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第79話 夢の戦い!前世同一悪霊VS除霊ナックルズ

西尾&安部VS甚兵衛VS湯来のタッグバトルが始まった。

安部は甚兵衛の相手をすることにした。雷を見切れるからだ。

一方、西尾は湯来を狙う。

「雷雷雷!」

バーン!ドゴォン!ドッカ―ン!ビシャーン!

西尾はたくさんの雷を落としていく。

「めっちゃ雷出てる!?」

「ゲームかアニメでしか見たことねぇぞ!」

直子と涼子は声を出して驚いた。

「うぉ!?とぉ!?危なっ!?やぁ!?」

だがしかし、間一髪のところで回避する。

「おりゃ!」

「ごへっ!?」

安部のジャブは甚兵衛にヒットした。

(よし、俺は大丈夫だな。後は西尾さんが心配だな・・・。)


西尾は湯来に向かって走り出した。

「うぉおおおおおおおおお!」

「温泉噴火!温泉噴火!」

あつあつの温泉がコンクリートから吹き出す。

「温泉沸いたー!」

「なんで最初っからそれで戦わなかったんだろう?」

『手の温泉砲は幽霊との適合100%で依り代自ら発射できるようになっていました。せっかくだから撃っていたようです!』

「そうなのねぇ・・・、って佐藤さんいつの間に!?」

「ほんとだっ!」

いつの間にかスキャンダラスメディアチームのアナウンサー佐藤が実況していた。

『さぁ、始まりました。遠藤西尾さんと安部快晴さんVS温泉湯来さんと建築士甚兵衛さんのタッグバトル!司会は私、SDMTスキャンダラス・メディアチームの佐藤がお送りします。』

「いつの間にか通称作っていた。」

「安部さんの名前快晴だったんだ・・・。」


「やけどしやがれェ!」

『先ほどから湯来選手、祟り通りに地面から温泉を噴き出しています!直撃したらやけどものだぞ!』

しかし、西尾は初めての戦いとは思えないほど温泉を避けた。

『すごいです!遠藤選手!初めてなのにお見通しの如く温泉を避けています!』

「あの人あんなに強かったっけ?」

直子たちは驚いた。

「あいつは強い。蛇笏が現れた時も恐れなかったからな。」

サチコは息子を誇らしげに語る。

「それだけではないと思う。」

真紀久は言う。

「どうして?」

「それは湯来は西尾さんの・・・。」

その時、湯来も温泉を噴き出しながら尋ねた。

「なぜだ!なぜ温泉が当たらない!」

「それはね、よっと、君がぁ!うぉっと!」

「「前世の僕(幽霊)だからだ!」」

答えを言った西尾は湯来に右ストレートを喰らわせる。倒れる湯来。

「ごぼぉ!?」

『西尾選手、湯来選手にクリーンヒット!幽霊とはいえこれは痛い!』

西尾は更に連撃を加えようと右拳を湯来に振り落とす。しかし・・・。

「温泉砲!」

湯来の頭の下の地面から温泉が噴き出す!

