表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/89

~無理ゲーにもほどがある!3~

 結人(ゆうと)は、ドンッと落下するような衝撃が体に走り目を覚ました。


「いててて。ベッドから落ちたか?」


 痛む体をさすりながら結人はゆっくりと体を起こし、周りを見渡す。しかし、あたりは文字通りの()()()()で、一寸先も見えないのではないかというような闇の中に結人はいた。

 空気はひんやりとしていて少し肌寒くすらある。なんだこれ。部屋の中が一切見えないなんてこと今までなかったぞ?いぶかしみながらも上体を起こす。寝始めた時間が遅かったせいで頭の中がボーっとしている。とりあえず、落ちたのであればベッドは結人の横にあるはずだ。

 

 ベッドに戻ってもう一眠りしようと思い、ひざ立ち状態で暗闇の中手を伸ばしていくが、伸ばした手は何に触れることも無くむなしく宙をさまよい、そのままバランスを崩した結人は前のめりに手をつく形となった。

 

 ベッドが無い!? まさかそんなはずは・・・。そこで初めて気がついたのだが、この手に当たるざらざらとした感触の中に、たまに感じる少しごつごつとした感じ。これは、()()だ!    


 何度触って確かめても間違いなく乾いた土の感触だった。しかしベッドで寝ていたのに、なんんで土の上にいるんだ?寝ている間に誰かに拉致され、山にでも放り出されたのか。しかし当然、そんなことをされるような覚えはないし、そもそも一寸先が見えないということはないだろう。いったいここはどこだ。


 などと考えていると、水道の蛇口から水が一滴たれるかのような音が耳に届く。どことなく聞き覚えのある音にほっとする自分がいたのだが、次に聞こえてきたズル、ズル、となにか重たいものを引きずるような音と、時たま聞こえるフシューと言う音に、安堵とは程遠い恐怖心が芽生えた。


「おいおい。何の音だよ」


思わず口をついて出た言葉だったが、その声は周りの壁に当たり思ったより大きく反響する。そこで初めて自分がどこにいるのか気がついた。ここは<洞窟>だ!ベッドで寝ていたはずなのに、なぜ洞窟にいるのか。それにこの得体の知れない音はなんだ? その何かを引きずるような音は次第に大きく、結人にだんだんと近づいてきているようだった。しかし、暗闇で視界が悪く、あたりの壁に音が反響してどちらから近づいてきているのかいまいち判断できない。


「これが夢なら覚めてくれ」


と願いつつ、ありきたりだが自分の頬をつねってみる。おもいっきり痛かった。どうやら夢というわけではないようだ。

 そんな馬鹿なことをしている間に音はだんだんと近づいてきて結人の数メートル後ろでとまったのが分かった。これだけ近づかれるとフシューフシューという息をするような音がはっきりと聞こえる。結人は嫌な汗が吹き出るのを感じながら、こわばるからだを奮い立たせて後ろを振り返る。


 暗闇で何も見えないはずなのだ。見えないはずなのに、目の前には鋭いとげを連想させるような真っ白い歯が、円を描くようにいくつも暗闇の中浮かんでいた。おいおいまじか! 無理ゲーにもほどがあるだろ!? 結人は自分が叫んだのかさえ解らないまま、その歯の中へと吸い込まれるようにして飲み込まれたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 食べられましたね。あまりに唐突で理不尽で素晴らしいと思います。何が近づいてくるのか分からないという恐怖感も良いと思います。目が覚めてから食べられるまでの流れも、何かちゃんと順を追っていて、…
[気になる点] ・文章が読みづらい ・物語が頭に入ってこない [一言] Twitterで作品の紹介いただきありがとうございます。
2021/09/17 19:30 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