ドキドキ、霧子のお泊り
前回のあらすじ
霧子と涼子は追いかけっこをしていた。
「アハハ!まーて!」
「私を捕まえてごらんなさい~!」
周りにお花を舞いながら。
「いや、こんな微笑ましくなかったよ!?」
直子は回想に突っ込んだ。
1月11日(日)午後4時
霧子はライアンの協力でなんとか涼子を撒いて帰還した。
傲慢・忍者首領「まったく、記憶を消したのにまた情けない姿をさらすとは。」
虚無・くノ一「申し訳ございません。」
アウルート「霧子さんは悪くありません。むしろよくやってくれました。涼子さんが異常なだけです。」
フォローするアウルート。
済陽「数か月の付き合いとはいえ、こいつこんなに危なかったっけ?」
風刺・芸術家「見たところ、彼女は人生で一番の一目ぼれにより執着心が強くなったところだね。」
無垢・光の神「敵に回すと恐ろしくなるとはな。参加者の時はただのヘンタイだったが。」
社内は涼子の精神性と腕力性に恐れた。
済陽「う~ん、霧子ちゃん。博打的な作戦が思いついたんだけど、聞きたい?」
霧子「はい、彼女という脅威が消えるのならば。」
午後6時
涼子は落ち込みながら放送していたアニメを見終わった。
「はぁ、またあの子に会えるかなぁ。」
涼子は彼女の気配を察知し、一目見て霧子に惚れてしまった。
それも、今まで以上に。
しかし、霧子は自分のしつこさに恐れて逃げてしまった。
涼子は反省した。
「今度会った時には、自制しよう。」
そんな時だった。
ピンポーン!
玄関のインターホンが鳴った。
「んっ、誰だろ?」
ドアを開けると・・・。
「こんばんは。」
そこには、先ほどまでずっと頭の中でいっぱいだったくノ一の霧子が目の前にいた。
がちゃん!
涼子は扉を閉めた。そして、慌てた。
(えっ、なんであの子がここにいるの!?さっき私がしつこく追ったのに。しかも、なんで家の場所まで!?hぎjhぐjふぉうぃっひおbんいころpgじtgこjほbじぇいgfは!!!!!?????)
めちゃくちゃ頭の中がパニックになった。
こんこん!
「はっ!?」
ドアの叩く音が聞こえて涼子は一旦正気に戻った。
(そうだ、落ち着け。じゃないとめちゃくちゃ怪しまれる。)
もうすでに警戒されているのはさておき、涼子はドアを開ける。
「やぁ、霧子ちゃん。どうしたんだい。私の家に来るなんて?」
「涼子様のお部屋にお泊りに来ました。」
「!?(んじgにほぼえrんbもににろgこわkkbmなえ、ぼのえおこんぎふぉえkb!!!??)」
涼子は再びパニックになった。
しかし、すぐに冷静になって整理した。
(えっ!?あんなことをした私に会いに来た上にお泊り!?いやまて、嬉しいとはいえ、彼女は年下だ!)
「霧子ちゃん、お泊りに来てくれたんだ!でも、霧子ちゃんくらいの子はお父さんやお母さんといった保護者の許可が必要なんだよ?」
「問題ありません。すでに許可はとっています。」
と言いながら許可のサインが書かれた紙を見せた。済陽と影山のサインを。
(この子しっかりしてるぅううううう!)
「これなら大丈夫ですね。」
「うん・・・、いらっしゃい。」
霧子は涼子の部屋に上がった。
(これで侵入成功です。つぎはどのタイミングで仕留めるか。)
どうして霧子が涼子の部屋にお泊りに来たのか。
それは、涼子という脅威を消すために涼子を始末しに来たのだった。
「今から夕飯を作るよ。」
「私も手伝います。」
「いや、ここは私に作らせてよ。腕を振るうから、霧子ちゃんは休んでて!」
「はぁ。」
霧子はどさくさに紛れて毒を仕込もうとしていた。しかし、涼子の押しの強さに仕方なく休むことにした。
午後7時
夕飯を作った。涼子は霧子のためにフルコース料理を作った。ステーキや白飯、サラダ、デザードの桃、揚げ物、豆腐ステーキ、サーモン等
「何ですかこれ?」
「フルコース料理、張り切って作っちゃった。さ、食べよ。いただきます。」
「い、いただきます・・・。」
霧子は驚いていた。普通に白飯がある事ではなく、白飯以外の料理に。
(こんなにたくさん。)
とりあえず、最初に肉を食べた。
(!?おいしいっ!?心地よい歯ごたえ、肉のおいしい味が口に広がる・・・。そこで白飯と一緒に・・・、贅沢。)
他のおかずも霧子は食べたが涙をいつの間にか流すほどおいしかった。
(嬉しそうによく食べるなぁ。)
40分後
「ふぅ~、ごちそう様!」
「ごちそうさまでした・・・。」
涼子と霧子は夕飯を完食した。
(はっ!?私のした事が。一時とはいえ、流されてしまった。…不覚。)
(霧子ちゃん、凹んじゃってて可愛い~。)
「じゃあ、今から食器洗うからお風呂入っといてよ。」
「いえ、私が洗いますので涼子様が・・・。」
「いや、私はもう入ったから。入っとき。」
「はぁ・・・。」
(あの助平なら一緒に入る手段が出ると思っていたが、まさか出なかったとは・・・。丸腰になったところを頭で抑えて溺死にしようと。)
霧子は物騒な作戦が却下され渋々風呂に入った。
水はあったかく、体が癒された。
一方、霧子はなぜ一緒に入らなかったのかというと・・・。
(ふぅ、まさか霧子ちゃんが一緒に入る考えをしていたなんて。私にはできないよ!獣になっちゃうよ!鼻血でて倒れちゃうよ!)
理性を抑えるためだった。
そして、霧子は風呂から上がって涼子が用意した夏の寝間着(半袖半ズボン)を着た。
その後、ゆっくりくつろいだ。
午後11時
寝る時間となった。
「さて、霧子ちゃんはこっちのお布団で寝といて。」
「涼子様は?」
「私は床で寝とくわ。」
「いえっ!ここは涼子様が寝てください。私は床で寝るのに慣れているので。(そして、熟睡した所でとどめを刺す!)」
「いやっ!霧子ちゃんはお客様だからさ、布団で寝て。」
「きりがないですね・・・。じゃあ一緒の布団で寝ましょう。」
「・・・はぁ。しょうがないなぁ。(えっ、一緒に寝るの!?どうしよう。興奮して眠れないよぉ!?)」
数分後・・・。
「くぅ~。」
ぐっすり寝ていた。霧子が用意した睡眠導入のお香で眠らせていた。
しかし、涼子はそれでも霧子の腕でしがみついて寝ていた。
(さて、この状態でクナイで一刺し。)
霧子がクナイを握り締めたその時だった。