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第7話 ショッキングルメ

食虫シーンがあるのでご注意ください。

6月28日(日) 午前10時 モストホープ社 円卓部屋

本日もアウルートが円卓で説明をしていた。

「皆様、本日もお集まりいただきありがとうございます。最初にお知らせとルール追加がございます。」

参加者たちはざわついた。

「私たちを剣で斬るデビルハンターが現れました。そのデビルハンターの剣で斬られると挑戦者は黒い炎に包まれて消滅することになります。」

「えっ、まじかよ。」

「怖っ!」

「容赦ねーな。」

参加者たちはデビルハンターに不安が走った。

「皆様、デビルハンターに出会ってしまった時は十分にご注意ください。また、参加者が2名追加しました。傲慢・忍者首領と虚無・くノ一です。くノ一はスタッフとして、活動します。お知らせは以上です。」

その後、アウルートは参加者たちに紙を渡した。

「次に追加ルールの説明です。挑戦期間が自己申告制になりました。前回までは一週間でしたが、今回からは一日から一週間になりました。」

おおぉ、っと反応する参加者たち。

「期間ごとに沿った目標を達成してください。また、一部の望みは期間の自己申告はできないのでご了承ください。」

「「はーい」」

「それでは、本日の挑戦者です。本日はショッキングチャレンジです。」

「なんだそれ?」

「ショッキング?」

参加者たちはざわついた。

「今からモニターと食べ物をお渡しします。それを見ながら最初に完食した人が本日の挑戦者です。」

配られた小さいモニターにはグロテスクな映像。配られた食べ物には虫がお皿に乗せられていた。

「ひぃいいいいい!」

「グロ!?」

「わぁあああああああああ!」

「おいしそう!」

「ええっ!」

「はい、スタート!」

選定が始まった。しかし・・・。

「今回はあきらめる!」

「お手洗いに行ってきます。」

「俺も。」

「嫌だぁ!私は見ない、食べない。」

「望みのためなら何でもできるがこれは無理。」

「私も。」

参加者ほぼ全員が諦めていた。3名を除いて。

一人は、暴食・蟲姫。赤黒いドレスを着た黒髪の綺麗な女性で、モニターを見ながら嬉しそうに虫を一気に食べていた。

もう一人は、娯楽・バイオ博士。モニターを眼中にして、虫を食べていた。

更にもう一人は、傲慢・忍者首領。無愛想に虫を食べていた。

そして、最初に食べ終えたのが暴食・蟲姫だった。

そして、2番目にバイオ博士、3番目に忍者首領という結果となった。

「あいつらすげぇ。」

「人間かよ・・・。」

「怖い・・・。」

見ていた人たちはその3人に恐怖を覚えた。

「今回の挑戦者は暴食・悪食蟲姫。パリ・タ―イ様です。」

「やった~!私、虫大好きなんですよ。」

喜ぶパリ。

「畜生!あと一歩だったのに!」

「あんな小娘に負けるとは・・・。」

悔しがる大人2名。

「「ええぇ~。」」

その3人を見て恐れる多くの参加者たち。

「さぁ、あなたの望みを言ってください。」

「はい、私はこの星を虫たちの楽園にしたいです。そのためには、虫たちを鉄筋コンクリートも食べれるくらいに強化したいです。」

「そうでしたか。では、こちらの銃をどうぞ。」

アウルートは一本の銃をパリに渡した。

「こちらの光線銃は虫に打つと、コンクリートを食べれるように強化することができます。さらに、撃った本人のいう事も聞いてくれます。」

「わーい!食べる場所や逃げる事を命令できるんだ。」

「はい、期間はどうしますか?」

「うーん、2日で。」

「分かりました。では、2日で2階以上のビルを20棟壊してください。」

「はい、分かりました!」

「では、始め!」


市内某所

パリは、町にでるとさっそく飛んでいた蠅に光線を撃った。

ビーー!

