第4話 首無し馬と天才お嬢様
タイトルを変えてすみませんでした。
メリーバットエンドからトゥルーエンドに変えます。
6月21日(土)10:00 モストホープ社
モストホープ社にある秘密の部屋には今日もたくさんの参加者たちが集まっていた。
アウルートが現れ、挨拶を始めた。
「本日もお集まりいただき誠にありがとうございます。ただいまより本日の挑戦者を選別いたします。」
今回の選別は100マス計算のタイムアタックだ。ルールは簡単。100マス計算の問題を一番早く解いて、全問正解した人が本日の挑戦者だ。
数分後
「100点満点おめでとうございます!というわけで今回の挑戦者は『嫉妬、天才お嬢様、高田塔子』様です!」
「やはり、そうなりましたか・・・。」
高田塔子という騎士甲冑を着た女性はどうやら100マス計算に当然と言いたげの言葉を発した。
「さぁ、高田様、あなたのお望みはいったい何ですか?」
「・・・自分より能力が劣っている人を踏みつぶしたいです。」
高田は恨みのこもった声色で願いを言った。
風刺「あのお嬢さん、なんで優秀なのに嫉妬なのだろう?」
「それでは、こちらをどうぞ!」
「ヒヒ~ン!」
馬の声が聞こえ、高田は後ろを振り向いた。
高田「なんですかこれは!」
他の参加者たち「「なんじゃこりゃ!」」
高田の後ろには頭部がない大きな馬がいた。
「かつて脚が速すぎて、よその牧場主に殺害された馬の亡霊です。妬まれた者同士踏みつけてください。」
「・・・分かりました。」
「目標人数は7日間で1031人!それではスタート!」
高田は首無し馬にすぐに乗り、モストホープ社を出た。
国嶋市中央区 街
「今日もいい天気だな。」
私、横田直子は大空を見ながら、ソフトクリームを食べていた。
街は親子やカップルで賑わっていた。
しかし、数分後街にいた人達のほとんどが立ち止まっていた。
なんだろう。立ち止まった人たちの視線には金髪で綺麗な髪と顔をしていた少年が歩いていた。
うわぁ、めっちゃイケメンじゃん!17歳くらいかな!?
私もあまりの綺麗さに心は珍しく興奮していた。
綺麗な少年が私たちから通り過ぎると、見ていた人たちはまた、動いていった。
6月22日(日)11:00 国嶋市西区とある住宅街
一頭の首のない馬がいた。馬に後ろには背中を踏まれた人たちがたくさん倒れていた。ざっと90名くらいだ。しかし、約一名は馬に踏まれていなかった。
馬に乗っている甲冑のお嬢様は涙を流していた。
「妬ましい・・・、ううっ・・・、ここには少しいる・・・。」
そして馬とお嬢様は踏まれていない人を踏まないまますぐに去ってしまった。
運よく踏まれなかった特撮マニアの黒田真紀久は呆然と見ていた。
そのまま、ぼぉーっと見ていると、地面にマスコットのキーホルダーがあった。青いクマのぬいぐるみだった。黒田は甲冑の子が落としたものだろうかと疑問に思った。
「どっかで見たことがあるような気がする・・・。」
黒田は真面目な顔でキーホルダーを見た。
「交番に届けようかな・・・。でも、落とし主はたぶん挑戦者だからな・・・。」
悩んだ末考えた。
「よし、ここはあの人に頼るか!」
黒田は直子以外の人に電話をかけ、頼みの電話を入れた。その後、直子にも挑戦者の事を電話で話した。
「直子、挑戦者を見つけたよ。人を馬で踏みつけてた。」
『そうなの!真紀久は大丈夫!?』
「踏まれそうだったけど大丈夫だ!今から僕はパピリアのマンションに行く。頼れる人がそこにいるんだ。ぜひ来てほしい。後で説明する。」
「わ、分かったわ。今行くわ。」
黒田は電話を切り、急いで知り合いのところに向かった。
10分後 マンションパピリア11階
黒田はマンションの一室にある知り合いの部屋に来ていた。
「よく来たね。」
そこには、ボーイッシュな雰囲気の短髪の女性がいた。
「紹介するよ、直子。僕の友達の熊田涼子さん。」
「こんにちーわ!熊田涼子二十歳でーす。」
「こ、こんにちわ。」
