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第77話 お奉行脱出、おいアイアス!?

温泉砲で吹き飛ばされた安部たちは起き上がった。

「あぁ~、いい湯だった。」

「なんで湯加減味わっているんですか!?」

安部の感想に創が突っ込んだ。

「そういえば、美香さん。確か参加者の攻撃って禁止じゃなかったっけ?」

「今回特別ルールで参加者も挑戦者も互いに妨害有りなのです。」

「そうだったのか。あれっ、じゃあどうして真紀久は吹き飛ばされたんだ。あの時は、参加者のはずだったのに。」

「あれは吹き飛ばされた不利です。」

「そういう事か。」

「遠藤?、割と強かったな。」

「社の記録によると、遠藤さんと悪霊のお二方の適合率は100%だと。」

「「「100%!?」」」

聞いてため息をつく3人。

この時、美香は思い出した。

(そういえば、遠藤さん。あの人夢で機密保持で処刑される夢を見たと言っていました。そして、今回の幽霊の片割れは城の機密保持で処刑。しかし、あの時は斬り捨て御免で冤罪の処刑は・・・。)

機密保持の幽霊なら縁ある幽霊として100%の可能性がある。

今回の幽霊の一人は冤罪で打ち首された人間であって、斬り捨て御免された幽霊ではない。では、いったいどうして100%なのか。

美香は特別ルールにのっとり今回の挑戦者の幽霊二体を説明した。

そして、その後、すぐに捜索を再開した。


一方、直子と真紀久と涼子と蛇笏は江戸エリアにいた。

すると、一人のくノ一が直子たちの目の前にやってきた。

敵かと構える直子と真紀久と蛇笏。

しかし、くノ一は涼子に近づいて写真2枚を渡した。

「涼子様、こちらは今回の標的の全体写真です。お持ちください。」

「ありがとう!霧子ちゃん!」

「いつの間に仲良くなったの!?」

直子は涼子と霧子の関係に驚いた。最近まで追うものと追われるものの関係だったのに。

「今週から同棲したんだ!」

「涼子さん・・・、恐るべし。」

「ついにここまで来ちゃったか。」

「心を開いたというのか?」

「いえ、追わないことを条件に同棲しているだけです。」

「いや、なんでそれで同棲するの!?」

直子は条件と望みに差がある事に突っ込んだ。淡々と説明する霧子。

「ほぼ毎日私がいれば、私を追うことは無いと社長が提案して。」

「なるほど。」

「どんな提案なのよ!」

「では、また。」

霧子はその場を去った。

霧子が去った後、直子たちは写真を見ることにした。

標的は40代の江戸の奉行の格好をした人と20代の侍の格好をした人だった。

「どうやら、このエリアにいそうだな。行こうか。」

「はい。」

「ええ。」

「おう。」

涼子の仕切りに皆は返事をする。


「そういえば、塔子ちゃんはどうしたの?」

「なんでも今朝、急に具合が悪くなったんだって。」

直子の質問に真紀久は答える。

「いったい何があったんだろう?終わったらお見舞いに行こうか。」

「そうだね。」

蛇笏君を除いた三人は話していた。

その三人が話しをきいて思った。

(友達かぁ、おらにも昔おったな。)

「蛇笏君もどうかな?」

「おらは、いいや。」

「そっか、分かった。」

真紀久は少し山寝そうな顔になっていた。

話を終えて捜索を続けた。


その後、直子たちは奉行の格好をした人を挑戦者より先に見つけた。

そして、挑戦者についての出来事について説明した。

奉行の鳥嶋は説明を聞くと少しだけ前世を思い出した。

「そうだった。確かに冤罪で処刑した気がする。」

「前世ってそんな簡単に思い出すものだっけ。」

直子は思わず突っ込んでしまった。

「とりあえず、今すぐ逃げましょう。」

「逃げるってどこにかい?」

「そうですねぇ、国嶋市から出るのはどうだ?」

「確か・・・、異能を使えるのは国嶋市だけって言っていたな。」

涼子と真紀久は元挑戦者の記憶を思い出し、ルールを逆手に利用する提案をした。

「その方法が良いわね。」

「よくわからないけど、ここから出れば大丈夫なんだな。」

「それでは行きましょう!」

「はい!」

こうして、直子たちはまず鳥嶋さんを市外に避難させることにした。

涼子はタクシーを呼んで鳥嶋を車に乗せて国嶋市外に向かわせた。

それから、直子は安部たちにも電話で伝えた。

「それと、今更だけど江戸時代だけど来ている服や物は明治時代のも含まれているみたいね。」

その後、もう一人の標的を探すことにした。


直子の電話を聞いた安部はその手があったか!と感心した。

「よし、残りの挑戦者を探そう。」

「それなら薬袋さんを呼びましょうよ!」

「そうだな、でも皆笑うなよ。」

創の呼びかけに安部は薬袋を呼んだ。10分後、薬袋はやってきた。しかし、その姿は黒毛和牛の着ぐるみを着ていた。

「薬袋さん・・・、それは・・・?」

創たちが恐る恐る聞くと、落ち込むように答えた。

「前世が・・・、黒毛和牛だったの?」

「だから勘が良いわけ――。」

「動物の勘は野生だからね!牛はないから!」

「分かりました。ごめんなさい。」

「じゃ、探すわ。」

こうして、薬袋さんの誘導で標的と遠藤?を探すことになった。

途中で道行く人に異質な目で見られた。

15分後

「うわぁあああああああ―――――!」

安部たちは遠藤?と遠藤?に転送されて消えてゆく殿様を見つけた。

「遅かったか!」

「お前ら遅い!そして弱い!」

「なんだと。」

湯来の挑発に安部は切れた。

「今度こそ西尾を返してもらおうか。」

「嫌だ。返してほしくば俺たちを倒せ。」

「それじゃあ行くぞ!」

こうして、再び戦いが始まった。創は直子たちに電話で場所を伝えた。

「喰らえェ!温泉砲!」

「おりゃ!」

「とぉ!」

安部とサチコは今度は温泉砲をよけることが出来た。

「ちっ!ならもういっちょ!」

今度はもう片方の手を出した。しかし・・・。

「あれっ、でない。」

「今だ!」

安部は遠藤?のお腹を殴った。

「ここで温泉出す水分切れたか・・・。」

「安部ぇ!あんまり西尾を傷つけるなよ!」

「はい!最小限に彼等を追い出すようにするのでご安心を!」

安部とサチコは更に攻撃を加えようと走る。しかし・・・。

ドゴォン!

雷が鳴った。サチコと安部に直撃した。

「「ぎゃあああああああ・・・・・!」」

サチコと安部は倒れてしまった。

更にもう一人乱入者がやってきた。

「「デビルハンター・・・。」」

「アイアス・・・。」

アイアスは遠藤?の近くまで歩いた。

「悪霊の悪魔。今度こそ斬る。」

「この体ごとか?」

「えぇ。」

「おい待てっ!西尾ごと消すな!」

「残念ですが西尾さんも斬ります!ですが大丈夫です!あなたも後で西尾さんの所に送りますから!」

「なっ!?」

「おいあいつ、サチコさんも斬るのかよ!」

創と美香はこれはいかんと思い、すぐアイアスを抑えるために走った。

「邪魔!」

しかし、アイアスは創と美香のお腹を殴って失神させた。

「あいつ・・・、生身の女を殴るなんて・・・。」

これには幽霊を殴る安部もドン引きだった。

「おい待て・・・、はぁ・・・、はぁ・・・。」

サチコは不甲斐ない気持ちだった。

自分が義理とはいえ母として息子を止めることも守ることもできないことに。

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