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第48.5話 ヤケ茶ハロウィン

喫茶店入店のシーン

×蛇笏

〇真紀久

午後7時 喫茶長寿

僕の名前は遠藤西尾。ここで住み込みで店員をやっている。

今日からは31日までハロウィン仕様になっている。そして、キャンペーンという事で僕たちも仮装をしている。

ハーフバンパイアの母さん(サチコ)は吸血鬼ではなく今日からはキョンシーの格好をしている。

母さんは背丈が低く、子供と誤認されるのが普段は少々不服だが、お菓子をお客様からもらって喜んでいる。

お菓子貰って喜ぶ姿は本当に子どものようだった。

蛇と人のキメラ?の蛇笏くんは吸血鬼の格好をしていた。

普段はあんまり人前には出ないけど、ハロウィンという人間以外の姿を堂々とできるからなのか今日は意外にも積極的だった。

彼もお菓子を貰った時、口角が少し上がっていた。

ちりりん♪

お客様が入るベルが鳴った。

「いらっしゃいませー!」

「「トリックオア――。」」

しかし、入ってきたのはオーラを出すほどの絶望と悲しみにまみれた感じの真紀久くんとその友達の方々(創くん、美香ちゃん、塔子ちゃん、熊田ちゃん)だった。

「「わああぁ!?」」

母さんと蛇笏は驚いた。しかし、僕はそれでも驚かずに接客をする。

「何名様でしょうか?」

「すみません。5名大丈夫ですか?」

「はい、こちらの席にどうぞ。」

僕は6人座れるテーブルに案内した。

一体何があったんだろう・・・。

7分後

「お待たせしました。グレープティーとコーヒーとピーチティーとミルクティー2杯でございます。」

「ありがとうございます。」

「ありがとうございます・・・。」

黒田くん以外は、はきはきとお礼を言った。

あからさまに前に会った時とは全然違っていた。

その後、彼らの席に母さんが料理の方も持って行った。

カレー2杯とチャーハンとグリルステーキとオムライスとハンバーグだ。

母さんは料理を置くと質問した。

「なぁ、なにかあったか?」

「母、サチコ!?申し訳ございません。サチコ、こっちのほう手伝ってくれ!」

僕は母さんを止めた。いきなり聞くのも良くないと思ったからだ。しかし・・・。

「いっていいか?」

創くんは黒田くんに聞いた。黒田くん頷いた。

「今日ですね、こんなことがあったんです。」

創くんは黒田くんに変わって話した。

黒田くんは生贄司祭の召喚の元凶(創造神)に体を乗っ取られていたこと。自分も挑戦者という悪魔になっていたが鮭の怪人ではなくではなくカブの怪人になっていたこと。そして、創くんが誘導に使っていたメールの内容が偽物だったこと。

ざっくりまとめるとこんな感じだ。内容がスケールが大きくて理解が出来なかった。創造神ってどういう事!?

