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第6.5話 追加と鑑賞

6月21日 19時 玩具屋久田

黒田君と塔子ちゃん二人を帰らせた後、管さんに質問した。

まずは、昨日警報や通報がなかったことについて尋ねてみた。

「管さん、昨日警報や通報が聞こえなかったんだけど?」

「うん・・・、警報機が壊れていたの・・・。」

「えぇ!?」

「誰かに完膚なきまでに壊れてしまったの・・・。」

そこにはこれでもかというくらいに悲惨な形で壊された警報機セットがあった。まぁ、実際の警報機がこうなっていたことは今日知ったけど。

「そんな・・・。」

「だから今作り直しているんだけど、材料が見つからなくて直せないの・・・。だからごめん、少し時間をくれないかな?今までの行動を見ると挑戦者は一週間ごとに現れるからまだ大丈夫かと思うんだ。」

「そうでしたか・・・、分かりました。くれぐれも体は無理しないようにしてください。」

「分かった!直すの頑張るわ!」

「後、逮捕されてたデビルハンターが出所していました。」

「えっ、そうなの・・・。」

「はい、高田塔子を斬ろうとしていました。」

「そうか、来てしまったんだな・・・。」

管さんは困った顔をした。

「管さん、彼はどうしましょうか?」

「そうだな・・・、説得して協力させるか、動きを止めて邪魔をさせるか。」

「それで止まるのでしょうか?」

「やってみなきゃわからないな。今日は遅いから帰ろ。」

今後どうなることやらと思いながら家に帰った。


同時刻 モストホープ社

停止・氷の姫「お嬢がリタイヤするとは・・・。」

怠惰・黒幕「まぁ、踏みつぶすよりいい望みが見つかったからじゃない?」

過失・元会社員「ところで、この映像は誰が撮っているのでしょうか?」

疑問に思った元会社員はアウルートに思い切って質問した。

アウルート「はい、こちらの映像は黒幕の魔王様がスカウトした挑戦者が撮影しています。」

過失・元会社員「あれっ、挑戦者って一週間に一人だけじゃなかったのですか。」

アウルート「すみません、言い忘れていました。魔王様のスカウトした人の一部はスタッフとして挑戦中となっています。」

快楽・サイバー「そうだったの!?」

アウルート「はい、そうなのです。」

愚直・一本槍「じゃあ、今日からある空席に置いていたあの絵も?」

快楽・サイバー「そんなのがあったの!?」

アウルート「はい。そちらは風刺の芸術家がお書きになりました。」

快楽・サイバー「ほんとだ、あったんだ。」

参加者がいた空席を見ると、そこには絵があった。

快楽・サイバー「リタイヤした挑戦者が3人だから、3枚あるね。」

一枚目はタイトル『未来も破壊』

絵はお酒を壊した絵と笑顔にバツを上書きされた絵とが描かれていた。

強欲・元社長「禁酒法時代のアメリカを連想させるな。」

2枚目の絵は『綺麗なのはどっち?』

右半分が真っ白、左半分が5種類の色がペンキ塗りされた絵だった。

停止・氷の姫「どっちがきれいですか?私は白い方がいいです。」

強欲・元社長「俺はカラフルな方がいいな。」

快楽・サイバー「あたしもだ。」

過失・元社員「私は白い方がいいですね。」

意見は綺麗に二つ分かれた。どうやら綺麗の価値観の違いを表しているようだ。

白派とカラフル派で少し喧嘩になりそうだったので、アウルートが仲裁して次の絵を見た。

3枚目は『結果か過程か』

絵は二人の優勝者がいた。一人は努力で勝ち取った者、もう一人は努力もせずに勝ち取った者だった。

努力したものは人型のシルエットにぎっしりと中身が詰まった感じの絵になっていた。

努力もしない方は空っぽの人型のシルエットとなっていた。

これは高田塔子がリタイヤした後に提出された絵だ。

快楽・サイバー「何だろう、努力した方がいい方みたいな感じで嫌だな。」

強欲・元社長「そうだな、なんか腹立つな。」

停止・氷の姫「私は天才の方が恐ろしいと思いますね。無機質な感じで。」

今度は、努力者と天才への価値観・偏見で分かれた。しかし、2つじゃない意見もあった。

過失・元会社員「そうでしょうか、私は両方とも腹が立ちますね。」

「「「なんで?」」」

過失・元社員「二人とも結果が良い状態なんですよ。努力しても、結果が実らない人がいますから・・・。」

快楽・サイバー「それはどういう――」

停止・氷の姫「そうですね、努力しても理不尽な事はありますからね。」

過失・元会社員「運が悪かったり。」

強欲・元社長「無能な味方がいたり。」

「「「邪魔が入ってくるからさ。」」」

快楽・サイバー「あんたら、一体何があったのよ。」

その後も絵に意見を言い合い、芸術鑑賞が終わった。

その後は各自部屋を出た。


23時 市内某所 

高校生の少年が一人、部屋の中で魔方陣を書いていた。

「こんな感じかな。俺なら上手く行ける。」

少年は魔方陣の外側に立ち、呪文を唱える。

「デール出る出る、過去から出てくる、デール出る出る、過去から出てくる。」

ダサい呪文だった。しかし、呪文は成功した。

市内の山で黒土山こくどさんから召喚した気配を感じた。

成功したと感じた後、後の事をアウルート達に任せた。


同時刻 黒土山

黒土山から老人の男性と若い女性が召喚された。

老人の男性はノースリーブの姿をした忍者首領。目がぎろっとしていて怖い。

もう一人は十代のくノ一だった。顔は綺麗だが、無愛想だ。


怪人ファイル6

名前 郷田蔵(ごうだぞう)

年齢 50歳

罪名と肩書 強欲・元社長

好きなもの 金、グラビア写真

嫌いなもの、無能な働き者

願い事、金儲け

モストホープ社元社長(現在は副社長)

アウルートと魔王の買収(推定1000億円の財宝)で社長と会長の座を譲ってしまった。

欲が強い者を挑戦者候補としてスカウトした。

快楽・サイバーと娯楽・バイオ博士とはグラビア雑誌がきっかけで仲良くなった。


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