雨あがりの街
空を覆っていた
どんよりなんだか気分が重たくなる雲は
遠く遠く街の空から消えてゆく
太陽が青空が姿をあらわした
明るさを取り戻した街は
水芭蕉の香りがした
いつもと違う街の空気が
たまらなく好きだった
空と地面のギャップが
好きだった
少し冷たい風を感じながら
水溜まりをジャンプしながら
街を歩く
まるで子供のようだ
やがて時間が経てば乾いていく道雨の面影もなくなっていく
けれど僕の心は潤ったまま
幼き頃を忘れないように
純粋な喜びや悲しみも
今日も街を歩く
葉から零れる水滴
屋根から滴り落ちてくる水滴
雨あがりの街