パリは蠅に命令した。

「地面について。」

飛んでいた蠅は地面に着いた。次にパリは飛んでと命令した。

すると蠅は飛んだ。

「本当にいう事を聞くんだ。よし、沢山の虫を集めて、ビルを食べ壊そう。」

パリは、るんるんとスキップして虫たちに光線を撃った。


同日 午前11時 玩具屋久田

私、横田直子は管さんからの電話で玩具屋に向かった。

警報機が直ったとの事だった。

「こんにちはー。」

「直子ちゃん、ついに直ったよ!」

店に入ると玩具屋店長の管さんと見知らぬ高校生の少年がいた。

「この子が直してくれたんだ!」

「君は・・・?」

「初めまして、俺は黒鉄創(くろがねはじめ)って言います。横田直子さんでしたっけ?真紀久がお世話になります。」

黒鉄君の姿は金髪碧眼で海外のモデルさんみたいな体型をしたイケメンだった。

「黒鉄君って黒田君の・・・?」

「はい、親友です!」

黒田君はさわやかな笑顔で答えた。

「そうなのね、警報機直してくれてありがとう。」

「どういたしまして。じゃあ俺はこれで。」

「黒田君、はい。例のおもちゃ。」

「おおぉ!ありがとうございます!」

黒田君はそのまま店を後にした。

「いやぁ、黒田君の友達すごいねぇ。これを一週間で直してしまったよ。」

管さんはうっとりしながら、話した。

「これでいつ来ても一安心だね!」

しかし、今日は警報が鳴らないまま一日が終わった。


同日 午後11時 どこかの森

パリは虫に光線を撃って戦力を集めていた。

「うふふふふふ、虫たちがいっぱいだぁ!」

パリは無邪気に笑っていた。


6月29日(日) 午前7時 直子の家

直子は起きてすぐにスマホでネットニュースを見た。

地元のローカルニュースを見ると、とんでもない出来事が書かれていた。

『ビル5棟、一夜にして消える。』

「な、なんだって!」

ぴりりりりり!

電話が鳴った。管さんだ。

「もしもし。」

「もしもし、管だ。挑戦者が今ビルを壊滅している。挑戦者がいる地図を送る。すぐに来てくれ。」

「分かりました。」

私は、すぐに着替えてその場所へ向かった。自転車で。


7時50分 西区某所

挑戦者がいる場所にたどり着くと、そこは地獄絵図だった。

ビルが一棟あったであろう場所には、虫の大群たちがビルの形となって集まっていた。

「ひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!」

私はショックで一回失神した。


目を開けると、ビルの形になった虫の大群は消えていた。ビルも一棟消えていた。

スマホの時計を見ると8時20分。30分経っていた。

「やばっ、めっちゃ時間経っている。」

私はすぐに管さんに電話をした。

『今、2棟同時にビルが喰われている!挑戦者はそのうちの一棟にいる。場所は西区と中央区の境目のビル。そして、挑戦者は今、デビルハンターアイアスと交戦中。』

「なんですって!?」

私は全速力で自転車を走った。


8時40分 西区と中央区の境目のビル

到着すると、アイアスが倒れていた。

「アイアスさん、大丈夫ですか!?」

私はアイアスの介抱をした。

アイアスは私に気が付いて、苦しそうに話した。

「お前は・・・、あの時の、邪魔者・・・。」

「挑戦者はどうしたのですか?」

「虫に包まれて、逃げた。」

「そうでしたか。」

私は逃げられてしまったことに少しがっかりしながらも、生きていることに安心した。

「早く追わないと・・・、うっ!」

アイアスは立ち上がって歩くが、すぐに倒れてしまった。

「アイアスさん!無理をしないでください!今救急車を!」

「この時代の病院はだめだ。まだ戸籍というものはない。」

「ああ、どうすれば。」

「とりあえず、ここへ連絡してくれ。」

アイアスは電話番号が書かれた紙を渡した。私はそこに電話をかけた。


「はい、分かりました。できるだけ早くお願いいたします。」

私はアイアスがお世話になっているところに送迎の依頼とアイアスの応急処置をした。

「それじゃあ私は挑戦者を止めに行きます。迎えが来るまで動かないでください。」

「余計なことを・・・。」

私はアイアスの捨て台詞を無視して、自転車をこいだ。






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