第75話 戦国明治の怨霊
1月17日(土)午前7時 直子の自宅
私、直子は郵便の受け取りを確認した。
その中に年賀状が一枚入っていた。
「遅っ!」
私は突っ込みつつも、送り主を見た。
「モストホープ社の風間史郎・・・、モストホープ社!?」
悪の組織から年賀状が届いたことに驚いた。
まぁ、真紀久からそんな悪の組織がいるとは聞いていたが、本当に送って来るとは思わなかった。
「風間史郎・・・、始めて聞く名前ね。」
送り主に気になりつつも、表の内容を見た。
『横山直子さん、あけましておめでとうございます。今年も挑戦者が出陣してくるのでお覚悟ください。後、挑戦者が更に5クール程の程増えるので。アウルートと済陽』
更に小さい文字で二文字の漢字でたくさん書かれていた。その数はなんと55枠もあった。
「多い!何よ5クールって!さらに一年以上するのかしら・・・。」
その後、真紀久達から電話が来て、年賀状が送られて来たとの事。
元挑戦者の真紀久、涼子さん、塔子ちゃんからは『今年こそ裏切りものは、特になにもしない』と書かれていた。
「何もしないんかい!」
モストホープ社 午前10時
済陽「挑戦成功3人目おめでとう~!」
アウルート「おめでとうございます!」
平均・ボケ殴り「あ、ありがとうございます・・・。」
鬼塚は自分への祝賀ムードになっていた社内に戸惑っていた。
済陽「次に、お知らせです。もう一人参加者が追加されます。色欲・絶世の美のカミラさんです。」
色欲・絶世の美「皆の者、よろしく。」
カミラは白のドレスを着ていた。髪は黒で長かった。
その一声ははっきりとしつつも、優しげな声をしたいい声だった。
あまりのいい声に風間先生とミアと遠藤?と済陽と氷川と地学者は泣きながら叫び、拍手を送った。
霧子も少しだけ涙を流していた。
「「うぉおおおおおおおおおおおおおお!」
アウルート「びっくりしたぁ!なんですか!一種のオカルト?」
ライアン「おまえもオカルトだろ。俺もだけど。」
風刺・芸術家「注文だけで周りを感動させた女優さんのようだぁ・・・。」
アウルート「そんな人がいたのですね・・・。」
しかし、泣かなかった一部の人はこんなことを思っていた。
傲慢・忍者首領(そんな色仕掛けに効く私ではない。)
返上・見返り美人(あれっ、あの人の体格と髪の長さ・・・、温泉旅館で見たオネエの人と似ているなぁ。)
後悔・屍王子(オーラがすごい・・・!彼女も俺と同じ王の家系のようだ。)
停止・氷の姫「わぁ、お美しいわ・・・。」
済陽「さて!選定を始める前に、挑戦成功者3人目という事でケーキ食べるよー!」
円卓に一つのケーキがおかれた。そのケーキはウエディングのホールケーキの2段目の大きい白い苺が乗ったケーキだった。因みに一段だけだ。
そして、ケーキを切り分けて皆で食べる。
済陽「う~ん、久々に食べたけど甘~い!」
傲慢・忍者首領「うっ!?甘いのは好かん・・・。」
虚無・くノ一「では、私が頂きます。(何ですかこれ!?あんことは違う甘さ!)」
複製・鏡職人「久々にこんなものを食べました・・・。」
憤怒・逆鱗の次男(泣きながら噛み続ける。)
無垢・元光の神「・・・・・・。」
皆が食べていると、遠藤?が声を上げた。
「「誰だ!俺たちのけいきにこの金属を入れたのは!」」
遠藤?は怒りながらメダルを見せつけた。
済陽「おめでとう!今週の挑戦者は君たちだ!」
「「えっ!?」」
実はこのケーキは祝賀のためと見せかけて、今週の挑戦者の選定のために用意したケーキだった。
選定はケーキの中にコインを入れる、そして、コインが入っていた人が今週の挑戦者。
