表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/187

第40話 卑怯者おおぉぉぉ!と情けなしがぁあああああ!

樋田の2件目の隠れ家 3時前 直子視点

私たちは樋田の指定した場所に集合していた。美香ちゃんや塔子ちゃん、黒田君、創君、さらに熊田さんもやってきた。

「皆、胆道く行動はしないようにしてね!」

「はい」「ええ」「うん」「はい」「分かった」

それぞれ返事して、一列に並んだ。私が一番前で美香ちゃんが一番後ろだ。

地下へ続く日は螺旋階段そのまま降りるようになっていた。割と深かった。

しばらく降り続けると、大きな空間に出た。

そこは地下闘技場になっていた。

「アイアスがいる。」

「えっ!どこ?」

「リングの中央。」

黒田君の手の差す先を見るとそこには、顔と白い戦闘服を赤や黒に染められたり、スイカの種が所々ついていたり、ここからでも匂うくらいの臭い匂いが漂った。

「いったい何があったんだ・・・。」

創君は少し震えていた。

私たちはおりてアイアスに話しかけた。

「アイアス、何があったの?」

「罠だらけのダンジョンを通ってこうなった。」

闘技場をよく見ると、出口の場所ともう一つの入り口があった。

「大変だったね・・・。」

私はそれしか言えなかった。

「皆様!本日はお集まりいただきありがとうございます!」

声が闘技場内に響いた。周りを見るとリングの近くに実況席があった。

「これより、挑戦者デビルハンターアイアスとハリセン直子VSチャンピオンダブル樋田の勝負が始まります!実況は私、暴露・スキャンダラスメディアチームのアナウンサー、佐藤がお送りいたします!」

「何だこの人!?」

私は実況に驚いた。今回はプロレス風?

「出たな悪魔!」

アイアスは挑戦者の佐藤さんを切りかかった。しかし、剣は通らず効かなかった。

「剣とは思えない無意味な斬り具合ですね。打ち具合はいいですが。デビルハンターアイアスさん。残念ですが、我々スキャンダラスメディアチームは4人同時に切らないと消滅と解除が出来ませんよ!」

「何だって!?」

アイアスは驚いた。私も驚いた。2人はまだしも4人同時って!?多くない?後、ちゃんと剣のレポートをしているよ!すげぇな、プロは・・・。

「さぁ、大人しく試合を受けなさい!まずは赤コーナー、挑戦者の入場です!」

アイアスは仕方なくリングに入った。そして直子も入った。今回は実況の人が入場のアナウンスをするのね。

「次に青コーナー、チャンピオンの入場です!」

アナウンスの後、いつの間にかあったチャンピオン側の入り口からスモークがプシューと出した。スモークが消えるとそこには樋田が二人いた。

「何という事でしょう!チャンピオンが名前の通りダブルです!いったいこれはどういう事かぁ!おっと、リングを入った後に樋田の一人がマイクを持ちました。何を言うのでしょうか?」

樋田は大きな声で言った。

「もう一人の俺はそっくりさんを特殊メイクをした偽物だ!しかし、アイアスが着ると俺と同じように消滅する!」

「「何だって!?」」

「一般人を斬りたくなかったら剣を置くんだな!そして、ハリセンに任せるんだな!」

「卑怯者!」

アイアスは叫んだ。しかし・・・

「「ありがとう、最高の誉め言葉だ!」」

二人の樋田は笑っていた。まぁ、確かに挑戦者を元に戻したい私にとっては助ける条件だけど。

「それでは、始め!」

戦いが始まった。

アイアスは剣を鞘に仕舞い、素手で戦う事にした。

一方、私はハリセンを構えていた。

しかし、二人の樋田は容赦なかった。

アイアスを相手にしている樋田は柔道の様に背負投げしようとしたり、殴ろうとしたり肉弾戦的な意味で容赦なかった。

「めちゃくちゃ目の敵にするように攻防が繰り広げられています!」

一方、私を相手にしている樋田は臭いものを私にかがせようとしたり、私を胴上げしたり、ショッキングな写真を見せつけたりと精神的な意味で容赦がなかった。

「ハリセン直子は女性なのでその配慮でしょうか!しかし、地味に嫌な攻撃ですね!」

なんで胴上げなのよ!

