神!』と罵倒される苦痛が、貴様にわかるか……!」


「わかりますよ。私は前世のカスタマーサポートで、一日一万件の『身に覚えのない呪辞』を受けていましたから。あなたはまだ、初心者ビギナーです」


その時。 天界のロビーに、派手なハイヒールの音が響き渡った。 「――そこまでよ! 私の大切な『上司』を、これ以上おもちゃにしないで!」


現れたのは、先日「特別監査室(檻)」に放り込んだはずの、発送課の女神だった。 彼女の背後には、天界の各部署から集められた「管理職の神々」が、揃って抗議のプラカードを掲げている。


「九条くん! あなたが勝手に始めたこの監査、もはや天界の運営を妨害するテロ行為よ! 私たちは今この瞬間、『神々による労働組合』の結成を宣言します! 経営権の返還を求め、全面的なストライキに突入するわ!」


女神の不敵な笑み。だが、蓮は眼鏡をクイと押し上げ、薄く笑った。


「労働組合、ですか。いいでしょう。……ですが、組合を結成するには、まず『正当な労働者』である必要があります。カゲミツ、天界の神々の勤怠データ(ログ)を」


「はいよ旦那! 出ました! 勤怠記録:過去五百年、全員『出勤ボタン』を押した形跡なし! 昼寝、飲酒、不倫、フィギュア鑑賞……。労働実績ゼロのニート集団でーす!」


「な……!? それは神としての『思索の時間』であって――」


「労働実態のない者に、組合結成の権利はありません。むしろ、五百年分の『不当受給された給与(信仰心)』の全額返還を請求します。……如月さん。彼ら全員に、『給与差し押さえ予告通知』を物理的に叩き込んでください」


「喜んで。……皆様、神の座から『自己破産』へ、最短ルートでご案内いたしますわ」


如月の手刀が空を裂き、女神たちが持っていたプラカードを粉々に粉砕する。 「権利」を主張しようとした神々が、事務員が突きつけた「義務」の壁に、次々と崩れ落ちていく。


「……さて。ゼウス様。窓口に列がまだ残っています。……サボっている暇はありませんよ」


九条蓮の事務用ペンは、ついに神々の「身分」そのものを、無価値な紙屑へと変えようとしていた。

今回の後書き:桃華(転生者自警団・総長)

お疲れ! 旦那の護衛兼、物理担当の桃華だ! いやー、さっきの女神の顔、見たか!? 「ストライキだ!」とか抜かしやがって、旦那に「お前ら働いてねえだろ」って一行で論破されてやんの。マジ受ける!


如月さんのあの手刀も、今日はいつもよりキレッキレだったな。書類と一緒に、女神のプライドまでシュレッダーにかけてたぜ。 俺は横で「掃除」の準備してたんだけど、旦那がペンを動かすだけで敵が自滅していくから、俺の出番がねえんだよ!


次は誰を埋めればいい? 旦那、そろそろ俺にも「物理的な事務処理」をさせてくれよな!


次回、『神界解体! 宇宙最大のオークション、開催です』 お楽しみに!



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