第6話 ルカにゃん姐御による面接 ~プレイヤー編~
ゲームストーリーも進めるだけ進めてしまい、そろそろゲーム画面を閉じようか、というとき――プレイヤー同士が個人チャットできる「個室」に、通知バッジが付いた。
誰かから、俺宛てに個人チャットが届いたのだ。
それで思い出したのだが、このゲーム――AIがプレイヤーのチャットを分析し、その分析結果次第で、経験値やステータスのアップ、資材獲得率や放置経験値のアップに関係してくるのだとか。
なので、デイリー任務とは別に、ゲーム運営は我々プレイヤーに、“デイリーチャット”をオススメしている。
チャットをすることに抵抗がない俺としては、このシステムは大変画期的だと思う。
……しかし、いざ個人チャットが送られてくると、緊張するのもまた事実。
だが、いつまでもチャットを開かないわけにもいかない。
「んー、どれどれ……」
チャット送信者は、ルカにゃん。
プレイヤー情報を見てみると――。
「って、日影同盟の隊長じゃん」
加入申請先のギルマス、登場。
「〈ルカにゃん〉ゆず様、こんにちは♪٩(ˊᗜˋ*)وルカにゃんです。申請、ありがとねん」
「〈ルカにゃん〉部隊に入る前に、ちょい面接があります。といっても、簡単な質問を一つするだけだから、あまり身構えずにね」
「〈ルカにゃん〉アナタハ、コノ日影同盟ノタメニ命ヲ捧ゲラレマスカ…?」
あまりにドスが効いた文章に、俺は戦慄。
どこが簡単な質問なのだろう。分かりかねる。
「〈救世主ゆず様〉ルカにゃん、こん」
「〈救世主ゆず様〉質問の意図が分からないんだが……それって、ここはガチギルド方針ってことか?」
「〈ルカにゃん〉(´ー`*)ウンウン」
「〈ルカにゃん〉これから一強になるであろう、チーズケーキ帝国は、絶対に潰したいんよね」
「〈ルカにゃん〉それにあそこの部隊には、龍崎将也っていう廃課金を広場で宣言した猛者もいるし、、、負けらんない」
龍崎将也、龍崎将也……。
「ああ、思い出した。チーズケーキ帝国にいる軍師のことか……さっき、あそこの『基地』で発言してたな。――って、龍崎の奴、堂々の総戦力一位かよ……えげつねえな」
「〈救世主ゆず様〉色々とやばいな、龍崎の奴。廃課金宣言を広場でしたのか…知らなかった」
「〈ルカにゃん〉一時間前にね。それを見たとき、あたしの中で何かが弾けた(゜∀゜)」
俺は第1サーバー民のチャット場である「広場」を開き、チャットのログを遡ってみると……確かに龍崎将也なるものが廃課金宣言をしていた。
「〈龍崎将也〉さあて、このゲームの廃課金者になりますかな」
ヒエッ、恐ろしや。
「〈救世主ゆず様〉なるほど、、、そりゃ何かが弾けるわけだ」
「〈ルカにゃん〉どう? チーズケーキ帝国……あたしたちと一緒に潰さない? この鯖で最初にできた部隊としての誇りを持って、うちでプレイしてこうよ」
さて、どうしたものか。
「〈ルカにゃん〉ここだけの話、うちの部隊員、女子多いよ」
「〈救世主ゆず様〉入ります。早く加入させてください、姐御」
「〈ルカにゃん〉あっ、うん…( ̄▽ ̄;)」
「〈ルカにゃん〉まっ、うちでしっかり働いてくれるなら、何も言わないけどねん」
「〈ルカにゃん〉ってことで、部隊加入、承諾しておくね♪」
「〈救世主ゆず様〉……っ! 姐御、あざます!!!」
「〈ルカにゃん〉それから…姐御呼び、やめてね?(#^ω^)」
「〈救世主ゆず様〉おう?」
〈あなたは「日影同盟」部隊に加入しました。早く部隊のみんなに挨拶してみよう!〉
こうして俺は、ガチギルド方針である日影同盟に加入したのだった。