後、私の両腕をつかんで魔法少女の呪文をかける動きも取らされた。樋田は裏声で言っていた。

「パピルパピル、貴方の心を浄化させちゃうよ!」

「恥ずいことさせるな!」

「これは地味に・・・、酷い(笑)!ぶぅう!」

「おい、笑うな佐藤さん!」


その後も物理的な攻防、ハリセンと精神的攻撃が繰り出された。

そんな中、アイアス側の樋田が叫んだ。

「なぁデビルハンター、俺はお前と戦うまでに人の不幸や呪いを解いてきた!」

「それがどうした!」

「お前が救えない人を俺が救った。そこにいる元悪魔の悪魔になる原因の呪いを解いた!」

「それがどうした!」

「はっきり言おう!お前が俺を斬ると、俺によって幸せになった人はまた不幸になるんだよ!」

「はっ!?」

私はようやく理解した。樋田の善行の理由に。樋田は自分の助けた人は人質だったというわけだ。

「なんと、W樋田!今までの人助けはアイアスが討伐することを諦めさせるための準備だったのです!さぁ、デビルハンターアイアスはどう対処するのでしょうか!?」

「そんな・・・、私を助けたのは・・・。」

観客席の塔子ちゃんは青ざめた。

「アイアス!そいつを斬るな!直子、さすがにこいつは解除してはいけない気がする!」

黒田君は必死に私たちに叫んだ。しかし、アイアスは・・・。

「お前という卑怯者に助けられて喜ぶわけないだろ!むしろ、悲しむはずだぁ!」

「おおっと!デビルハンターアイアス!人から奪ったお金を貰っても嬉しくないだろ発言しています!」

「いや、私は解呪された時はとっても嬉しかったわ!」

塔子ちゃんは心の底から叫んだ。

更に樋田の一人はアイアスに挑発した。

「アイアス!本物の俺はこっちだ!斬りたければ斬るがいい!」

アイアスは迷うもなく剣を取り出し、樋田に斬りかかった。

「やめろぉ!」「やめてぇ!」

黒田君と塔子ちゃんは訴えた。しかし、アイアスは迷いはなかった。

「デビルハンターアイアス!まっすぐ切りかかる!お前という奴は情けなしだな!」

すると、私の相手をしていた樋田が私に言った。

「ハリセン!後で偽物を直してくれ!切って消えるのは嘘だから!」

そう言って樋田は樋田の盾になってアイアスの剣を弁慶立ちで受けていた。

「ぐっ!うぬぬぬぬぬぬぬぬぬ!ばーか!俺が本物だよ!」

「何!?」

「何と、本物が盾になりました!めっちゃ食らっているぞ!」

「アイアス!お前に言っておく!俺を倒すと、俺に救われた人がまた不幸になる!そしてお前を倒そうと悪魔が増える!それでもいいのか!」

「悪魔になる程人間はそんなに腐ってはいない!」

アイアスは人間は不幸になってもまた頑張ると信じながら本物を樋田を斬っていった。

「ホーリースラッシュ!」

そして、樋田の体は真っ二つに斬れ、消滅していった。


一方直子はもう一人の樋田をハリセンで叩いた。その正体は薬袋探偵の助手・安部だった。

そして、異能が解除されたことでアイアスと直子たちはそれぞれ入った家の入り口前に戻っていた。

また、塔子ちゃんの体に黒い霧が入り込んでしまった。呪いが元に戻ったという演出なのか。

直子は挑戦者を挑戦者の命を救えなかった事。また、呪いにかかっていた人を救うことが出来なかったことに落胆していた。塔子ちゃんと黒田君も涙を流していた。他の皆は黙っていた。

一方、アイアスはようやく挑戦者を消滅させたことに達成感を抱いていた。体を震えていた

(遂に・・・、悪魔を消滅することが出来た・・・。)

残り挑戦者27名 成功者2名 失敗者15名 棄権者1名


挑戦者ファイル22

名前 樋田恭一郎

年齢 27歳

罪名と肩書 卑怯・ルールジャッカー→善行悪党

好きなもの 正々堂々、卑怯な行為、

嫌いなもの 砂糖を多く入れる人

願い事 ご都合主義レベルの出来事を意図的に発生すること

海外で地下闘技場を運営している闇の権力者。3代目親分。

日本支部を建てるための視察の来日中に元社長にスカウトされた。

元々の願いは、ルールを途中で書き換える力。

アイアスには2回果たし状を送った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