第49話 メシマズ
選定を書くのを忘れました。すみませんでした。
11月1日(土) 午前10時 世界交流館
アダークが消えた。そして、創造神の済陽利夫がモストホープ社の新会長になった。
また、モストホープ社もビルがアイアスに場所を知られたため、会議室をレンタルして集会と選定を行う事にした。
済陽「えー、皆様おはようございます。本日からアダークに変わってモストホープ社の会長になりました済陽利夫です。皆様よろしくお願いいたします。挑戦はまだまだ続けるのでそこは安心してください。」
新会長が採用になったことに不穏な声が上がった。
強欲・元社長「見た目が変わってないからわからねぇな。」
挫折・苦痛の努力家「カブお化けのあいつを乗っ取っていたのかよ。」
無垢・元光の神「・・・・・・」
返上・見返り美人「なんで和名なのでしょうか?」
富国・目的至上主義「くだらん。」
停止・氷の姫「大丈夫でしょうかね・・・。」
快楽。サイバー「黒田良くなったかな~?」
窃盗・才能泥棒「・・・・・・。」
新社長の反応はさておき、今回の選定はAIセンサーで心の綺麗さが大きい人が挑戦者となる。
AIセンサーの結果、純粋さが異常の99点で独善・唯我独尊の滅私奉公が今週の挑戦者となった。
アウルート「今回の挑戦者は独善・唯我独尊の滅私奉公の徳山良子さんに決まりました!」
徳島はブラウンの髪色のふんわり短髪、白のカーディガン、黒のロングスカートを穿いた所謂ゆるふわ系の19歳の女の子だった。
アウルート「徳山さん、あなたの望みは何ですか?」
徳山「私は人知れずに人にいいことをしたいです。だから、それの思い通りになる力が欲しいです!飢饉の時に雨を降らせたり、大けがをしている人を治す力などの願いを叶えるタイプのを。」
済陽「では、この力を。」
済陽は表紙に方位磁石が付いている手帳を徳山に渡した。
済陽「この手帳にこうしたいことを書けば、その通りになる。ご飯を上げたいと思えばお前の美味しい料理を召喚したり、飢饉のときに雨を降らせたりなどできるぞ。更に困っている人を方位磁石がさして教えてくれるぞ!」
徳山「最高ですね!」
成功条件は護衛ありで3日で120件自分にとっての善行をすること。
アウルート「それでは徳山さんの挑戦!スタート!」
徳山さんは会議室を出た。
アウルート「う~ん、彼女惨劇を起こしそうですね。」
済陽「なんでだ?」
アウルート「先ほど、人知れず聞いて推測したのですが、私は彼女からご飯を貰ったかもしれません。『お昼にどうぞ』って差出人不明で。食べてみたら微妙な走馬灯見を見るくらいの不味さでしたよ。」
済陽「何があったの!?怖っ!」
アウルート「お腹を満たすという善行だと惨劇を起こしそうですね・・・。」
済陽「ええっ・・・。あっ、そうだ。アウルート。今までの挑戦者の確認付き合ってくれないかな?」
アウルート「いいですよ。」
済陽とアダークは会議室を出た。
同時刻 元玩具屋久田
管さんが私たちを裏切り消滅した。その後、玩具屋久田だったところは空きテナントになっていた。
また、最初に管さんが見せてくれた絵本やリストは黒田君に送られていた。
さらに管さんが店もろとも消えたことを美香ちゃんが美香ちゃんのお父さんに伝えていた。
すると、美香ちゃんのお父さんはなんと秋テナントになった元玩具屋久田と挑戦者を警報機材を無料で貸してくれた。
娘と患者を助けてくれた恩との事だった。
「まさか、こうなるとはねぇ・・・。ありがとう美香ちゃん。お父様にもよろしく。」
「はい!直子さんは私たちの恩人ですから!」
美香ちゃんは笑顔で言った。それにしても恩返しすぎな気がするなぁ・・・。
「おはようございます・・・。」
入り口からテンションが低い挨拶で黒田君が入ってきた。
「黒田ぁ!」
「黒田くん!」
黒田くんが来たことに創くんと塔子ちゃんは喜んだ!