所謂ガレットデュロワ式の選定だった。
数分後、全員ケーキを食べ終わる。
済陽「というわけで今週の挑戦者は冤罪・沸騰の亡霊、湯来さんと返上・仇で返された人、甚兵衛さん!今回は二人同時に挑戦者となりましたが、望みの形式が一緒なので二人同時にやっていきます!ではお二方!あなた達の願いは何ですか?」
湯来「おらの願いは俺を無実の罪で俺を処刑したものと処刑を命じた奉行へのかたき討ち!」
甚兵衛「俺は建てたお城を依頼した殿と俺を斬った侍のかたき討ち!」
傍から見たら、遠藤?一人で言っているように見えるが本当は2人がそれぞれ言っている。
アウルート「分かりました。実はもうすでにお二方が復讐したい方の生まれ変わりはもうすでにこの町に来ています。」
遠藤?「「なんだって!?」」
アウルート「というわけでこの3人を捕まえることが出来たら挑戦成功です!ただし、今回は内容が見つけて捕まえるだけなのでブロッカーズに対象の人物の情報を送ります。」
遠藤?「「えぇ~!まぁ仕方ないか・・・。」」
遠藤?の異能は国嶋市を戦国時代と江戸時代の街並みと服装に変える異能と拷問部屋に送る異能だ。
今回は望みは標的を4人捕まえて拷問すること。今回はルール上で護衛は無し。
アウルート・済陽「「それでは、始め!」」
憤怒・逆鱗と闇の次男「なんだ・・・、あいつと同じ感じがする・・・。
済陽「なぁ、アウルート。」
アウルート「何でしょうか?」
済陽「思ったんだけど、重田ちゃんの異能、青い炎でも炎上はアウトだね。」
アウルート「今更ですか!?」
済陽「うん。まだ、熱で建物をバターやアイスの様に溶かす方で良かったかも。」
アウルート「それも怖いですね・・・。」
強欲・元社長「怖いな。まぁ、それはそれとして、ライアンはいつまで護衛の挑戦者にしているんだ?あいつ何人か守れていないじゃんか。挑戦失敗じゃないか。」
アウルート「確かにそうでしたねぇ・・・。」
済陽「正直なところ、失敗とかどうでもいいの。」
強欲・元社長「どうでもいいんかい!?」
済陽「あいつは敵に回してほしくない。普通に強いし、シリアスなキャラだし。それだったら味方につけたい。」
強欲・元社長「まぁ、強い奴は味方につけたいのはわかる。」
午前11時 街中
遠藤?は街を戦国時代と江戸時代に変えた。中央から東が戦国時代、西が明治時代と別れていた。
そして、変わったのは建物だけではなく、住民の服装まで変わった。しかし、電柱は戦国時代エリアにも何故かあった。
「なんじゃこりゃ!?」
直子は驚いた。街が明治時代に変わった。さっきまでセーターを着ていたのに、明治時代のお嬢様の服装に変わっていたのだ。
その後、、電話が鳴った。
「美香ちゃんからだ。なんで明治時代に変わったのに電話繋がるのよ・・・、もしもし?」
『もしもし、直子さん。挑戦者が現れました。』
「でしょうね。」
『今回の挑戦者は遠藤さんの姿をした何かです!』
「どういう事!?」
(遠藤さんが挑戦者?遠藤さんのそっくりさんが挑戦者?)
「とりあえず、合流しましょう。あと、挑戦者の正体言うのはだめじゃないの?」
『はい、喫茶長寿で会いましょう。後、今回は、特別ルールで正体ばらしてOKとの事です。』
電話を切った後、私は喫茶長寿に向かった。
向かう途中、警察官や郵便局員や宅配業者が明治時代の服装、になっていた。しかし、使っているものは普通にパトカーやトラックなどの現代の乗り物を使っていた。カラーだけ明治時代風になっていた。
「なんで車はカラーだけで性能と外見は現代の物なのよ・・・。」