第32話 遊園地で遊ぶ二人と食べる二人
モストホープ社
快楽・サイバー『なんなんだあいつら。カップルみたいじゃないか』
お嬢様スタイルの氷川とボーイッシュな重田のデートに恋愛経験のない参加者は妬んでいた。
強欲・元社長「ぐぬぬ、なんてうらやま・・・、羨ましい!」
アウルート「さて、重田さんはこのデートを無事に終えて、ライターを取り返せるのでしょうか?それともアイアスさんが水を差してきりのでしょうか。まぁ、アイアスさんはライアンさんに妨害されていますがね。」
アダーク「楽しみになってきたー!」
ジェットコースターを乗り終え氷川と重田はその後もアトラクションを乗り続けた。
子供から乗れる短いジェットコースターやボール投げ、ゴーカートなどに乗っていた。
直子と創もケバブサンドやチュリトス、パフェを食べていた。
そして、時間はお昼となった。
「そろそろ、お昼にしませんか?」
「そうだな、さっさと食べようか。」
ラージワルドには、直子たちが食べていた飲食店以外にもたくさんの飲食店があった。
二人はハンバーグが人気のレストランに入った。
レストラン内はカップルや家族連れや友達連れで賑わっていた。
一方、直子と創は昼食を取ろうか悩んでいた。
「お昼、食べる?」
「そうね~、さっきから食べてばっかりだったから食べるか自体悩むわね~。」
「とりあえず、ハンバーガーにするか。」
ハンバーガーを直子がテイクアウトして、氷川と重田が見える所で食べた。
食べる前に美香と黒田からメールが来た。今向かっているとのメールだった。
「お待たせしました。ビーフハンバーグステーキです。」
レストランの店員が料理を運んできた。
テーブルに置かれたのは、ホットプレートの上でジュージューと音を鳴らし、油跳ね防止の紙に囲まれたハンバーグ2人分だった。
「わぁ~、美味しそう~!」
「音がすげぇな・・・!」
「では、ごゆっくりどうぞ。」
店員は二人に会釈をして二人の席から離れた。
二人はいただきますと同時に言った後、ナイフでハンバーグを切り、フォークに差して食べた。
「旨い!」
「おいひい!」
二人は久々のハンバーグに歓喜を出した。
「うまいなこれ。ジュージュー鳴っていただけあって。」
「そうですね、でもそれだけじゃないと思います。」
「肉の質とかそういうの?」
「それもそうですけど、今は秘密にしておきます。」
「なんだよそれはー。」
二人はそのままハンバーグを食べ進めていた。
二人はハンバーグを食べ終えて、会計をレジで支払っていた。お代は重田が支払おうとしていたが、氷川が自分から払っていた。
会計した後、に二人はレストラン内の様子を見た。
家族やカップルで笑顔で食べる人達、一人でくつろぐ人、ラージランドでの思い出やこれから行く場所について語り合う人たちが二人の目に映った。
「なんかいいですよね。」
「うん、そうね。でも・・・。」
二人はほっこりした気分になった。しかし、すぐに重田は暗い顔をした。
「でも・・・、なんでしょうか?」
「いや、次に行こうか!」
氷川は続きを聞こうとしたが、重田がフェードアウトして店を出て、次のアトラクションに向かった。
移動する二人を見て直子たちも移動した。
「そういえば、俺たちとあの二人が食べていたもの。ハンバーグでかぶっていたな。」
「確かに!しかしランクさがある!」
次に向かったのは園内でも西日本でも怖いで有名な学校型のお化け屋敷だった。
「ここに行くの・・・?」
「はい、怖くなった時は抱き着いてください!」
氷川はきりっとした顔で言った。
「なんで私が怖がる側なの!?」
そう言いつつ、二人は入っていった。
一方、直子と創もお化け屋敷に入るか入らないかで揉めていた。
「大丈夫だって!どうせ機械で驚かすだけでしょ!」
「雰囲気の時点で嫌なの!」
「じゃあ、俺一人で行きますよ!」
「ええっ!?」
創は本当に一人で入った。
「大丈夫かな・・・?」
私は入り口前のベンチに座って待っていた。
10分後
「ひぃいいいいいいいいん・・・。」
「いちにっ、いちにっ。」
氷川と重田が出口から出てきた。しかし、氷川は涙目になって重田を抱きしめていた。
そして、自分の足を重田の足に乗り、竹馬状態になっていた。
(なにがあったの!?)
「ほら、終わったから降りてよ。」
重田は顔を赤くして、めんどくさそうに氷川に要求する。
しかし、氷川は重田をまだ抱きしめて拒否した。
「嫌です。このまま次に行きましょう。」
「何を言ってんだよ!?恥ずいわ!」
重田は更に顔を赤くしていった。
「いいじゃないですか。別に女同士なんだし。」
「いや、そうじゃないんだよ・・・。」
重田は顔を横にむいた。
「俺さ・・・、本当は男なんだよ。」
(えっ!?男だったの!?ボーイッシュな女子じゃなくて!?)
重田はなんと性別男だった。
「ええっ、知っていましたよ。うすうすと。だからこうやっているのですよ。」
しかし、氷川は動じなかった。
(知っていたんかい!?)
「じゃあなんで抱き着くんだよ!そもそもお前とはいがみ合っていたじゃないか!後、物理的な妨害ってルール違反だろ!」
重田は慌てて一気に質問攻めをした。
氷川は冷静に答えた。
「はい、いがみ合っていました。だけど、いがみ合っていくうちに好きになってしまったんです!後、このデートでの抱き着きは妨害じゃないとアウルートさんが言っていましたよ。」
「ええっ!なんだよそれ!?それとあの悪魔・・・!」
重田は驚きながらも2つの内容を順番に反応した。
「・・・重田さん。こんな形ですみませんが、私はあなたの事が好きになりました。私と付き合ってください。」だ
(そんな状態で告白するの!?
氷川は重田を抱きしめたまま告白していた。
「ごめん・・・、それはできない。」
重田は悲しそうな声で返事をした。
「どうしてですか!?」
氷川は驚く。まぁ、いきなりで強引だからそりゃそうなるわと私は思っていた。
しかし、重田はちゃんと答えた。
「俺はね、人を愛するのが怖いんだよ・・・。」
重田は氷川を引きはがして、ベンチに座って説明した。
その後、創くんがお化け屋敷から真っ青な顔をして出てきた。
「おぉおおっ・・・、ほんとにっ・・・。」
「何があったの!?」
「俺が悪かっ・・・た、ごめ、ん。」
(本当に何があったの!?このお化け屋敷!)
ここは私がざっくり説明するとね・・・。
重田はかつて、好きな異性がいた。しかし、その思いが強すぎて残忍な愛情が出てしまいかけてしまった。いわゆるヤンデレというものだった。
その時以来、重田は人を愛するのが怖くなってしまったのだった。
「なるほど・・・。そうでしたか。だから、建物は燃やしても私と違って人を燃やそうとはしなかったのですね。後、それで女装もその事で。」
「そうなんだ。だからお前や人を愛することが出来ないんだよ。後、女装は趣味だ。」
(趣味だったんかい!)
重田がそう答えると、声色が冷静な感じから覇気のこもった声になった。
「氷川さん。私がその程度の愛でやられると思っているのですか!」
「どういうことだ。」
「私なんて、地球のすべての命を愛する愛を持っているのですよ!あなたの愛はその程度で恐がるなんて、私の愛がやっぱり上じゃないですか。」
「いや!俺の愛が強いぞ!」
「いーや!私の方が強くて重くて大きいでーす!」
二人はベンチでお互いに煽りあって・・・、痴話げんかを始めた。