「ごぼぉおおおおおおおおおおおおお!」

『温泉が西尾選手に直撃!これは熱い!しかも、湯来選手は幽霊だから自分が出した温泉は効かない。』

しかし、西尾は温泉に直撃しても温泉から離れようとせず、湯来を殴る。

「んぼぉ!?」

顔を押さえ、離れる湯来。

「何だお前は!いくら相手とは言えど俺の温泉はやけどするんだぞ!」

湯来は恐がるかのようにまた訪ねた。

「やけどなんてしないよ。だってこの温泉は僕自身の温泉でもあるから。」

「!?」

笑顔で答える西尾。西尾は湯来に向かってそのまま歩いてくる。湯来は温泉を噴き出していた。しかし、温泉が直撃しても西尾は歩き続ける。

「待てっ!来るな来るな!それにどうしてそう笑っていられるんだよ!これって怒るもんだろ!?」

「僕はね、怒れないんだ。だから怒らない。それとどうしてそんなに怒っているんだい?」

「そりゃ怒るわ!無実の罪で殺されたんだぞ!祟って復讐でもしないと気が済まないよ!」

怒りを強く表す湯来。しかし、湯来は立ちっぱなし。西尾は湯来に向かっていた。

「確かに、君は冤罪で殺された。その悲しみはわかる。」

「じゃあ、その時の侍や奉行をめっためたにしたいのを止めるんだよ!?」

「僕はね、君が怒ったことで怒りの感情を失ったんだ。4回目の祟りで。」

『!?』

『4回目の祟り!?』

一同は驚いた。

「どういうことなのですか、その情報は初耳ですわ!?」

美香ちゃんは聞いた。

「思い出したんだ。あの時は4回目の人生もひどい目にあって怒りを暴走して人を呪い殺した。しかしあの世に逝った後、神様からペナルティを受けたんだ。『仏の顔も三度まで。4回目の祟りを起こしたので怒りの感情を消します。』と。」

「!?」

『なんと、遠藤選手は4かい死んでいた男だった!』

「それは信じられるかぁ!」

「あぁ、信じてくれないと思う。でも、問題はそこじゃない。湯来、君は復讐ではなく幸せになるという期待をする方法もあったんじゃないかな。」

「そりゃ、期待できないだろ。」

「確かに期待できない。しかし、僕はこうしてもう一つの家族や友達が出来たんだ。」

「家族・・・。」

「そう、とっても楽しいんだ。でも、怒りの感情がないから家族や友達を傷つけるものを怒ることが出来ないんだ。」

「家族や友達を傷つけるもの・・・。」

そして、西尾は湯来の目の前まで来ていた。

「お願いだ。来世の幸せを信じてみないか。それに怨んでいる相手よりも幸せになるのも、復讐の一つだよ。そして、未来の君の大切なものを守るためにも怒りが必要なんだ。」

西尾は湯来を出ししめた。

湯来は観客にいた西尾の家族や友達を見た。そして、その家族と友達を傷つけようとした発言をしたアイアス(気絶)を見て。

湯来は静かに白い光となって消滅した。

『湯来選手、ここで退場。』

アナウンサーの佐藤はしおらしい声色で発言した。

その後、除霊?したことで観客の直子たちは合掌をした。


一方、甚兵衛と戦っていた安部は雷を避けながら地道にヒットさせていた。

「よっ、とぉ、はぁ、おりゃ!」

「ぐっ!」

その時、戦い終わった西尾がやってきた。

「安部さん!終わりました!」

「そうですか!後は俺がやるのでグローブをお願いします!」

「いえ、ここも僕にやらせてください!」

「えぇ!?いやしかし・・・。」

安部は雷を避けながら考えた。

「分かった!気を付けてください!」

安部はもう片方のグローブを西尾に投げて渡した。

「ありがとうございます!」

「交代か!どちらにせよ邪魔だ!」

甚兵衛の雷は西尾に直撃した。

「ぐわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

しかし、アイアスの時と同じくかみなりに打たれながら走った。

『水を浴びた後に雷!?これは危険です!』

「西尾!死んじゃう!おい幽霊止めろ!自分の来世だぞ!」

「そうだ!自分で自分を死なせるな!」

サチコと蛇笏の訴えで、我に戻った甚兵衛は雷を止めた。

そして、西尾の右ストレートが来た。

「もったいないよ!自分で作った城を!自分で壊そうだなんて!」

「ぐぼぉ!?壊したくなるだろ!建てた後に殺されたら!」

「おっしゃる通りだ!しかし、君は今までに作った建物を超えたを作ったんじゃないの!」

「あぁ、そうだ!」

「君の作ったお城は・・・、のちの歴史に評価されるくらいのすごいお城だったんだよ!すごいお城だったって未来に語り継がれていたのに・・・。」

「そんなに・・・、だったのか?」

「あぁ・・・、まだ間に合う。自分の作品を残してくれないかな・・・。」

「・・・・・・残す・・・かぁ・・・。」

そして、甚兵衛も白い光となって消えた。

『甚兵衛選手、退場。勝者、遠藤西尾と安部快晴。』

佐藤はまたしおらしく告げた。

そして、合掌を行った。


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