第76話 ぼんべん(温泉)と雷
喫茶長寿は外装がレトロな感じだからか、変わっていなかった。
しかし、美香ちゃんの服装が白の着物に変わっていた。マスターさんと蛇笏君の服装は小汚い和服。サチコさんの服装は変わっていなかった。
「とりあえず、他の方もここに来るようにしましたので。」
「ありがとう、それにしても・・・、何個の格好なんだろう・・・。」
「聞いた話によると、今回の挑戦者の異能の一つと。どうやら、明治時代と戦国時代の前世の姿になっています。」
「江戸時代と戦国時代って・・・。なんで江戸!?なんで戦国!?」
「今回の挑戦者が江戸時代と戦国時代に命取られた敵を持っていると。」
「えぇ~。」
「じゃあ、なんで私たちは変わってないんだ?」
「サチコさんは海外出身のためこの国での前世は無しかと思います。」
「和服きたかったなー。」
色々と突っ込みたいことはさておき、他のみんなが来るのを待った。
10分後、他の皆が来た。
真紀久はちょんまげを付けた殿様、創くんは農民、熊田さんは花魁、安部さんは陰陽師の姿をしていた。
「いろいろと突っ込みたいわね・・・。」
「俺、陰陽師だと安倍晴明になるじゃん!」
「確かにそうですけど、微妙に違います。特に方法が。」
「あたしなんて花魁よ!これは恥ずいし、私の好みじゃないわ!」
「俺、前世殿様だったんだ・・・。」
「なんで農村だろう。」
テーブルの座席がカオスな雰囲気になったところで美香ちゃんから説明があった。
「なるほど、遠藤さんが2体の幽霊に取りつかれていたのか。」
「あの時、通りで遠藤が遠藤じゃない感じなわけだ。」
「知ってたんなら言ってくださいよ。安部さ~ん。」
「だって、怖かったもん!しかも、あの時廃墟女子を探していたし!」
「安部でも怖いってどれくらい恐ろしいのよ・・・。それにしても派手な着物は似合わんなぁ・・・。」
安部さんも怖がりつつ、涼子さんは着物に違和感を抱いていた。
「とりあえず、3人組で探す?」
「まって、だったらワタシもつれてけ。」
「おらも。」
サチコさんと蛇笏君が立候補してきた。
「サチコさん・・・、蛇笏君・・・。」
「ワタシはあいつの母だ。母は子供の暴走を止める!」
「俺はあいつに助けられたからな。今度は俺も助ける・・・。」
というわけで今回はサチコさんと蛇笏君を入れて遠藤さん?を探すことになった。
私と真紀久と涼子さんと蛇笏君、安部さんと創とサチコさんと美香ちゃんの4人二グループになった。
戦国エリア
一方、甚兵衛はターゲットを見つけた。
甚兵衛を処刑した侍を。
「見つけたぞ!あの時の侍!」
「誰だ!・・・はっ!」
この時、侍の姿をした人は前世を思い出した。
「お前は・・・、あの時の・・・。」
「そうだ!あの時は恩を仇で返しやがって!死なない程度に拷問するからお覚悟を!」
「待ってくれ!俺は・・・、拙者は殿の命令で・・・。」
「問答無用!」
甚兵衛は本来なら元の時代で城に落とすはずだった雷の力を手加減して使った。
バーン!
「ぎゃああああああ!・・・・・・」
侍は雷に打たれて失神した。
「まずは一人。」
その後、侍はテレポートで拷問部屋に送られた。
「見つけたぞ!悪魔!いや悪霊!」
遠藤?の後ろにはアイアスがいた。
「風間の言うとおり、まさか化け物一家の男が悪魔になっていた―――。」
バーン!
「ぎゃふ!?」
甚兵衛はアイアスが独り言を発している最中に雷を討たれてしまった。しかも、戦闘服の一部が焦げていた。
その後、甚兵衛から湯来に変わってい温泉をかけた。
「ぎゃあああああ!熱い!」
その後、湯来は手を開いてアイアスに向けて強い水圧の熱湯を吹き出した。
どばーーーーーーーーーーーーー!
「ぐわっ!熱っ!熱い熱い熱い熱いっ!」
そして、吹き飛ばされてしまった。
モストホープ社の会話
強欲・元社長「あいつ強っ!そして、殺意高っ!」
済陽「当然だ。なんてったって彼らとその依り代の適合率はなんと100%だからな!」
アウルート「100%!?いや99%とかじゃないのですか!?」
済陽「いやほんとうに100%だ。」
傲慢・忍者首領「なぜあいつはそんなに強いのか?いくら幽霊とは言えど、依り代がそんな体に追いつけるなんて・・・。」
色欲・絶世の美「私たちですら適合率97%なのに100%だなんて・・・。」
複製・鏡職人「まるで本人その者みたいですね。」
次に甚兵衛は殿さまを探しに行った。
「あの時の殿め・・・、あいつは狩る・・・!」
甚兵衛は憎しみがこもっていた。
その時だった。
「西尾!」
依り代の名前で声を掛けられたので振り向いた。
「西尾!」
そこには、心配な顔をしていたサチコと安部たちがいた。
「どうやらお前はこいつの母か。」
「西尾を返せ!」
「断る!この体はな、俺たちにはちょうどいい体なんだ!」
「このままじゃ、デビルハンターにその体ごと消されてしまう!返して!」
「大丈夫だ!さっきぶっ飛ばしたから。」
「強いな。」
安部はつぶやいた。
「こうなったら、お母さんが止める!」
「助太刀するぞ、サチコさん。」
「お二方、お気をつけて!」
戦いが始まった。
サチコは頭にかじりつこうと空を飛んで遠藤?の頭に目掛けて飛び掛かる。
しかし、遠藤?は手から温泉を正面に発射して、ジェットの如く横に飛んでよけた。
勢いよく落ちてきたサチコは地面に消灯した。
「ぶごっ!」
「「サチコさん!」」
「あの熱湯は水圧がつよそうだ。気を付けてうぉっと!」
安部が遠藤?に向かっていると今度は安部の上から雷が落ちた。
しかし、安部は打たれる寸前で後ろに避けた。
「すげぇ!間一髪で避けたぞ!」
「ですが、あの人たち強い・・・。」
「「邪魔をしないでくれ!」」
「ふざけるな、あぶぶぶぶぶぶぶぶ!」
「あべべべべべべべべべ!」
今度はぬるめの温泉を出し続けた。
「こうなったら俺たちだけでも!」
「はい!」
美香と創はゴーグルを掛けて遠藤?を捕まえようとした。
ゴーグルは創の自前だ。
しかし、もう片方の手でぬるま湯の放水が発射した。
「うっ、ぼぼぼぼぼぼぼぼぼっぼ!」
「ぶぼいぶびばぶ!(すごい水圧!)」
そのまま、全員吹き飛ばされてしまいました。