熊田さんはさわやかな雰囲気をだしていた。
「涼子さん、頼みがあるんだ。」
「何~?」
「このキーホルダーの持ち主を知りたい。」
「分かった、もしかして、持ち主の子に興味があるの?」
熊田さんは真紀久を見てによによしていた。
「違うわ、事件の踏み付け事件の犯人なんですよ。」
「えっ、あの首無し馬の!?」
「はい、知っているのですか?」
「うん、あたしも実際に会ったよ。でも、踏まれなかった。」
なんと、熊田さんも挑戦者に遭遇していた。でも、何故踏まれなかったのだろう。
「後、創も踏まれなかったよ。」
「だれですか?」
「あたしと真紀久の友達。すっごい機械に強いんだ。」
「そうなんだよ、涼子さんもプログラミングとか絵とか結構上手いんだ。暇つぶしでミレニアム懸賞問題を解いたことだってあるよ。」
「そんな事やっていたのですか!?」
私は驚いた。目の前ですごいことをした人に会った事を。
「しかし、なんで僕も踏まれなかったのだろう?」
「いや、真紀久お前もすごいじゃないか。幸運。」
「何が?」
「お前、前にセールでいいおもちゃを手に入れたり、中古で20年前のおもちゃを安く変えた時があったじゃない。」
「あ~、あったねぇ。運も天才の部類かな?」
「もし、あたしたちと同様なら、踏まれなかった=天才なんじゃない?」
「もっと調べた方がいいと思うなぁ。」
踏まれなかった人の特徴を一度調べようと思った。
「よし、今から持ち主調べるわ。」
「そんなことができるのですか?」
私は熊田さんに聞いた。
「私はね、美人さんなら、五感全てを使って追うことができるんだ。」
「へ、へぇ・・・。」
信じがたい内容に私は困惑した。
熊田さんはキーホールだーの匂いを嗅いだ。
「この匂いは、間違いない!高田塔子の匂いじゃないか!?」
「誰ですか?」
「知らないのか!?文武両道、才色兼備でお嬢様学校に通っているあの高田塔子だぞ。」
熊田さんは、パソコンを操作、押し入れからノートを取り出し、画面とノートを私たちに見せてきた。
「これだよ!」
画面には高田塔子の記事が書かれたネットニュース、ノートに張り付けた新聞記事がたくさん書かれていた。
高田塔子は、新体操やスケート、テニス、空手などで、全国・世界大会の優勝記録を残したり、学力テストでは、全国一位を獲得している優秀な実力の持ち主を持った高校生だった。
「でも、この子。優秀すぎて、沢山の人から妬まれているんだよね。」
私は質問した。
「どういうことですか。」
「何でも、大会で2位以下の人とその親子さんが脅迫の手紙や嫌がらせや悪質な傷害事件があったんだ。さらに彼女の今までのコーチ等にも妬まれているんだ。」
「そうなんですね。」
彼女の写真や記事の文字を読んでいると、真紀久の様子が変わった。
「はっ!」
「どうしたの?真紀久。」
「一つ手掛かりを思い出しました。家にいったん帰ります。」
「「ちょっと!真紀久!」」
真紀久は突如、熊田さんの部屋から出て行った。
「どうしたんだろう、真紀久。」
「ほっとけ、ほっとけ。あいつは大丈夫だ。それより、直子さん。彼女を一緒に探そう。」
「できるのですか?」
「さっき言っただろ。五感をすべて使って追うこともできるって。」
熊田さんはニヤリと悪そうな顔をした。
15分後
私と熊田さんは高田塔子を探して、追っていた。
熊田さんは空気中の匂いをかいだり、勘で進んだり、人に尋ねたりしていた。
ぴりりりりりりり!
私の電話が鳴った。
「真紀久君からだ。もしもし。」
『探していたものが見つかった。』
「何を見つけたの?」
『僕と塔子ちゃんが移っている写真を。』
「えっ!」
『僕と塔子ちゃんは昔、一緒に遊んでいたんだ。もし、彼女が僕の事を覚えていたら説得して止めることができるかも。今から合流させて。』
「そうだったの、分かったわ。じゃあ、今から私たちは四里木の駅に向かうからそこで合流しようか。」
『分かった。』
こうして私たちは四里木の駅に向かうことになった。