第43.5話 絶望の積田空
創は事の顛末を見た後、すぐにアイアスと直子を起こした。
そして、二人にそのことを説明すると、驚いた。
「ええっ!自分の手でっ!?」
「正確には、アイアスに握らせて切っていたんだ。」
「私の手で・・・。」
アイアスは体をふるえていた。そして、笑みを浮かべていた。
「まさか・・・、自分の存在という罪を自分の手で消滅という償いをするなんて・・・。」
アイアスは凍路の中では喜んでいた。しかし・・・。
「アイアス!お前が暴走させたからこうなったんだぞ!」
創は怒っていた。
「えっ!なんでですか!?あの悪魔が精神が弱かったからこうなっただけですよね?」
アイアスは自分の非が理解できなかった。正しいことを言っただけなのに。逆上したのはあの悪魔なのに。
「お前が挑戦者の心を無視して余計な事を言ったからこうなったんだよ!」
「そうよ!なんで自分の首を切ったのか分からないけどあなたが悪化させたのよ!」
直子と創は更に起こった。しかし・・・。
「なんで私が悪いみたいに言われるか理解できません。帰ります。」
「おい、帰るな!」
アイアスは速足でその場を去った。
「畜生!これで4人だぞ!消えてしまったのは!」
「しかも、3人連続で消滅してしまっているからね。どうにか阻止しないと・・・。」
二人が嘆いていると、黒田と美香が戻ってきた。
「なにがあったんだ?」
「実はな・・・。」
創は二人に話した。
「ええ~!なんてことだ・・・。」
「そんなに追い詰めてられていたとは・・・。」
黒田と美香も驚いた。
ピロリン!
美香ちゃんの着メロが鳴った。
美香ちゃんが読むと驚いた。
「ええっ!」
「何があったの?」
「社内で先ほどの挑戦者の遺言状が発見されました。」
「「「ええっ!?」」」
直子たちは驚いた。彼は元から消滅する予定だったのだ。
「すみません!私はここで失礼いたします!」
「うん!分かった!気を付けてね!」
美香はモストホープ社に戻った。
「俺も野暮用が出来たから失礼するわ。」
「そうなのね、分かったわ。」
黒田もその場を去った。その後、彼も参加者のためモストホープ社に戻った。というかテレポートをした。
創と直子は一度玩具屋に戻ることにした。
「そういえば、今日、警報機が鳴らなかったんだよね。」
「ならなかった?いや、おかしいです。あのレベルなら警報が鳴ってもおかしくない状態でした。」
創は真剣な顔になった。
「じゃあ、どうして?」
「俺にもわかりません。警報機は両行のはずです。それでも良くないという事は・・・、誰かが細工しているのではないでしょうか?」
「誰かって?」
「・・・すいません。根拠がありませんでした。」
創は謝った。
モストホープ社
モストホープ社には参加者が13名集まっていた。
アウルート「では、私が読みます。」
アウルートは代表として封を開け、遺言状を読むことにした。
『10月14日 この封を開けたという事はもうこの世にはいないという事ですね。私は生きるのがとてもつらかったのです。頑張っても結果が報われない。大人やチームメイトからは怠け者とか役立たずとかそういわれてきました。ここで、僕の過失を誰かの肩代わりにする異能にしようと思いましたが、アイアスの消滅斬りを見て、耐えられなくなりました。また、希望になりそうだった樋田さんも消えたことにより絶望しました。皆様、本当にありがとうございました。積田空』
聞いた参加者たちはそれぞれ感情を抱いた。
強欲・元社長「あいつ、欲を得ることにさえできなくなってしまっていたのか。」
替玉・お化け「・・・・・・・・。」
対価・見返り美人「アイアスの正論だけじゃなかったのですね。暴走は・・・。」
快楽・サイバー「あぁ、3回とも斬られてこうなったんだよ。」
挫折・苦痛の努力家「もうちょっと、寄り添えばよかったかなぁ。」
風刺・芸術家「あいつも樋田を光と思っていたんだな。アイアス君、思っている事と真逆の人ばっかりじゃないか。」
孤独・不眠姫「あの人は私と似たような人だったのですね。呪いとかそんなのに・・・。」
アダーク「はぁ・・・。」
後悔・屍王子「もうとっくに救う事は出来なかったのか。でも待て?じゃあなんで俺を雇ったんだ?」
アウルート「そういえばそうですね。なんででしょうかね?」
複製・宇宙の鏡職人「う~ん、まだあらがおうとしてたのかな?」
停止・氷の姫「実際に行うときはやる気はあったのでしょうかね。でも、アイアスさんが正論がとどめを撃たれて自滅したのでしょうか?」
差別・脳医師「私はその可能性が強いと思いたいですね。デビルハンターがとどめを撃たなかったらで考えると。」
「「う~ん」」
真相は闇の中だった。
また深夜、黒田?は霊魂を2体召喚した。