「皆・・・、すまなかった・・・。」
黒田くんは謝った。
「いいって、別に。あの神に洗脳されとっただけだし。」
「そうですよ!神様に乗っ取られていただろうがそうじゃないだろうが私はあなたに助けられたんですから!」
「・・・ありがとう。」
黒田くんは2人の励ましに涙を出してお礼を言った。その後、黒田くんは涙を拭いた。
「よーし!済陽とかいう神とアイアスをぎゃふんと言わせるぞ!」
黒田くんは心機一転に気合が入っていた。
「アイアスも対象なのね・・・。」
「そりゃ、あのデビルハンター俺ごと斬ろうとしていたって聞きましたからねぇ・・・。」
黒田くんは殺気がこもった笑みを浮かべていた。
うー!うー!うー!うー!
警報が鳴った。挑戦者が出たらしい。
「直子様、近所の路地裏で住所不特定の人達が食べ物で昏睡しています!」
美香ちゃんが調べて言った。昏睡だって!?
「すぐに向かうわよ!」
「「応っ!」」
「「はい!」」
私たちは路地裏に向かった。
路地裏に向かうと救急車が何人かを乗せて病院に向かっていた。
「うわぁ、なんだろう・・・。」
「毒殺の未遂かな・・・?」
「助かるといいね。」
一体なんで挑戦者はその人たちを気を失わせたのだろうか・・・。
ぴりりりりりりり!
創くんの電話が鳴った。
「涼子からだ。もしもし、なんだって!?分かった!」
「何だったの?」
「涼子の近所の家で花壇に小さな雨雲が雨をピンポイントに降らしているって。」
「ピンポイントに?」
とりあえず、一度向かう事にした。
熊田さんの近所の家の様子を見ると、小さな雨雲が花壇の上に在った。
その花壇に雨がずっと降り続いていた。もう十分なくらいに雨は降っていたのにまだまだ振り続けていた。
「もう十分なのに・・・。」
花壇を作った奥さんはこのことに少し困っていた。
「水のやりすぎで枯れないといいんだけどね。」
「もう、これ確定だな。」
「ここは分かれて探してみましょうか。」
「そうだな!」
私たちは別々に今回の挑戦者を探すことにした。
美香ちゃんは一度お父様の力を借りて昏睡に至ったかもしれない食べ物を調べる予定だ。
済陽は今までの挑戦者と参加者を調べていた。
「うわ~、えぐい人もいるなぁ。街を凍らせるとか未来人に過去人、さらに宇宙人が二人いるとか宇宙船撃退するとかすごいことやってんなぁ!」
「えぇ。しかし、成功したのは2名なんですよね。しかも、3名が消滅、1名が死亡、1名は強制送還との事。」
「最後の人、爆破オチじゃなくて逮捕オチの?」
「はい、やっぱりそう思いますよね。」
済陽も同じことを突っ込んだ。
「それと神様も参加者にしているなんて。しかも、スカウトしているし。」
「アダーク様が洗脳したとの事です。しかも、神が地上に降りる所を狙って。」
「ふぅん。しかし、なんであの神様はおりてきたんだろう?記録をみると樋田君が知っていたらしいけど。」
「さぁ、もう消滅したので分からないのですよねぇ・・・。」
「アイアスのやろー!それにしても、めんどいことになったなー。」
風間のアトリエ 午前11時
風間先生は風刺画を描いている時、思い出した。
(そういえば、アダークさんが神様を洗脳したのって現代に来てすぐ。つまり、6月より前(大方4月か3月)。でも僕が見た記録は6月の時に来ると書かれていた。しかも、あの本に書かれているのはアイアスやアダークさん達が来なかったときの事。これって、神様が二人いるのかな?未来のアイアスともう一人の神様?それとも一人の神様が2つ計画していたのかな?)
風間先生は相談しようにも相談できずに仮説を立てていた。