「そ、それは大変な事でしたね。」

僕は苦笑いで共感することしかできなかった。

「あ~、だからあの時怪しいと思ってたんだ。私と蛇笏は。」

母さんは前に黒田くんに会った時の怪しい理由に納得していた。

「それで今こうやって励ましているのです。」

創くんの説明は終わった。

黒田くんは黙々と食べていた。

「その中でも、おびき寄せるために使ったおもちゃ見つけたよのメールが嘘だったことにさらに凹んでいたのです。」

熊田ちゃんがそういった。黒田くんは涙を出しながら強く頷いた。

「神様は逆に本物を用意して待っていたのに・・・。」

「だから御免って、今度買い物付き合うからさ。」

「まぁ、奢ってくれるだけでも許すけど。」

そんな中、蛇笏くんがやってきた。なんか表情が怖かった。

「蛇笏くん、ごめんなさい。俺が召喚してしまったばかりに・・・。」

黒田くんは蛇笏君に謝った。生贄司祭を召喚してしまったことについてか、蛇笏くんを舞い込んでしまったことについてか。

しかし、蛇笏は・・・。

「いや・・・、巻き込んだおかげでこうやって西尾たちにも会えた。ありがとう・・・。」

「「蛇笏くん・・・。」」

蛇笏くんが僕たち以外の人に許したことに僕も感動してしまった。

その後、彼らは更に料理や飲み物を注文して美香ちゃんの迎えの車で帰っていった。


一方、時間はさかのぼり、アイアスは・・・。

足立の家に戻り、シュールストレミングの匂いを消そうとしていた。しかし、足立の家があったはずの家は空き地となっていた。

「アイアス君かい?」

「誰だ!?」

後ろから声をかけられた。

「僕の名前は風間史郎。風刺・芸術家の挑戦者―――。」

挑戦者と聞いて、アイアスは剣で風間先生の胴体を一刀両断した。

「ぎゃあああああああああああああああああああああ!何するんだよぉ!」

「悪魔と名乗ったから斬った。」

「もう!割と痛いんだからねこれ!」

そう言いながら風間先生は塗り薬を斬れたところの断面に塗りつけてまたくっつきなおした。

「ふぅ、これで一安心。」

「なっ!?」

アイアスは彼が致命傷になったはずなのに消滅しなかったことに驚いてしまった。

(こいつ・・・、上級の悪魔か?)

「あー、僕はね、老衰以外では死なないようになっているんだ。体バラバラにされても何事もなかったかのように戻るよ。」

風間先生はざっくりと説明した。

「なんでなんだ・・・。」

「アメリカに行ったら体得した。」

「アリエナイ・・・。」

アイアスはさらに驚いた。

風間先生は本題に入った。

「それはさておき、足立さんは戻ってこないよ。」

「どういうことだ!」

「足立さんはアダークの分身だったんだ。」

「えっ・・・!?」

アイアスは衝撃の事実に驚いた。しかし、風間先生は構わず話を進める。

「アダークが消滅した後、足立も消滅をした。」

「嘘だ・・・嘘だ!」

「本当だ!」

風間先生は静かに強い口調で言った。

「これは事実なんだ!足立が消えた。そして君の住むところがなくなった。」

「・・・なんでアダークは私に住む場所を与えたんだ。」

「さぁ、それはわからないな。」

「・・・・・・。」

アイアスは失意に落ちた。信用できる人物が裏切るかもしれない人物だったことに。

「そこでアイアスくん。君に提案があるんだ。僕の所に住まないかい?」

「えっ!?」

風間先生の提案にさらに困惑した。

「どうしてだ。何故誘う。」

「なぁに、君(愚かすぎる程)の真っすぐさに興味を抱いてね。それに君にとってはメリットもあるよ。衣食住は提供できる。そして、何より僕を斬るチャンスも増えるよ!」

「何なんだこいつは・・・。」

昔のアイアスなら風間先生のところに住み込むのはメリットを聞いても拒んでいた。

しかし、今はホームレスの状態になっていたため選ばざるを得なかった。

更に今はシュールストレミングの匂いが全身についているためなおの事だった。

「わかりまし・・・た。お願いします。」

「うん、素直でよろしい。」

こうして、アイアスは風間先生の所に住み込むことになったのだ。

残りの参加者枠30名


挑戦者ファイル25

名前 アダーク

年齢 1000歳

罪名と肩書 怠惰・ぐーたら黒幕

好きなもの 頑張る人間が絶望する姿、悪い事、危ない正義感の持ち主

嫌いなもの これといったものは無し。

願い事 頑張る人間が絶望・抜け殻の様になるざまな姿を見る事。

悪魔の王アダーク。生み出したのは創造神:済陽敏夫。

創造神との戦いでは黒い虫(頭文字G)を投げつけてショック死で倒して体を乗っ取った。

言い換えれば済陽はわざとではなく本当に一度は負けていた。

スタッフやお笑い担当・その他諸々の人達を参加者にスカウトした。因みに悲劇が大好きな弟もいる。

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